外国人を雇うときは、日本人と同じ雇用の手続きに加えて、在留カードの確認、在留資格の申請、ハローワークへの外国人雇用状況の届出が必要になります。どれも「いつまでに」「どこへ」が決まっているため、担当者が一覧で押さえておくことが抜け漏れを防ぐ近道です。
この記事は、採用前から入社後・離職時までの手続きを1枚の進行表にまとめたものです。表の期限と提出先は、厚生労働省・出入国在留管理庁・日本年金機構の公式ページで確認したものだけを載せています。
編集情報:初版公開 2026-06-27/事実確認 2026-09-23/編集 FRM Journal編集部。在留資格・在留カードは出入国在留管理庁、外国人雇用状況の届出は厚生労働省、社会保険は日本年金機構の公開情報を優先しています。個別の在留資格判断は所管窓口や専門家へご確認ください。誤りや更新情報はお問い合わせ窓口からお知らせください。
外国人を雇うときの手続き一覧(時期・提出先・期限・対象者)
上から順に進めれば、採用前から離職時までの手続きを一通り確認できます。自社に当てはまらない行(たとえば特定技能の届出)は飛ばしてください。
| 時期 | 手続き | 提出先 | 期限 | 対象者 | 根拠・公式ページ |
|---|---|---|---|---|---|
| 採用前 | 在留カードの確認(券面の確認と、在留カード等番号失効情報照会) | 提出なし(出入国在留管理庁の照会ページで本人のカード番号と有効期間の満了日を入力) | 採用を決める前 | 中長期在留者として在留カードを持つ応募者 | 出入国在留管理庁 失効情報照会サポートページ |
| 採用前 | 資格外活動許可の確認(アルバイト採用の場合) | 提出なし(在留カードで許可の有無を確認) | 採用を決める前 | 「留学」など、就労が原則認められない在留資格の人 | 出入国在留管理庁「留学」の資格外活動許可 |
| 内定後〜入社前 | 労働条件の明示(賃金・労働時間などを書面で交付) | 本人へ交付 | 労働契約の締結に際して | すべての労働者(国籍を問いません) | 厚生労働省(労働基準法第15条第1項) |
| 内定後〜入社前 | 在留資格認定証明書交付申請 | 地方出入国在留管理官署 | 入国以前に交付を受けられるよう、余裕をもって | 海外から呼び寄せる人 | 出入国在留管理庁(入管法第7条の2) |
| 内定後〜入社前 | 在留資格変更許可申請 | 地方出入国在留管理官署 | 在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前 | 国内に在留し、仕事の内容に合わせて在留資格を変える人(例:留学生の新卒採用) | 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請 |
| 入社後 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届(必要に応じてローマ字氏名届) | 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 事実発生から5日以内 | 適用事業所に常時使用される人 | 日本年金機構 |
| 入社後 | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)。提出すると外国人雇用状況の届出を行ったことになります | ハローワーク | 雇入れの翌月10日まで | 雇用保険の被保険者となる外国人 | 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」 |
| 入社後 | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | ハローワーク(電子申請も可) | 雇入れの翌月末日まで | 雇用保険の被保険者とならない外国人 | 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」 |
| 入社後(本人の届出) | 所属(契約)機関に関する届出(新たな契約の締結) | 出入国在留管理庁長官(電子届出・窓口・郵送) | 新たな契約を締結した日から14日以内 | 転職などで新たに契約した「技術・人文知識・国際業務」「技能」「介護」「特定技能」などの本人 | 出入国在留管理庁(入管法第19条の16第2号) |
| 在籍中(特定技能) | 随時届出(雇用契約の変更・終了、支援計画の変更、受入れ困難など) | 地方出入国在留管理局または同支局 | 届出事由が生じた日から14日以内 | 特定技能所属機関(受入れ企業) | 出入国在留管理庁 特定技能の届出 |
| 在籍中(特定技能) | 定期届出(受入れ・活動・支援実施状況) | 出入国在留管理庁 | 対象期間4月1日〜翌年3月31日の分を、翌年5月31日まで | 特定技能所属機関(受入れ企業) | 出入国在留管理庁 特定技能の届出 |
| 離職時 | 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)または外国人雇用状況届出書(様式第3号) | ハローワーク | 資格喪失届は離職の翌日から起算して10日以内、様式第3号は翌月末日まで | 雇入れ時と同じ区分 | 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」 |
表のうち、多くの会社で必要になるのは「在留カードの確認」「労働条件の明示」「社会保険の資格取得届(適用事業所の場合)」「外国人雇用状況の届出(雇用保険の資格取得届または様式第3号)」です。在留資格の申請は、採用する人の状況によって必要かどうかが変わります。
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採用前:在留カードで「働けるか」を確かめる
採用前に確認するのは、その人が自社の仕事に就ける在留資格を持っているかどうかです。出入国在留管理庁は、不法就労させた事業主も処罰の対象になるとし、「当該外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても,在留カードを確認していない等の過失がある場合には,処罰を免れません」と案内しています(出入国在留管理庁のリーフレット)。
失効情報照会の使い方
- 在留カードの番号と有効期間の満了日を入力すると、そのカードの番号が失効していないかを確認できます。
- 在留カードの番号は発行のたびに変わるため、再交付を受けた人の古いカードの番号は失効しています。
- 照会ページは毎日午後8時から午後11時までの約3時間、メンテナンスのため使えません。2026年1月5日以降は、海外のIPアドレスやVPNなどからは接続できません。
- 2025年11月14日以降は、無料の「在留カード等読取アプリケーション」からも失効情報照会を利用できます。
在留資格ごとの仕事の範囲や、自社に合う在留資格の選び方は外国人採用の進め方ガイドで整理しています。
留学生などをアルバイトで雇う場合
「留学」の在留資格は原則として就労が認められないため、資格外活動許可を受けているかを確認します。包括許可で働けるのは、1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間は1日について8時間以内)です(出入国在留管理庁)。
内定後〜入社前:労働条件の明示と在留資格の申請
労働条件は書面で明示する
労働基準法第15条第1項は、労働契約の締結に際して賃金・労働時間などの労働条件を明示するよう定めています。厚生労働省の案内では、次の(1)から(6)の事項は書面の交付で明示する必要があります((5)のうち昇給に関する事項を除く)。(1)労働契約の期間、(2)期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準、(3)就業の場所と従事する業務、(4)始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、労働者を二組以上に分けて就業させる場合の就業時点転換、(5)賃金(退職手当と臨時に支払われる賃金などを除く)の決定・計算・支払いの方法、締切りと支払いの時期、昇給、(6)退職に関する事項(解雇の事由を含む)です(厚生労働省)。外国人労働者向けのモデル労働条件通知書は、英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・インドネシア語・ベトナム語の8言語が公開されています(愛知労働局)。
在留資格の申請が必要なケース
- 海外から呼び寄せる:在留資格認定証明書交付申請。受け入れようとする機関の職員も申請提出者になれます。入国以前に交付を受けられるよう、余裕をもって提出するよう案内されています(出入国在留管理庁)。
- 国内にいる人の在留資格を変える(例:留学生の新卒採用):在留資格変更許可申請。申請期間は「在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前」です(出入国在留管理庁)。
申請書と添付資料は在留資格ごとに異なります。最新の一覧は各申請ページで在留資格を選んで確認してください。
入社後:社会保険の資格取得届と外国人雇用状況の届出
健康保険・厚生年金保険(5日以内)
日本年金機構は、適用事業所に常時使用される人は「国籍や性別、賃金の額等に関係なく、すべて被保険者」になるとしています。事業主は被保険者資格取得届を、事実発生から5日以内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します(日本年金機構)。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人や、個人番号制度の対象外の人は、資格取得届とあわせてローマ字氏名届が必要です(日本年金機構)。
外国人雇用状況の届出(翌月10日または翌月末日)
外国人雇用状況の届出は、在留資格「外交」「公用」と特別永住者を除く外国人の雇入れ・離職の際に、すべての事業主に義務づけられています。雇用保険の被保険者になるかどうかで、使う様式と期限が変わります(厚生労働省)。
| 区分 | 使う様式 | 期限 |
|---|---|---|
| 雇用保険の被保険者になる | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)・資格喪失届(様式第4号) | 雇入れ:翌月10日まで/離職:翌日から起算して10日以内 |
| 雇用保険の被保険者にならない | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 雇入れ・離職とも翌月末日まで |
届出の際は在留カードまたは旅券などの提示を求めて届け出る事項を確認し、写しの添付は不要です。様式第3号は、2027年4月1日から使う様式も厚生労働省のページに掲載されています。欄ごとの書き方は外国人雇用状況届出書の記入例で解説しています。
入管への届出は「本人」と「特定技能の受入れ企業」
- 本人の届出:転職などで新たな契約機関と契約した「技術・人文知識・国際業務」「技能」「介護」「特定技能」などの本人は、14日以内に出入国在留管理庁長官へ届け出ます(出入国在留管理庁)。中途採用の人には、入社時に届出済みかを声かけしておくと安心です。
- 会社の届出(中長期在留者の受入れに関する届出):労働施策総合推進法にもとづく外国人雇用状況の届出が義務づけられている機関は、この届出の対象から除かれています(出入国在留管理庁)。
- 特定技能の受入れ企業:随時届出は届出事由が生じた日から14日以内、定期届出は4月1日から翌年3月31日までの分を翌年5月31日までに提出します。随時届出は登録支援機関が代わりに行うことはできません(出入国在留管理庁、随時届出Q&A)。支援の委託先については登録支援機関とは、制度全体は特定技能制度とはをご覧ください。
団体監理型の技能実習では監理団体が受入れを支援し、2027年4月1日に施行される育成就労制度では監理支援機関がその役割を担います。制度の違いは育成就労制度とはで整理しています。
必要書類の早見表
| 手続き | 会社が用意・確認するもの |
|---|---|
| 外国人雇用状況の届出 | 様式第2号または様式第3号。在留カード・旅券などを提示してもらい記載事項を確認(写しの添付は不要) |
| 健康保険・厚生年金保険の資格取得 | 被保険者資格取得届。本人の基礎年金番号通知書(年金手帳)またはマイナンバーカードを提示してもらう。必要に応じてローマ字氏名届 |
| 労働条件の明示 | 労働条件通知書(書面)。多言語のモデル通知書を利用可 |
| 在留資格の申請 | 在留資格ごとに定められた申請書と資料(出入国在留管理庁の各申請ページで在留資格を選んで確認) |
| 特定技能の届出 | 届出書と、出入国在留管理庁の提出書類一覧表に沿った添付書類 |
日本年金機構は、マイナンバーを持っていない短期在留外国人などで過去に本人確認をしていない人について、旅券の写しなどで本人確認を行うとしています(日本年金機構)。
この記事は採用前後の一回性の手続きを扱っています。入社前後の社内段取りは受入準備チェックリスト、面接での見極めは外国人採用の面接質問例30選、雇用開始後に繰り返す届出・在留期限・社会保険の管理は外国人社員の労務管理ガイド、採用費用は外国人採用のメリットと費用、介護分野は介護分野の外国人採用をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 雇用保険に加入する外国人でも、外国人雇用状況届出書(様式第3号)は必要ですか?
必要ありません。雇用保険の被保険者となる外国人は、雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)を提出することで、外国人雇用状況の届出を行ったことになります。期限は雇入れの翌月10日までです。様式第3号は、雇用保険の被保険者とならない外国人に使い、期限は雇入れ・離職とも翌月末日までです。
Q2. 外国人雇用状況の届出を忘れるとどうなりますか?
厚生労働省は、届出を怠ったり虚偽の届出を行ったりした場合は30万円以下の罰金の対象になると案内しています。雇入れと離職の両方で届出が必要です。
Q3. 外国人雇用状況の届出に、在留カードのコピーは添付しますか?
添付は不要です。厚生労働省は、届出の際に在留カードまたは旅券などの提示を求めて届け出る事項を確認するよう案内しており、写しの添付は不要としています。
Q4. 留学生をアルバイトで雇うときは、何を確認しますか?
資格外活動許可を受けているかを確認します。出入国在留管理庁の案内では、包括許可で働けるのは1週について28時間以内で、教育機関の長期休業期間は1日について8時間以内です。
Q5. 在留資格の申請は、会社の担当者が出せますか?
在留資格認定証明書交付申請は、外国人を受け入れようとする機関の職員も申請提出者になれます。在留資格変更許可申請は原則として本人が申請し、地方出入国在留管理局長の承認を受けた申請等取次者である雇用機関の職員や、届出をした弁護士・行政書士が本人の依頼を受けて提出することもできます。
Q6. 特定技能の届出は、登録支援機関に任せられますか?
随時届出は任せられません。出入国在留管理庁は、登録支援機関と支援の委託契約を結んでいても、随時届出は特定技能所属機関(受入れ企業)が行う必要があるとしています。期限は届出事由が生じた日から14日以内です。
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