外国人を雇い入れた、または離職したときは、原則として「外国人雇用状況の届出」が必要です。ただし、雇用保険の被保険者になるかどうかで、使う様式と提出期限が変わります。
この記事は、雇用保険被保険者ではない人に使う「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を、実際に書く担当者向けに解説します。採用から入社後までの手続き全体を確認したい場合は、外国人雇用の手続きと必要書類をご覧ください。
編集情報:初版公開・事実確認 2026-09-22/編集 FRM Journal編集部。様式、期限、記載事項は厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」および同省公開の様式・記入上の注意を基準にしています。個別の被保険者該当性や在留資格の判断は、ハローワーク等へ確認してください。
最初に確認すること:様式と期限は2通りです
届出の対象は、在留資格「外交」「公用」および特別永住者を除く外国人労働者です。採用前に在留カード等の提示を受け、在留資格と特別永住者かどうかを確認してください。届出を怠ったり虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金の対象となります。確認事項は厚生労働省の届出案内・チェックリストも参照してください。
| 雇用保険の扱い | 使う届出 | 雇入れ時の期限 | 離職時の期限 |
|---|---|---|---|
| 被保険者になる | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/資格喪失届(様式第4号)に外国人雇用状況を記載 | 雇入れた月の翌月10日まで | 離職日の翌日から起算して10日以内 |
| 被保険者にならない | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 雇入れた月の翌月末日まで | 離職した月の翌月末日まで |
様式第3号は、雇用保険被保険者とならない場合に限って使います。被保険者となる人について様式第3号を重ねて提出する必要はありません。雇用保険の手続き自体が外国人雇用状況の届出を兼ねます。
国・地方公共団体には別の「外国人雇用状況通知書」の扱いがあります。本記事の様式第3号とは提出書類・期限が異なるため、一般の事業主向けの説明をそのまま当てはめないでください。
様式第3号を使う場面と提出方法
様式第3号は、短時間労働などで雇用保険被保険者とならない外国人を雇い入れたとき、または離職したときに使います。同じ人に複数回の雇入れ・離職が生じたときは、様式の中段にそれぞれの日付を記載します。原則として対象者1人につき1枚です。
- 紙で提出する場合:現行の様式第3号(PDF)を使い、表面と注意書き面を両面印刷して、管轄のハローワークへ提出します。
- 電子申請する場合:雇用保険被保険者でない場合は、外国人雇用状況届出システムから届け出ます。利用条件・切替手続きは公式案内を確認してください。
届出に在留カード等の写しを添付する必要はありません。ただし、記載事項は在留カードまたは旅券等の提示を受けて確認します。見せてもらった情報を、推測や聞き取りだけで補わないことが重要です。
様式第3号の記入例:①〜⑧欄
以下は、実在の人物・事業所を示すものではありません。各欄に何を転記・確認するかを示す説明用の記入例です。氏名、在留カード番号、住所、電話番号などの個人情報を記事内の例に置き換えて使用しないでください。
| 欄 | 書く内容 | 確認・記入のポイント |
|---|---|---|
| ① 外国人の氏名 | ローマ字の氏名とカタカナのフリガナ | ローマ字氏名は在留カード等で確認し、フリガナは本人に確認します。 |
| ② 在留資格 | 在留資格の名称 | 特定技能は指定書で確認した特定産業分野を括弧書きで併記します(例:「特定技能1号(該当分野)」)。特定活動も指定された活動を括弧書きで記します。 |
| ③ 在留期間 | 在留期間の満了日 | 西暦で記載します。監理措置の決定を受けた者・仮滞在許可者は記載不要です。 |
| ④ 生年月日 | 生年月日 | 在留カード等の記載を西暦で転記します。 |
| ⑤ 性別 | 該当する番号 | 様式上の該当番号を丸で囲みます。 |
| ⑥ 国籍・地域 | 国籍または地域 | 在留カード等で確認した内容を記載します。 |
| ⑦ 資格外活動許可の有無 | 有・無の該当番号 | 留学など、資格外活動許可を受けるべき人について許可の有無を確認します。離職の届出では記載不要です。 |
| ⑧ 在留カード番号 | 在留カード記載の12桁の英数字 | 在留カード所持者に記載します。監理措置の決定を受けた者・仮滞在許可者は記載不要です。 |
在留カードを所持しない人は、旅券、在留資格証明書、資格外活動許可書、監理措置決定通知書または仮滞在許可書などで確認します。特定技能・特定活動で括弧書きが必要な事項は、指定書でも確認してください。
匿名の記入サンプル:転記元を見ながら埋める
次は、実在の人物・事業所の情報を含まない説明用サンプルです。角括弧の箇所に、確認書類に記載された実際の情報を転記します。番号・氏名・日付を架空の値で埋めて提出しないでください。
| 様式の箇所 | 説明用の記入サンプル | 転記・確認する書類 |
|---|---|---|
| 表題 | 「雇入れ」に係る届出書(「離職」を抹消) | 今回届け出る事実が雇入れか離職かを確認 |
| ① 氏名 | ローマ字:[在留カードの氏名]/フリガナ:[本人に確認した読み] | 在留カード(所持しない場合は旅券等)と本人への確認 |
| ② 在留資格 | [在留資格の名称] 特定技能なら「特定技能1号([指定書の特定産業分野])」 | 在留カード、特定技能・特定活動は指定書 |
| ③〜⑥ | 在留期間:[満了日]/生年月日:[生年月日]/性別:[該当番号]/国籍・地域:[記載どおり] | 在留カード等 |
| ⑦〜⑧ | 資格外活動許可:[有・無の該当番号]/在留カード番号:[カード記載の12桁] | 在留カード・資格外活動許可書等 |
| 年月日・事業所欄 | 雇入れ年月日:[実際の雇入れ日]/事業所:[届出対象の事業所情報]/事業主:[法人代表者氏名] | 雇用契約・事業所の届出情報等 |
用紙の配置と注意書きは、厚生労働省の現行様式・記載上の注意(PDF)で必ず確認してください。公開されている様式の注意書きが、この記事の説明より優先します。
雇入れ・離職年月日と事業所欄
様式中段には、雇入れに係る届出なら雇入れ年月日、離職に係る届出なら離職年月日を西暦で記載します。表題の「雇入れ」「離職」は、該当しない文字を抹消して使用します。雇入れと離職の双方を届け出る場合は、両方の日付を記載します。
事業所欄には、雇入れまたは離職に係る事業所の名称・所在地・電話番号・雇用保険適用事業所番号を記載します。法人の場合は法人名、主たる事務所の所在地・電話番号も必要です。派遣・請負の労働者が主として別の事業所で就労する場合は、様式の該当欄にチェックを入れます。
事業主欄は、法人なら代表者氏名を記載します。社会保険労務士の記載欄は、提出代行・事務代理を行う場合の欄です。
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2027年4月1日用の様式は、現行様式と混同しない
厚生労働省の公式案内には、令和9年(2027年)4月1日から使用する様式第3号が別に掲載されています。この記事で案内している現行様式と、2027年4月1日用様式は用途の開始日が異なります。
| 届出を行う時期 | 使う様式 |
|---|---|
| 2027年3月31日まで | 公式案内の現行「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」 |
| 2027年4月1日から | 公式案内で「令和9年4月1日からはこちら」と示される様式第3号 |
提出時点で公式ページを開き、現行か2027年4月1日用かを確認してからダウンロードしてください。この記事内の欄別説明は、掲載時点の公式様式・注意書きを要約したものであり、最終的には提出する様式の注意書きが優先します。
提出前チェックリスト
- 対象者が在留資格「外交」「公用」または特別永住者に該当しないことを確認した
- 雇用保険被保険者になるかを確認し、様式第2号・第4号か、様式第3号かを選んだ
- 在留カードまたは旅券等で①〜⑧欄を確認した
- 雇入れ・離職の別と、該当する日付を確認した
- 被保険者でない場合は、雇入れ・離職とも翌月末日までという期限を確認した
- 2027年4月1日以降の提出では、同日以降用の様式を選んだ
様式の選択を誤ると、期限も異なります。雇用保険の被保険者該当性に迷う場合は、届出期限を待たずに管轄のハローワークへ確認しましょう。
よくある質問
雇用保険の被保険者なら、様式第3号も提出しますか?
提出しません。雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)または資格喪失届(様式第4号)の提出で、外国人雇用状況の届出をしたことになります。
在留カードのコピーは添付しますか?
届出時の写しの添付は不要です。ただし、記載事項は在留カードまたは旅券等の提示を受けて確認します。
雇入れと離職で期限は同じですか?
様式第3号を使う場合は、雇入れ・離職ともに翌月末日までです。一方、雇用保険被保険者なら、雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内です。
特定技能の在留資格は、何を書きますか?
在留資格名に加え、法務大臣が指定する特定産業分野を括弧書きで記載します。指定書で確認してください。
まとめ:書き始める前に被保険者かを確認する
外国人雇用状況の届出は、全ての事業主に関わる手続きです。まず雇用保険被保険者になるかを判定し、被保険者でなければ様式第3号を選びます。様式第3号では、在留カード等で①〜⑧欄を確認し、雇入れ・離職とも翌月末日までに届け出ます。
採用前の在留資格確認、雇用契約、社会保険などを含めた全体の流れは、外国人雇用の手続きと必要書類で確認できます。この記事は届出書の記入作業、同記事は受入れ手続き全体、と使い分けてください。
一次資料・関連リンク
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
- 外国人雇用状況届出書(様式第3号)・記載上の注意(現行PDF)
- 外国人雇用状況届出書(様式第3号)(令和9年4月1日から使用するPDF)
- 外国人雇用の手続きと必要書類
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