結論|「来日前にA1相当試験に合格した人だけ受け入れる」方針は、育成就労計画認定申請書の記載事項に沿った実務対応ですが、試験名の指定は分野別運用方針次第で、受験機会にも制約があります
- 「A1相当の日本語能力の試験」という水準の表現は運用要領・Q&Aで使われていますが、JLPTのN5がA1相当、N4がA2相当に一律に対応するという定めは確認できません。どの試験のどの級が該当するかは、育成就労産業分野ごとの分野別運用方針に委ねられています。
- 育成就労計画の認定申請時点でA1相当の試験に合格していることを証明できれば、入国後講習は原則220時間以上(未合格なら320時間以上)で済み、入国前過去6か月以内に110時間以上の入国前講習を受講していれば110時間以上まで短縮できます。
- ただし、合格の時点によって扱いが変わります。計画の認定後・入国までの間に合格した場合はA1相当講習(100時間)が不要になり、事由発生後1か月以内に育成就労計画軽微変更届出書(別記様式第7号。運用要領の本文では「省令様式第7号」とも表記されます)の提出が必要です。入国後講習の期間の途中で合格しても、時間数を220時間へ短縮することは認められません。
- 「来日前に合格した人のみ採用する」という方針は、JITCOの監理団体等向けアンケート(2025年12月公表、有効回答382件)で最も多い回答(36.1%)でしたが、同調査は既存の技能実習生についても「合格者がいない」団体が51.0%と半数を超えており、実務上は候補者の母数を大きく狭める可能性があります。
根拠:出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」、外国人育成就労機構 育成就労計画認定申請書(別記様式第1号)、独立行政法人国際交流基金「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」公式サイト、公益財団法人日本国際教育支援協会・国際交流基金「日本語能力試験(JLPT)」公式サイト、公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)「育成就労制度における日本語講習に関するアンケート調査結果」(2025年12月)(最終確認日:2026-09-08)
この記事の時点情報
JFT-Basicの最新実施報告:2026年6月5日〜7月18日実施の「2026年6-7月期」(2026-09-08時点で公式サイトに掲載されている最新の期。8-9月期は未公表)/JLPTの2026年度日程:第1回2026年7月5日実施(終了)、第2回2026年12月6日実施予定(申込受付は2026年9月3日付で終了)/本記事の最終事実確認:2026-09-08/次回確認予定:2026-10-01。
「来日前にA1相当の日本語能力の試験に合格した人だけを受け入れる」という方針は、候補者を絞り込み、入国後講習の負担を減らせる可能性がある一方、どの試験を使うか、いつ合格すれば何が変わるかを整理しないと講習計画が崩れます。本記事は監理団体(監理支援機関)の担当者を対象に、「A1相当の試験」の指定の仕組み、JFT-BasicとJLPTの現状、来日前の合格が入国後講習の時間数に与える影響、合格の時点による扱いの違いを一次資料に沿って整理します。特定の分野で指定される試験名や、個別の受入計画が要件を満たすかの判断は行いません。入国後講習の時間数の全体像は「入国前講習を入国後講習に算入する条件」、A1相当講習(100時間)そのものの要件は「育成就労 入国後A1相当講習100時間の要件」で解説していますので、あわせてご確認ください。
「A1相当の試験」とは何を指すか
運用要領は、入国後講習の時間数区分を説明する際、「一定の日本語能力」について次のように注記しています。
「『一定の日本語能力』とは、『本邦での生活に必要な日本語能力及び従事させる業務に必要な日本語能力』をいい、通常は日本語教育の参照枠A1相当が求められますが、特定の育成就労産業分野においては、より高い水準を要求している場合がありますので、必ず分野別運用方針を確認してください。」(運用要領4-40頁)
ここで使われているのは「A1相当」という、日本語教育の参照枠に基づく水準の言い方です。実務で「A1相当の試験といえばJLPTのN5、A2相当ならN4」という理解が広がっていますが、この一対一の対応関係を法令・運用要領本体が一律に定めている記載は確認できません。外国人育成就労機構のQ&Aも、この点について次のように案内しています。
「育成就労を終了するまでに要求される日本語能力の水準は、A2相当のみですか。」
「分野別運用方針において、A2相当を超える水準を定める育成就労産業分野もあります。詳細は、『運用要領別冊』(分野別の運用要領)をご確認ください。」(OTIT Q&A・育成就労計画関係)
つまり、具体的にどの試験のどの級が「A1相当」「A2相当」に該当するかは、育成就労産業分野ごとの分野別運用方針(運用要領別冊)で個別に定まる仕組みです。分野によっては、A2相当を超える水準を独自に求めている場合もあります。来日前合格の方針を検討する際は、まず自分の分野の分野別運用方針を確認し、指定されている試験名・級を特定することが最初の作業になります。本記事では、実務上よく使われるJFT-BasicとJLPTを例に、それぞれの実施状況を整理します。
実務で使われる2つの試験
分野別運用方針で指定される試験名は分野ごとに異なりますが、実務では国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)と日本語能力試験(JLPT)の2つが使われることが多いとされています。それぞれの実施状況を、本記事の一次資料で確認できた範囲で比較します。確認できていない項目は、断定を避けて「公表なし」としています。
| JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト) | JLPT(日本語能力試験) | |
|---|---|---|
| 実施方式 | コンピューター・ベースト・テスティング(CBT)方式。各国のテスト会場でコンピューターを使用して出題・解答(2026年6-7月期実施報告) | 公表なし(本記事で確認した一次資料の範囲では確認できず) |
| 実施頻度 | 公表なし(実施結果は期ごとに公表。直近は2026年6月5日〜7月18日の「2026年6-7月期」) | 年2回(2026年度:第1回2026年7月5日、第2回2026年12月6日) |
| 実施国・会場 | 海外13か国27都市+国内10都道府県(2026年6-7月期実績) | 公表なし(本記事で確認した一次資料の範囲では確認できず) |
| 判定の出方 | 2026年8月からA1・A2.1・A2.2の3水準の判定に対応(2026年7月まではA2.2のみを判定) | 公表なし(本記事で確認した一次資料の範囲では確認できず) |
| 結果が出るまでの期間 | 公表なし(実施結果の集計・公表時期は期によって異なる) | 2026年第2回(12月6日実施)は受験票を2026年11月20日までに発送予定。結果通知の時期は公表なし |
受験機会の面では、JFT-Basicは海外の会場でも受験できる一方、JLPTは後述のとおり国内の一部会場で申込みが早期に締め切られる状況が続いています。どちらを使うにせよ、分野別運用方針で指定された試験・級であることの確認が前提になります。
JFT-Basicの判定と直近の実施結果
JFT-Basicは、2026年7月までA2.2(A2)のみを測るテストとして実施されていましたが、公式サイトの原文では次のとおり案内されています。
「JFT-Basicは、2026年7月までA2.2(A2)のみを測るテストとして実施していましたが、2026年8月からA1、A2.1も測定できるようになりました。」(国際交流基金「JFT-Basicとは」5. 判定する日本語能力水準)
ただし、2026-09-08時点で公式サイトに公表されている最新の「テスト実施報告」は、この対応開始より前の2026年6月5日〜7月18日実施分(2026年6-7月期、A2.2判定)です。A1・A2.1に対応した2026年8-9月期以降の実施結果は、2026-09-08時点でまだ掲載されていません。したがって、以下の数値はA2.2判定時点のものとして読んでください。
| 国 | 受験者数 | 基準点到達率 |
|---|---|---|
| インドネシア | 15,341人 | 66.6% |
| ベトナム | 1,330人 | 57.5% |
| タイ | 280人 | 51.8% |
| ミャンマー | 2,444人 | 48.6% |
| フィリピン | 1,524人 | 46.7% |
| ネパール | 11,330人 | 33.5% |
| 合計 | 40,481人 | 51.3% |
申込者43,132人に対し受験者40,481人、基準点到達者20,776人で、全体の到達率は51.3%でした(実施期間2026年6月5日〜7月18日、海外13か国27都市+国内10都道府県で実施)。国別に見ると、インドネシアが66.6%と最も高く、受験者数も15,341人と最大です。一方、受験者数が11,330人と2番目に多いネパールは到達率33.5%にとどまっており、母数の大きい国の間でも到達率に差があります。ベトナムは受験者数1,330人・到達率57.5%で、インドネシア・ネパールに比べるとまだ母数が小さい水準です。
JLPTの実務上の制約
JLPTは2026年度、第1回は2026年7月5日に実施され、第2回は2026年12月6日に実施予定です。第2回の申込受付は2026年8月24日に開始し、当初の締切は2026年9月7日17時とされていましたが、N3は東京都・大阪府で複数回にわたり再募集と締切を繰り返した末、2026年9月3日付で第2回試験全体の申込受付が終了しました(会場不足のため)。受験票は2026年11月20日までに送付予定です。
この会場不足は一過性ではありません。新経済連盟が2026年4月7日、内閣府 規制改革推進会議のワーキンググループに提出した資料は、次のように指摘しています。
「本年3月17日から申込み受付が開始された2026年第1回JLPTでは、4月7日17時が期限とされたものの、3月27日9時の時点でN3の申込みを締め切っており、既に試験実施環境は限界に達している。」(新経済連盟提出資料、2026年4月7日、規制改革推進会議 人への投資ワーキング・グループ)
つまり、2026年第1回(7月試験)・第2回(12月試験)のいずれも、N3は申込期間中に定員に達して早期に締め切られています。新経済連盟は同じ資料で、「日本語教育の参照枠B1相当以上を測ることのできる試験の受験機会を増やすべき」とし、JFT-BasicのB1相当以上の試験の新設、またはJLPTのN3以上の実施回数の増加を政府に求めています。「席が取れないかもしれない」という見通しではなく、直近2回とも実際に定員超過で早期締切に至ったという実績として押さえておく必要があります。
来日前に合格していると何が変わるか
育成就労計画の認定申請時点で、育成就労外国人がA1相当の日本語能力の試験に合格していることを証明できるかどうかで、入国後講習の時間数区分が変わります(規則第13条第2項第7号ハ・ニ、運用要領4-40〜41頁)。
| 申請時点のA1合否 | 入国前6か月以内の入国前講習 | 入国後講習の時間数 |
|---|---|---|
| 未合格 | なし | 320時間以上 |
| 未合格 | 160時間以上受講 | 160時間以上 |
| 合格 | なし | 220時間以上 |
| 合格 | 110時間以上受講 | 110時間以上 |
時間数の区分がどう決まるかの詳細、入国前講習を算入する条件(本邦外・過去6か月以内・座学など)は「入国前講習を入国後講習に算入する条件」で解説していますので、本記事では「合格させる」側の論点に絞ります。合格が入国後講習の内容そのものに与える影響について、運用要領は次のように整理しています。
「①日本語 ・A1相当試験に合格していない場合(講習の総時間数が320時間以上となる場合):A1相当を目標とする認定日本語教育機関の『就労のための課程』による講習を100時間以上(必須) ・A1相当試験に合格している場合(講習の総時間数が220時間以上となる場合):個別に必要とする時間数(必ずしも認定日本語教育機関により行われる必要はない。)」(運用要領4-42頁)
つまり、来日前にA1相当の試験に合格していれば、入国後講習の日本語科目として義務づけられているA1相当講習100時間の受講が不要になり、代わりに個別に必要な時間数(認定日本語教育機関による実施が必須ではない)に置き換わります。これが、時間数区分の短縮(320時間→220時間)とあわせて、来日前合格を目指す実務上の主な理由です。
合格の時点による違い(重要)
ここが誤解しやすい点です。同じ「A1相当試験に合格」でも、いつ合格したかによって扱いが変わります。運用要領は、合格の時点を3つに分けて説明しています。
- 育成就労計画の認定申請時点:この時点で合格を証明できるかどうかが、入国後講習を220時間以上とするか320時間以上とするかを分けます。
- 計画の認定後・入国までの間:この間に合格した場合、入国後講習の日本語科目でA1相当講習(100時間)を受講する必要はなくなります。ただし、これにより講習時間等に変更が生じるため、事由発生後1か月以内に育成就労計画軽微変更届出書(別記様式第7号)を機構の地方事務所・支所へ提出する必要があります。
- 入国後講習の期間の途中:この間に合格しても、入国後講習の時間数を220時間へ短縮することは認められません。
運用要領の原文は次のとおりです。
「A1相当の日本語能力の試験の合格については、育成就労計画の認定申請時点においてその合否の確認をしますが、育成就労計画の認定後、入国までの間に外国人がA1相当の日本語能力の試験に合格した場合には、入国後講習の日本語科目においてA1相当を目標とする認定日本語教育機関の『就労のための課程』による講習(以下この節において『A1相当講習』という。)を受講する必要はありません。この場合は、講習時間等の変更が生じるため、軽微変更届出書を機構の地方事務所・支所へ提出してください。
ただし、入国後講習期間の途中でA1相当の日本語能力の試験に合格した場合は、入国後講習時間を220時間とすることは認められません。」(運用要領4-41〜42頁)
育成就労計画軽微変更届出書(別記様式第7号)は、原則として「変更事由発生後1か月以内」の提出が求められています(運用要領・様式一覧の届出期限一覧)。来日前に合格した場合の届出も、この一般ルールに沿うことになります。「来日前に合格させる」方針を取る場合、合格の連絡が計画認定後・入国前のどのタイミングで届くかによって、この届出を漏らさない実務フローをあらかじめ組んでおく必要があります。
「来日前合格者のみ」という方針の得失
「来日前にA1相当試験に合格させ、合格者しか採用しない」という方針は、実際にどの程度採用されているのでしょうか。JITCOが2025年11月17日から12月5日にかけて監理団体等を対象に実施したアンケート調査(有効回答382件、回答者の97.4%が監理団体)は、A1相当の日本語資格要件への対応策を尋ねており、次の結果が公表されています(2025年12月公表)。
「現時点で想定しているA1相当の日本語資格要件への対応策について聞いたところ、『検討中』が多いものの、『来日前にA1相当試験に合格させ、合格者しか採用しない』(36.1%)という回答が最も多くなりました。次いで、『入国前講習時(来日前)に現地でA1相当講習を受講させる』(16.0%)が多く、日本に入国する前に日本語資格要件をクリアしておきたいと考える監理団体が多いことを示しています。」(JITCO「育成就労制度における日本語講習に関するアンケート調査結果」2025年12月)
「検討中」との回答も多いとされていますが、具体的な割合は本記事で確認できた資料の範囲では確認できませんでした。一方、同じ調査は、既存の技能実習生についても質問しています。
「在籍中の技能実習生の中に入国前にA1相当以上の日本語能力試験(N5等)に合格していた技能実習生はいますか?という質問に対しては、『合格者がいない(51.0%)』が『合格者がいる(49.0%)』をわずかに上回りました。」(同調査)
「合格者がいる」とした団体でも、A1相当の合格者数は調査対象の技能実習生64,354人のうち7,555人(11.7%)にとどまっています。これは育成就労ではなく既存の技能実習生についての実績値であり、育成就労はまだ実績のない制度(2027年4月施行)ですが、来日前にA1相当の試験へ合格させることが実務上簡単ではない現状を示す参考値として読めます。以上を踏まえ、「来日前合格者のみ」という方針の得失を、断定せずに並べます。
- 得られる可能性があるもの:入国後講習のA1相当講習100時間が不要になり、講習実施者・会場の確保といった負担が減る。時間数区分が220時間(さらに入国前講習110時間以上で110時間)に収まり、就労開始までの期間を短縮できる可能性がある。
- 失う可能性があるもの:既存の技能実習生の実績(合格者がいない団体が過半数)を踏まえると、候補者の母数が大きく狭まる可能性がある。JLPTのN3のように受験機会自体に制約がある試験を指定された場合、受験機会の不足が入国時期の遅れにつながる可能性がある。送出し国側の教育体制(現地でのA1相当講習の提供状況)に方針の実現可能性が依存する。
どちらが正しいという結論は、本記事では示しません。分野別運用方針で指定される試験・級、送出し国側の教育体制、自団体が受け入れたい人数と時期のバランスを踏まえて、個別に判断する事項です。
申請書にどう書くか
A1相当の試験の合否は、育成就労計画認定申請書(別記様式第1号)第2面「5 育成就労の内容」の③A1相当の日本語能力の試験の合格・未合格の別で、「合格」または「未合格」のいずれかにチェックを付けて記載します。同じ第2面「6 育成就労の目標」には、日本語能力の試験について「試験名」「級」を記載する欄があります。
入国前講習・入国後講習の実施(予定)状況は、別欄の第3面「入国前・入国後講習実施(予定)表」に記載します。第2面の③④⑤欄、第3面との関係、記入時に迷いやすい点は「育成就労計画認定申請書の日本語教育欄の書き方」で詳しく解説していますので、実際に記入する際はあわせてご確認ください。
A1相当の試験の選び方、来日前合格の時点管理、軽微変更届出書のタイミングなど、日本語講習の計画づくりで論点になりやすい点を1冊にまとめた無料資料をご用意しています。30分で自団体の状況を整理したい方は、日本語講習の相談もご利用ください。
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よくある質問
「A1相当の試験」に合格すれば、必ずJLPTのN5合格とみなされますか。
いいえ。運用要領やQ&Aは「A1相当の日本語能力の試験」という日本語教育の参照枠の水準で規定しており、JLPTのN5がA1相当、N4がA2相当に一律に対応するという定めは確認できません。具体的にどの試験のどの級が「A1相当」に該当するかは、育成就労産業分野ごとの分野別運用方針で個別に定まります。自分の分野の分野別運用方針で試験名を確認してください。
JFT-BasicとJLPTのどちらを受けさせればよいですか。
一次資料の範囲では、どちらの試験を使うべきかは分野別運用方針が定めるため一律には答えられません。参考情報として、JFT-Basicは2026年8月からA1・A2.1の判定にも対応するようになり、コンピューターを使った試験(CBT方式)で海外の会場でも受験できます。JLPTは2026年度、7月(第1回)と12月(第2回)の年2回実施されていますが、N3は申込みが早期に締め切られる状況が続いています。分野別運用方針で指定された試験・級を確認したうえで、受験機会の見通しも踏まえて選ぶことになります。
来日前にA1相当の試験に合格していると、入国後講習は必ず短くなりますか。
育成就労計画の認定申請時点でA1相当の試験に合格していることを証明できる場合、入国後講習は原則220時間以上(未合格の場合は320時間以上)です。さらに、入国前過去6か月以内に110時間以上の入国前講習を受講していれば、入国後講習は110時間以上まで短縮されます。計画の認定後・入国までの間に合格した場合は、日本語科目(A1相当講習100時間)の受講が不要になりますが、時間数の区分自体は変わりません。入国後講習の期間の途中で合格した場合は、220時間への短縮は認められません。
育成就労計画の認定後、来日前にA1相当試験に合格した場合、何か届出が必要ですか。
必要です。育成就労計画の認定後、入国までの間に外国人がA1相当の日本語能力の試験に合格した場合、入国後講習の日本語科目でA1相当講習(100時間)を受講する必要はなくなります。これにより講習時間等に変更が生じるため、事由発生後1か月以内に育成就労計画軽微変更届出書(別記様式第7号)を機構の地方事務所・支所へ提出する必要があります。
入国後講習の期間の途中でA1相当試験に合格したら、320時間を220時間に短縮できますか。
できません。A1相当の日本語能力の試験の合否は、育成就労計画の認定申請時点で確認されるものです。入国後講習期間の途中で合格しても、入国後講習の時間数を220時間とすることは認められません。日本語科目(A1相当講習100時間)の受講が不要になるのは、計画の認定後・入国までの間に合格した場合に限られます。
公式出典と未確定事項
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(規則第13条第2項第7号、4-40〜42頁、OTIT Q&A・育成就労計画関係)
- 国際交流基金「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」公式サイト、テスト実施報告(2026年6-7月期)
- 公益財団法人日本国際教育支援協会・国際交流基金「日本語能力試験(JLPT)」公式サイト、日本国内受験用サイトのお知らせ
- 新経済連盟 内閣府 規制改革推進会議 人への投資ワーキング・グループ提出資料(2026年4月7日)
- 公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)「育成就労制度における日本語講習に関するアンケート調査結果」(2025年12月、有効回答382件)
未確定・個別確認が必要なもの
- 分野別運用方針で自団体の分野に指定される具体的な試験名・級は、本記事の一次資料の範囲では確認できていない(分野ごとの運用要領別冊を個別に確認する必要がある)
- JFT-Basicの実施頻度・実施方式(JLPT側)・JLPTの実施国、結果通知までの具体的な期間は、本記事で確認した一次資料の範囲では確認できていない
- JFT-Basicの2026年8-9月期(A1・A2.1判定を含む期)の実施結果は、2026-09-08時点で未公表
- JITCO調査における「検討中」の具体的な割合は、本記事で確認できた資料の範囲では確認できていない
この記事の確認情報
公開日:2026-09-08/最終事実確認日:2026-09-08/編集・事実確認:FRM Journal編集部
本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部(当社)は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断を行いません。個別案件については行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。
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