「dekisugiを導入しようと思っているが、本当に自分たちの団体に合っているのかわからない」「1,500団体が使っているという実績は本物なのか?」「育成就労制度への対応はどこまで進んでいるのか?」——監理団体の事務局担当者や経営者の方から、こうした声をよく耳にします。

dekisugi(できすぎくん)は監理団体向け管理ツールとして業界での認知度が高く、導入検討の最有力候補として名前が挙がることが多い製品です。しかし、導入して後悔したというケースも少なくありません。「思ったより使いこなせなかった」「AI機能がなく結局手作業が残った」といった声があるのも事実です。

本記事では、dekisugiの料金・機能・評判を監理団体の視点で徹底的に整理します。強みを正直に評価しながら、同時に「こんな団体には向かない」という限界についても公正にお伝えします。最終的に貴団体が最適な選択をできるよう、BPO+AIという第三の選択肢についても紹介します。

dekisugi(できすぎくん)とは?基本情報まとめ

運営会社・導入実績

dekisugi(できすぎくん)は、株式会社グレッジ(東京都渋谷区)が開発・運営する監理団体・登録支援機関向けのSaaS型管理ツールです。2019年頃から提供が始まり、現在では監理団体・登録支援機関を合わせて1,500団体以上が導入しています。

注目すべきは継続率の高さです。公式発表によると継続率は99%を誇っており、これは業界内でも突出した数字です。実際に使い続けているユーザーが多いという事実は、ツールの実用性を裏付ける重要な指標といえます。

株式会社グレッジは外国人材活用分野に特化した企業で、監理団体・登録支援機関の業務フローを熟知したうえでプロダクト開発を行っています。そのため「現場の実態に即した機能設計」という点で、汎用型の業務管理ツールとは異なる強みを持っています。

項目詳細
運営会社株式会社グレッジ(東京都渋谷区)
導入団体数1,500団体以上(2025年時点)
継続率99%
対象ユーザー監理団体・登録支援機関
提供形態SaaS(クラウド型)
フリーミアムあり(基本機能無料)

料金プラン

dekisugiの料金体系は、フリーミアム(無料プラン)から始まり、有料プランが月額29,800円〜の構成になっています。監理団体向けの主な有料プランは以下の通りです。

プラン名月額費用(税別)主な対象特徴
フリープラン無料小規模・試用基本台帳管理のみ
スタンダードプラン29,800円〜中小規模監理団体書類自動作成・在留期限管理
プレミアムプラン39,800円〜大規模監理団体全機能+優先サポート

初期費用については別途かかる場合があります。契約内容や管理人数によって費用が変わるため、正確な金額は公式サイトまたは営業担当者への問い合わせで確認することをお勧めします。なお、フリープランはクレジットカード不要で始められるため、機能の確認や操作感の把握には最適です。

主要機能一覧

dekisugiが提供する主要機能は以下の通りです。監理団体の日常業務をほぼカバーするラインナップとなっています。

  • 書類自動作成: 技能実習計画書、OTIT届出書類、各種報告書のテンプレートから自動生成
  • 在留期限管理・アラート: 在留資格の期限を管理し、更新前に自動通知
  • 入管システム連携: 出入国在留管理庁のシステムとのAPI連携(一部機能)
  • 台帳管理: 実習生・育成就労者・特定技能外国人の基本情報・在留情報を一元管理
  • 監理費請求書作成: 受入企業への請求書を自動生成
  • 巡回・訪問スケジュール管理: 法定巡回指導のスケジュール管理と記録
  • TaskPorta連携(β版): タスク管理機能(詳細は後述)
  • フリーミアム: 基本機能を無料で利用可能

dekisugiの強み5選

強み1: 書類自動作成の精度と網羅性

dekisugiの最大の強みは、監理団体の書類業務に特化した自動作成機能です。技能実習計画書、OTIT(外国人技能実習機構)への各種届出書類、事業報告書など、監理団体が日常的に作成する書類のほぼすべてに対応しています。

通常、これらの書類を手作業で作成すると、1件あたり2〜3時間かかることも珍しくありません。dekisugiを使えば、台帳に登録済みのデータを引用して書類の下書きを自動生成できるため、作業時間を大幅に削減できます。実際の利用者からも「書類作成の時間が半分以下になった」という声が聞かれます。

特に優れているのは、書類の様式変更への対応速度です。OTIT書類の様式は定期的に更新されますが、グレッジ社はこれに迅速に対応し、最新様式を常に使えるようにしています。この点は、自社でExcelを管理している団体には難しい対応です。

強み2: 入管システムとのAPI連携

出入国在留管理庁(入管庁)のオンライン申請システムとの連携機能は、業界内でも先進的な機能です。API連携により、入管庁へのデータ送信作業を効率化できます。

従来、在留資格の申請・変更・更新などの手続きは、入管庁のシステムに手入力する作業が必要でした。dekisugiの連携機能を使えば、既にシステムに登録されているデータを活用してこの作業を短縮できます。特に管理人数が多い大規模団体では、この機能による時間削減効果が顕著に表れます。

強み3: 1,500団体の業界実績と継続率99%

1,500団体以上という導入実績と継続率99%は、単なる数字以上の意味を持ちます。これだけの団体が使い続けているということは、実際の業務で有用であることが証明されているといえます。

監理団体の業務は各団体によって微妙に異なります。対応分野、管理人数、受入企業の規模感、担当者のITスキル——これらが異なる中で、1,500団体が継続利用しているということは、ある程度の汎用性の高さを示しています。

また、多くの団体が使っているということは、コミュニティ効果も期待できます。同じツールを使っている他の団体の活用事例やTIPSが共有されやすく、導入後の学習コストを下げる効果があります。

強み4: フリーミアムで気軽に試せる

「導入前に実際の使い勝手を確認したい」という要望に応えるフリーミアムモデルは、大きな強みです。クレジットカード不要・申し込みだけで基本機能を無料で試せるため、導入リスクなく評価できます

フリープランでも台帳管理の基本機能は使えるため、操作感・UIの見やすさ・データ入力の流れなどを実際の業務で確認できます。有料プランへのアップグレードは、機能の価値を確認してから判断できる点は評価できます。

強み5: 監理団体特化のサポート体制

監理団体業務に特化した専門的なサポート体制も強みの一つです。一般的なSaaSでは「マニュアルを見てください」で終わることが多いですが、dekisugiは監理団体の業務フローを理解したサポート担当者が対応します。

「OTIT書類の○○の記載方法がわからない」「この場合の届出の手順は?」といった業務知識が必要な質問にも対応できるサポート体制は、特にシステム導入初期において大きな安心感につながります。

dekisugiの課題・限界(客観的な評価)

公正な評価のために、dekisugiの課題と限界についても正直にお伝えします。これらを把握したうえで導入判断をすることが、後悔のない選択につながります。

課題1: AI機能がほぼない(手作業前提の設計)

dekisugiは書類の「テンプレート呼び出し」と「データ自動入力」が中心であり、AIを活用した業務自動化という観点では機能が限定的です。例えば以下のような機能は現時点では対応していません。

  • 多言語AIチャットボット(外国人労働者からのLINE相談を自動対応)
  • 書類内容のAI校正・提案
  • 相談ログのAI分析・傾向把握
  • 自然言語での検索・絞り込み

育成就労制度への移行後、外国人材とのコミュニケーション業務が増加することが見込まれます。その際、AI多言語対応機能がないdekisugiでは、通訳・翻訳コストや担当者の対応工数が増加するリスクがあります。「書類自動化はできるが、コミュニケーション業務は手作業のまま」という状況になりやすいのです。

課題2: TaskPortaがまだβ版

dekisugiのタスク管理機能「TaskPorta(タスクポルタ)」は、現時点でβ版です。43組合・32支援機関が開発に協力しており、正式版への期待は高いですが、現時点では実業務での安定運用には不安が残ります

正式版リリース後に機能が充実することへの期待は持てますが、「今すぐ安定したタスク管理機能が必要」という団体には時期尚早といえます。TaskPortaについての詳細は別記事で解説していますが、β版の現状では単独ツールとしての完成度はまだ限定的です。

課題3: SaaSセルフ運用前提(ITリテラシーが必要)

dekisugiはSaaS型ツールであり、自分たちで設定・運用・メンテナンスを行う前提で設計されています。初期設定、マスターデータの登録、定期的なデータ更新——これらはすべて利用者側の作業です。

「ITが苦手な担当者しかいない」「パソコン操作に不慣れなスタッフが中心」という団体では、導入後に「使いこなせない」という問題が起きやすいです。実際、「導入したけど結局Excelに戻ってしまった」という団体が一定数存在します。

導入の際にはITサポートができる担当者の確保、または外部の導入支援サービスの活用が実質的に必要になります。

課題4: 育成就労への個人紐付け進捗管理の弱さ

育成就労制度では、外国人材の個人ごとのキャリア形成・スキル習得状況・転籍履歴などを管理する必要性が高まります。技能実習との最大の違いは「人材の育成・成長」が中心概念になる点です。

dekisugiの現行機能は主に「在留管理・書類作成」に最適化されており、個人ごとの成長記録・目標管理・キャリアパス追跡といった育成就労特有の管理ニーズへの対応は、現時点では十分ではありません。育成就労制度が本格化する2027年以降、この点が課題として顕在化する可能性があります。

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編集部
Author
FRM Journal 編集部
監理団体・外国人材専門コンテンツチーム
監理団体・登録支援機関のDX推進・業務効率化を専門に取材・執筆。100以上の記事を通じて、外国人材活用に関わる実務担当者の課題解決を支援しています。