結論|定期面談は「3か月に1回以上」が義務。参考様式第5-5号(本人用)・第5-6号(監督者用)は問う視点が違う

  • 定期面談は、特定技能基準省令第3条第1項第1号ヌに定める義務的支援10項目のうちの1つです。支援責任者または支援担当者が、1号特定技能外国人本人と、その監督をする立場にある者のそれぞれと、3か月に1回以上面談します。
  • 面談結果は本人・監督者それぞれについて記録する必要があり、その記録には参考様式第5-5号(1号特定技能外国人用)参考様式第5-6号(監督者用)が用意されています(同等の記載事項を満たす記録でも差し支えありません)。本記事は出入国在留管理庁が公表する両様式のPDFを実際に読み、記載項目と記入例を整理したものです。
  • 面談で労働関係法令違反等を把握した場合は、労働基準監督署等への通報義務があります。特異事案報告書(参考様式第4-3号)への接続まで、記録を残す側の目線で本記事内にまとめています。

根拠:出入国在留管理庁「参考様式第5-5号」「参考様式第5-6号」(定期面談報告書)/法務省「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版、31〜34ページ)/法務省「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(令和9年4月1日から施行)」

1号特定技能外国人支援には10項目の義務的支援があり、その最後の項目が「定期的な面談の実施、行政機関への通報」です。登録支援機関が支援業務を受託している場合は、支援責任者・支援担当者がこの面談を担います。10項目の全体像は「登録支援機関とは|登録要件・業務内容・費用相場」で解説しています。本記事は、参考様式第5-5号・第5-6号のPDFを実際に読み、記載項目・記入例・3か月ローテーション運用・オンライン面談の条件・法令違反把握時の対応をチェックする側・記録を残す側の目線で整理します。面談のオンライン化・記録自動化は「登録支援機関の経営戦略ガイド(DX項目)」も参照ください。なお自社で支援を行う場合も、定期面談の義務は変わりません。

定期面談の法的位置づけ|義務的支援10項目のうちの1つ

1号特定技能外国人支援計画には、特定技能基準省令第3条第1項第1号により10項目の支援内容を記載しなければなりません。定期面談はそのうち最後の項目(ヌ)です。

支援項目
イ〜ト事前ガイダンス・送迎・住居確保等の契約支援・生活オリエンテーション・公的手続同行・日本語学習機会・相談苦情対応 など
日本人との交流促進に係る支援
責めに帰すべき事由によらない契約解除時の転職支援
定期的な面談の実施、行政機関への通報

ヌの条文の要旨は、「支援責任者又は支援担当者が当該外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に違反していることその他の問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他の関係行政機関に通報すること」です。運用要領はこの「定期的な面談」を3か月に1回以上の頻度と定義しています。特定技能制度の中でも頻度が明記された数少ない項目です。

面談対象は2種類です。①1号特定技能外国人本人、②その監督をする立場にある者(直属の上司や雇用先の代表者等)。この2者にそれぞれ別に面談し、外国人が十分に理解できる言語で実施することが基準省令第4条第3号で求められています。実施者は支援責任者または支援担当者に限られ、支援計画の全部を登録支援機関に委託する場合を除き第三者への再委託はできません(専門家・通訳人の同席は可能)。

参考様式第5-5号・第5-6号の記載項目

定期面談の結果は、本人分を参考様式第5-5号(1号特定技能外国人用)、監督者分を参考様式第5-6号(監督者用)で記録するのが標準的です。参考様式であるため、同等の記載事項を満たす様式でも差し支えありません。両様式は出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」で公表されているPDF・Excelを実際に確認しました。記載項目は次のとおりです。

項目第5-5号(本人用)第5-6号(監督者用)
1 面談対象者①外国人の氏名 ②所属機関名 ③面談日①監督者の氏名・役職 ②所属部署 ③面談日
2 面談対応者①対応者の氏名 ②役職(支援責任者/支援担当者の別)
3 面談結果①業務内容(3項目)②待遇(5項目)③保護(5項目)④生活(2項目)⑤その他(2項目)を「問題の有無」「問題の内容」で記載
問いの視点「〜されていないこと」(本人が受ける扱い)「〜させていないこと」(監督者側の行為)
4 法令違反等への対応①発生年月日 ②内容 ③対応結果(外国人への対応/所属機関への通知・届出案内/関係行政機関への通報)
末尾作成年月日、面談実施者の氏名

第5-5号は「本人が異なる業務に従事していないか」など本人が受けている扱いを聞く構成、第5-6号は「異なる業務に従事させていないか」など監督者側の行為として同じ論点を聞く構成です。同じ出来事(例:居住費の変更)について両様式の記載を突き合わせ、食い違いがないか確認するのが実務上の要点です。

記入例|Aさんの本人面談とB社監督者の面談

出入国在留管理庁公表の記載例(架空の氏名・機関名)をもとに、記入のポイントを整理します。以下は「Aさん」(1号特定技能外国人)と、その所属先「B社」の監督者を例にした書き方です。

  • 1・2欄:Aさんの氏名、B社の名称、面談日を記入し、対応者欄で支援責任者・支援担当者の別と役職名を書きます。NG例:役職欄が空欄の状態。
  • 3欄(問題なし):各項目の「問題の有無」で「無」に丸をつけます。NG例:機械的に全項目「無」にし、記録が残らない書き方。
  • 3欄(問題あり):出入国在留管理庁の記載例では「居住費等が合意どおりであること」の項目で「有」に丸がつき、「問題の内容」欄に「合意なしに居住費が5,000円から18,000円に変更された」と数字入りで書かれています。NG例:「待遇に問題あり」のような抽象的な記載のみの状態です。
  • 4欄:法令違反事実の発生年月日・内容と、①Aさんへの対応、②B社への対応(通知日・相手方)、③関係行政機関への対応(通報日・通報先)を、日付・機関名まで具体的に記入します。NG例:「対応済み」とだけ書いて日付が抜けている状態です。
  • 第5-5号と第5-6号の整合:本人用と監督者用の両方で、同じ出来事が同じ内容・日付で記載されているかを突き合わせます。食い違う場合は聞き取り不足の可能性があるため追加確認を検討します。

3か月ローテーションの設計

定期面談は義務ですが、運用方法(誰をいつ面談するか)自体は法令に細かく定められていません。ここからは実務上の工夫として、支援対象者が複数いる場合のローテーション設計の一例を紹介します。

基本の考え方は、支援対象者を3つのグループに分け、毎月いずれか1グループの面談を実施する運用です。1人あたりでは3か月に1回のペースを保ちながら、担当者の作業は毎月一定量に平準化されます。入社月(特定技能雇用契約開始月)を3で割った余りで振り分ける方法が扱いやすい例です。

グループ入社月の例面談実施月の例
A群1月・4月・7月・10月入社1月・4月・7月・10月
B群2月・5月・8月・11月入社2月・5月・8月・11月
C群3月・6月・9月・12月入社3月・6月・9月・12月

新規入社者は該当グループに追加し、次の面談月から合流させます。管理簿にグループと直近面談日を一覧化しておくと、担当者が変わっても抜け漏れなく引き継げます。3か月に1回以上を下回らないよう、面談予定日は前倒し管理し月末ギリギリの実施は避けるのが工夫です。

定期面談のローテーションと期限管理を、記録と一緒に一元化しませんか

支援対象者ごとの入社月・直近面談日・次回予定日と面談記録をどう一元管理するかを、御機関の体制に当てはめてご相談いただけます。

オンライン面談の条件

面談対象者が同意している場合は、オンライン会議システムやテレビ電話を使った面談を実施できます。条件は次のとおりです。

  • 同意の確認:外国人本人の同意は、支援計画書(参考様式第1-17号)の「IV支援内容 9」欄の記載および署名欄で確認します。監督者側は任意の様式で確認可。
  • 同意がない・対面希望:同意がない場合、または対面を希望した場合は対面による面談が必要です。
  • 録画・保管:面談の様子を録画し、雇用契約の終了の日から1年以上保管します。地方出入国在留管理局から閲覧を求められた場合は応じます。
  • 対面への切替:業務内容・待遇・保護に関する事項で問題が疑われる場合や、第三者の介入が疑われる場合は改めて対面で面談します。
  • 望まれる対応(義務ではない):初回面談・担当者変更後初回面談は対面が望まれます。オンライン活用時も1年に1回以上は対面が望まれます。

実施中の定期面談をオンライン化する場合、支援計画変更の届出は不要ですが、同意を確認した書面は帳簿書類として保存が必要です。

法令違反を把握した場合の通報と特異事案報告書

定期面談は「聞き取って終わり」ではありません。基準省令ヌのとおり、問題を把握した場合の通報義務までがセットです。

  • 労働関係法令違反:労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法などの違反を知ったときは、労働基準監督署等に通報します。
  • 入管法違反・保護の問題:資格外活動等の入管法違反、旅券・在留カードの取上げなどを知ったときは、地方出入国在留管理局に通報します。
  • 関係書類への接続:問題が認められた場合、面談報告書は、実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)または特異事案報告書(参考様式第4-3号)の提出時に写しを添付します。

特異事案報告書は登録支援機関が、実施困難に係る届出書は特定技能所属機関(受入企業)が提出主体となる書類です(様式ごとの提出主体は運用要領で確認してください)。本記事はその位置づけと手順を解説するものです。なお、外国人本人の在留資格に関する申請書類(在留期間更新許可申請書等)を報酬を得て作成する業務には行政書士法上の制限があり(2026年1月施行の改正で名目を問わず違反が明確化)、個別案件は行政書士・弁護士等にご確認ください。

帳簿への綴じ方と保存期間

定期面談を実施した場合、本人・監督者それぞれの面談記録(第5-5号・第5-6号または同等の記録)を作成したうえで支援実施管理簿に綴じて保管します。この帳簿は10項目それぞれについて対象者・実施日時・実施内容・実施方法・実施担当者を記録し、確認書・相談記録書・定期面談報告書等の様式を保存する帳簿です。

  • 保存期間:当該外国人の特定技能雇用契約が終了した日から1年間です。
  • 保存方法:紙のほか、要件を満たせば電磁的記録での保存も可能です。具体的な要件は本記事の一次資料の範囲では未確認です(未確定)。
  • 他の帳簿:支援実施体制管理簿、委託契約管理簿、支援対象者管理簿があり、それぞれ作成・備置義務があります。

支援責任者1人あたりの面談件数の目安

2027年4月1日施行の改正では、支援責任者等(支援責任者・支援担当者)の要件が厳格化されます。常勤者からの選任、支援責任者等以外の従事禁止、養成講習の受講義務化に加え、次の人数上限が設けられます。

  • 委託を受けられる特定技能所属機関の数:支援責任者等1人当たり10機関未満(例:25機関の委託には3人必要)
  • 支援できる1号特定技能外国人の数:支援責任者等1人当たり50人未満(例:120人の支援には3人必要)

この「50人未満」は支援全体の人数枠であり、面談だけの上限ではありません。ただし逆算の一例(推定)として、1人が上限いっぱいの49人を担当し3か月に1回本人・監督者の両方と面談すると仮定すると、3か月で最大98件、月あたりおおよそ33件程度の面談報告書作成が発生する計算になります。断定的な基準ではなく、上限からの逆算値として捉えてください。

よくある質問

特定技能の定期面談はオンラインでも構いませんか?

面談対象者の同意があればオンライン面談が可能です。同意がない、または対面を希望した場合は対面が必要です。録画は雇用契約終了日から1年以上保管し、地方出入国在留管理局から求められれば応じます。初回面談・担当者変更後の初回面談、年1回以上の対面実施は「望まれる」対応であり義務ではありません。

参考様式第5-5号と第5-6号は両方作成が必要ですか?

定期面談は本人とその監督をする立場にある者のそれぞれに実施する義務があるため、面談記録も本人分・監督者分の両方が必要です。第5-5号(本人用)と第5-6号(監督者用)はそのための参考様式で、同等の記載事項を満たす記録でも差し支えありません。派遣形態では派遣先の監督的立場にある者との面談が必要です。

定期面談で法令違反を把握したら、どこに通報しますか?

労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法などの違反は労働基準監督署等に、資格外活動などの入管法違反や旅券・在留カードの取上げなどは地方出入国在留管理局に通報します。通報時は特異事案報告書(参考様式第4-3号)等に記載して提出し、定期面談報告書の写しを添付します。

支援責任者1人で何人の面談を担当できますか?

2027年4月1日施行の改正では、支援責任者等1人当たり支援できる1号特定技能外国人は50人未満、委託を受けられる特定技能所属機関は10機関未満とされています。支援全体の人数枠であり面談だけの上限ではありませんが、50人という上限から逆算すると面談件数の目安を試算できます。実際の負荷は対象者の分散状況や委託形態で変わるため断定はできません。

定期面談報告書は出入国在留管理庁に提出する書類ですか?

定期面談報告書自体は、通常は支援実施管理簿に綴じて保管する内部記録であり都度の提出は求められていません。ただし法令違反等を把握し、実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)や特異事案報告書(参考様式第4-3号)を提出する場合は、これらに写しを添付します。外国人本人の在留資格に関する申請書類を報酬を得て作成する業務には行政書士法上の制限があるため(2026年1月施行の改正で名目を問わず違反が明確化)、個別案件は行政書士・弁護士等にご確認ください。

公式出典と未確定事項

本記事は、2026年9月4日時点で確認できた以下の一次資料を基に整理しています。

未確定・個別確認が必要なもの

支援実施管理簿を電磁的記録で保存する際の具体的な要件、支援責任者等1人当たりの人数カウントの運用細目は、本記事が読んだ一次資料の範囲では確認できず未確定として扱っています。実際の運用は出入国在留管理庁の最新の運用要領でご確認ください。

この記事の確認情報

公開日:2026-09-04/最終事実確認日:2026-09-04/編集・事実確認:FRM Journal編集部

本記事は一般的な制度情報であり、個別案件の法律・行政手続に関する助言ではありません。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください

FRM
編集部
Author
FRM Journal 編集部
外国人材マネジメント専門メディア
監理団体・登録支援機関・受入企業の実務担当者に向けて、育成就労・特定技能・技能実習の制度解説と経営実務情報を発信しています。
個別相談

定期面談の運用体制について相談する

支援対象者数から見た面談ローテーションの組み方、オンライン面談の同意取得・録画保管の運用、支援実施管理簿への綴じ方を伺い、確認すべき論点と優先順位を整理します。その場で導入を決める必要はありません。

オンライン/無理な営業はしません/対応可否と次の選択肢を整理します