結論|育成就労計画は「外国人1人ごと」に作る認定制の計画。記載事項は法律で定める11項目、監理型は監理支援機関の作成指導者の指導に基づいて作る

  • 育成就労計画は、育成就労を行わせようとする個人または法人が、育成就労の対象となろうとする外国人ごとに作成し、認定を受ける計画です(育成就労法第8条第1項)。期間は原則3年(法定基準は「3年以内」ですが、3年を下回る計画は認定を受けられない可能性があります)で、技能実習のように第1号・第2号・第3号と段階ごとに計画を分ける仕組みではありません。
  • 記載事項は、法第8条第3項の11項目と、施行規則第7条の追加事項です。従事させる業務、必要な技能、日本語の能力などの目標と内容、開始日・終了日、責任者、待遇までを1つの計画に書きます。
  • 目標は、技能が「3級の技能検定または相当する育成就労評価試験への合格」、日本語が「生活と業務に必要な日本語能力を試験などで証明すること」(原則として日本語教育の参照枠A2相当)です(施行規則第13条第1項、運用要領)。
  • 監理型の計画は、監理支援機関の指導に基づいて作成します(法第8条第5項)。その指導を担う育成就労計画作成指導者は、監理支援機関の役職員で、取扱職種に5年以上の実務経験などが必要です。受入企業側の育成就労責任者・育成就労指導員とは別の役割です。

根拠:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(令和9年4月1日施行版)第8条・第9条・第12条/同法施行規則(令和7年法務省・厚生労働省令第4号)第7条・第13条〜第16条・第67条・第68条/出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第4章・第5章(令和8年8月5日更新版)/外国人技能実習機構「育成就労計画認定 施行日前申請のご案内」(令和8年9月8日更新)。最終確認:2026年10月16日

育成就労計画は、育成就労制度の手続の中心にある書類です。何を書くのか、誰が作るのか、どこまで監理支援機関が関与するのかは、制度の条文・省令・運用要領を順に読まないとつながりません。本記事は、その3つの原文を軸に、育成就労計画とは何か、記載事項、目標と内容の基準、作成指導者、作成の流れを整理した解説です。

申請の受付開始・提出方法・手数料の納め方は育成就労計画の認定申請(受付開始・様式・手数料)、申請書の日本語教育欄は日本語教育欄の書き方、申請時期と準備項目は施行日前申請の事前受付キットで扱っています。本記事ではそれらを繰り返さず、計画の中身と作り方に絞ります。なお、記入欄の説明は別記様式第1号(通常の新規申請用)を中心とします。過去に技能実習を行っていた外国人などは別の様式を使う場合があり、使い分けは作成の流れの最初の工程で確認します。

育成就労計画とは|制度上の位置づけ

育成就労計画とは、育成就労を行わせようとする本邦の個人または法人が、育成就労の対象となろうとする外国人ごとに作成し、出入国在留管理庁長官・厚生労働大臣(認定事務は外国人育成就労機構)に提出して、「その育成就労計画が適当である旨の認定」を受ける、育成就労の実施に関する計画です(育成就労法第8条第1項、第12条)。

認定を受けた計画は「認定育成就労計画」となり、育成就労実施者はこれに従って育成就労を行わせる責務を負います。計画に従っていない、出入国・労働関係法令に違反している、といった場合は、改善命令(法第15条)や認定の取消し(法第16条)の対象になります(運用要領第4章)。制度の施行は2027年4月1日で、施行日前の認定申請は2026年9月1日から受け付けられています(外国人技能実習機構の案内)。

技能実習計画との違い

育成就労計画は、技能実習計画の後継にあたりますが、条文の構造から違いが読み取れます。

比較項目技能実習計画(技能実習法第8条)育成就労計画(育成就労法第8条・第9条)
作成単位技能実習生ごと育成就労の対象となろうとする外国人ごと
区分第1号〜第3号と、企業単独型・団体監理型の組み合わせで区分し、区分ごとに計画を作成単独型育成就労・監理型育成就労の区分(法第8条第3項第5号)。号による段階分けはない
期間目標・内容とあわせて期間を記載原則3年。法定の基準は「3年以内」(法第9条第1項第3号)で、運用要領は、3年を下回る計画は認定を受けられない可能性があるとしています
目標条文上は、技能検定または技能実習評価試験への合格その他の目標従事させる業務、必要な技能、日本語の能力その他の目標(法第8条第3項第6号)。育成就労の終了までに技能検定または育成就労評価試験に合格することなどを含む
業務の範囲必須業務のほか、関連業務・周辺業務という区分があり、従事時間の上限がありました関連業務・周辺業務の概念はない。必須業務が業務時間の3分の1以上、安全衛生業務が10分の1以上であることが基準(運用要領)
監理側の関与監理団体の指導に基づいて作成(法第8条第4項)監理支援機関の指導に基づいて作成(法第8条第5項第1号)。指導の観点と実地確認が省令で定められている(規則第67条第9号)
認定する機関外国人技能実習機構外国人育成就労機構(法第12条)。施行日前申請は、現在は外国人技能実習機構の地方事務所・支所が受け付けています

出典:技能実習法(令和7年6月1日施行版)第8条、育成就労法第8条・第9条・第12条、運用要領第4章(業務の範囲は第2節第3、期間は第4)

複数の法人で行わせる場合・派遣形態の場合

親会社と子会社、同一の親会社をもつ複数の法人など、密接な関係を有する法人は、共同で育成就労を行わせることができます(法第8条第1項、規則第3条)。この場合、申請書第1面の申請者欄は連名で記載し、計画の申請者欄などは参考様式第1-34号の別紙を使います(運用要領第4章)。労働者派遣等の形態による監理型育成就労では、派遣元事業主等と派遣先が共同して、外国人ごとに計画を作成します(法第8条第2項)。

育成就労計画の記載事項|法第8条第3項の11項目と施行規則第7条

育成就労計画に記載しなければならない事項は、法第8条第3項に第1号から第11号まで定められ、第11号の「その他主務省令で定める事項」を施行規則第7条が具体化しています。技能実習計画の記載事項を類推して書かれた解説も見かけますが、育成就労計画は育成就労法の条文が正本です。

法第8条第3項記載する内容申請書(別記様式第1号)での主な位置
第1号申請者の氏名または名称・住所、法人は代表者の氏名第2面 1(申請者)
第2号法人の役員の氏名・住所第2面 1 ⑧
第3号育成就労を行わせる事業所の名称・所在地第2面 2(事業所)
第4号育成就労の対象となろうとする外国人の氏名・国籍第2面 3(育成就労外国人)
第5号育成就労の区分(単独型・監理型)第2面 4
第6号従事させる業務、必要な技能、日本語の能力その他の目標、内容、育成就労の開始日・終了日第2面 5・6・7、第3面(講習実施予定表)、第4面(育成就労実施計画)
第7号事業所ごとの育成就労の実施に関する責任者の氏名第2面 2 ③
第8号単独型の場合、育成就労の実施に関する監査を行う者の氏名第2面 1 ⑨(内部監査人)
第9号監理型の場合、監理支援機関の名称・住所・代表者の氏名第2面 9(監理支援機関)
第10号報酬、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、食費・居住費などの待遇第2面 10(雇用条件書等のとおり)
第11号その他主務省令で定める事項(施行規則第7条)第2面の各欄(下記)

出典:育成就労法第8条第3項、別記様式第1号(入管庁掲載のWord様式)。右列の位置は、編集部が様式の欄名と条文を突き合わせて整理したものです

施行規則第7条が追加する事項

施行規則第7条は、次の事項を計画の記載事項に加えています。

  • 育成就労実施者届出受理番号(届出をしたことがある場合)
  • 申請者の業種
  • 法人の場合、役員の役職名と法人番号
  • 加入している分野別協議会の名称(加入に代わる措置を講じている場合はその内容)
  • 育成就労責任者の役職名
  • 育成就労指導員と生活相談員の氏名・役職名
  • 育成就労の対象となろうとする外国人の生年月日・性別、報酬の月額
  • 監理型の場合、監理支援機関の許可番号、監理支援責任者の氏名と設置事業所、育成就労計画の作成に関する指導を担当する者の氏名、取次送出機関の名称
  • 分野別運用方針で育成就労実施者の変更を制限する期間が1年を超える場合に、それを1年と定めるときはその旨

この「指導を担当する者の氏名」が、後述する育成就労計画作成指導者です。申請書の第2面 9 ⑧「計画指導担当者の氏名」に対応します。

様式にはさらに実務上の欄があります

別記様式第1号には、条文の記載事項のほか、次のような欄があります。A1相当の日本語能力の試験の合格・未合格の別(第2面 5 ③)、過去の技能実習・特定技能の在留歴(5 ⑥)、育成就労実施者の変更を制限する期間(8)、送出機関に支払った費用(11)、待遇等の説明を実施した日(12)などです。第4面は育成就労実施計画で、1年目・2年目・3年目と年ごとに紙を分け、事業所、必須業務・安全衛生業務・その他の業務の別、指導員、月ごとの時間数、使用する素材・機械、指導体制を書きます。

変更を制限する期間(転籍制限期間)は、分野別運用方針で2年とされている分野でも、育成就労実施者の判断で外国人全員について1年と定めることができます。外国人ごとに異なる期間を定めることはできません(機構の記載例の注記)。転籍のルールは育成就労の転籍ルール完全ガイドで整理しています。

目標と内容の基準|認定の判断軸になる部分

計画の中でも、認定の可否を左右するのが「目標」と「内容」です。法第9条第1項第2号が、省令で定める基準に適合することを求めています。

目標|技能は3級相当、日本語は生活と業務に必要な水準

  • 技能の目標:修得させる技能に係る3級の技能検定、またはこれに相当する育成就労評価試験への合格(規則第13条第1項第1号)。運用要領は、分野・業務区分によっては特定技能1号評価試験も育成就労評価試験に該当し得るとしています。ただし、その試験が分野別運用方針の「育成就労を終了するまでに求められる水準」に記載されている場合に限ります。
  • 日本語の目標:本邦での生活に必要な日本語能力と、従事させる業務に必要な日本語能力を、試験その他の評価方法で証明すること(同項第2号)。運用要領は、原則として日本語教育の参照枠のA2相当水準とし、分野別運用方針でそれより高い水準が設定されている分野はその水準を満たす必要があるとしています。

目標とする試験は育成就労実施者が自由に選べず、分野別運用方針に定められた試験・水準から選びます。分野ごとの運用方針と運用要領の違いは育成就労 分野別運用要領とはで扱っています。

期間と評価の時期|1年目の試験と終了までの試験

育成就労の期間は3年以内です(法第9条第1項第3号)。期間中の評価は、施行規則第14条が時期を定めています。

  • 育成就労の対象期間の合計が1年に達するまで:技能は基礎級の技能検定または相当する育成就労評価試験、日本語は一定程度の能力を証明する試験などで評価します。
  • 育成就労の終了日まで:技能は3級の技能検定または相当する育成就労評価試験、日本語は必要な能力を証明する試験などで評価します。

運用要領は、育成就労実施者が、1年目試験と、育成就労の目標となる試験のいずれも受験させる義務があるとしています(すでに合格している場合を除く)。受験にかかる費用は育成就労実施者または監理支援機関が負担し、受験に要する時間は労働時間にあたります。受験日を欠勤扱いにしたり、有給休暇を取らせて受験させたりすることは認められません。

内容|計画に書く業務の基準(規則第13条第2項)

基準内容
技能の範囲分野別運用方針の業務区分に属する技能であること。同一の作業の反復のみで修得できるものではないこと
業務の適否業務の性質や就労環境に照らして、育成就労として行わせることが適当でないものではないこと
通常業務事業所で通常行われている業務で、事業所に備えられた素材・材料などを用いるものであること
必須業務必須業務に従事する時間が、業務時間全体の3分の1以上
安全衛生業務安全衛生に係る業務に従事する時間が、業務時間全体の10分の1以上
所定労働時間申請者に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
業務の構成育成就労の期間を通じた業務の構成が、目標に照らして適切であること

最後の「業務の構成」について、運用要領は、基準を満たさない例として、計画どおりに従事しても技能試験の合格レベルに届かない内容や、1年目に試験を受けるのに必須業務・安全衛生業務の基準時間の達成が1年目終了直前になるなど、月ごとの時間配分が特段の理由なく著しく不均衡な場合を挙げています。第4面の月別時間表は、形式を埋めるだけでなく、この観点で読み直す必要があります。

分野ごとの具体的な必須業務や安全衛生業務は、別紙の育成就労計画審査基準に書かれています。運用要領のページには、分野別運用要領とあわせて、分野ごとの審査基準が公表されています。たとえば公表されている審査基準では、技能の定義、必須業務(1年目と2年目・3年目に分けて)、安全衛生業務が一覧になっています。受け入れる分野の審査基準は、計画を書き始める前に確認します。

計画づくりの前に、申請準備の全体像を確認しませんか

施行日前申請の受付期間、申請時期の逆算、監理型の場合に先に確認する項目を、公表資料から整理した無料資料をご用意しています。計画の作成体制や進め方を自団体に当てはめて整理したい方は、個別相談もご利用いただけます。

誰が作るのか|育成就労責任者・指導員・生活相談員と、監理支援機関の作成指導者

育成就労計画を作成して申請するのは、育成就労を行わせようとする申請者(育成就労実施者となる者)です。ただし監理型の場合は、監理支援機関の指導に基づいて作成しなければならず(法第8条第5項第1号)、監理支援機関は、情報の提供、助言、指示その他の必要な指導を行わなければなりません(同項第2号)。計画の作成には、受入企業側と監理支援機関側の2つの体制が関わります。

受入企業側|育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員

計画には、事業所ごとの育成就労責任者の氏名のほか、育成就労指導員と生活相談員の氏名・役職名を記載します。それぞれに要件があります(規則第15条・第16条、運用要領第4章)。

役割主な役割主な要件
育成就労責任者指導員・生活相談員などを監督し、育成就労計画の作成、評価、届出・報告、帳簿書類の作成、受入れの準備、外国人の保護、労働条件・労働衛生などを統括管理する申請者本人またはその常勤の役員・職員。計画認定日前3年以内に責任者講習を修了し、認定後も3年以内の状態を維持する。指導員などを監督できる立場にあること。欠格事由に該当せず、未成年でない。事業所に所属する者である必要はない
育成就労指導員育成就労外国人を直接指導する申請者本人またはその常勤の役員・職員で、育成就労を行わせる事業所に所属する者。従事させる業務に要する技能について5年以上の経験(申請時点)。計画認定日前3年以内に指導員講習を修了し、認定後も3年以内の状態を維持する。欠格事由に該当せず、未成年でない。事業所ごとに1名以上
生活相談員外国人の生活の相談に応じ、助言する申請者本人またはその常勤の役員・職員で、育成就労を行わせる事業所に所属する者。計画認定日前3年以内に生活相談員講習を修了し、認定後も3年以内の状態を維持する。欠格事由に該当せず、未成年でない。事業所ごとに1名以上

3つの役割は、それぞれの要件を満たしていれば兼務できます。講習には経過措置があり、育成就労法の施行前に受講した技能実習制度の養成講習(技能実習責任者講習、技能実習指導員講習、生活指導員講習)も、一定の扱いが認められています(機構の記載例の注記)。「3年以内」の起算日は申請日ではなく計画認定日で、認定後も継続して満たす必要があります。認定直後に3年を過ぎる修了証明書は避け、余裕のある時期に受講したものを準備します(運用要領第4章)。施行日前申請の審査結果の通知は2027-04-01以降の順次送付とされているため、起算日もその時点で考えます(機構の案内)。申請には、3者の履歴書、就任承諾書、誓約書の写しなどを添付します(規則第8条第4号〜第6号、参考様式第1-11号)。

監理支援機関側|育成就労計画作成指導者

監理支援機関は、育成就労計画の作成を指導するにあたり、育成就労を行わせる事業所と外国人の宿泊施設を実地に確認したうえで、次の3つの観点から指導します(規則第67条第9号)。

  • 計画が、認定の基準および出入国・労働に関する法令に適合するものになるようにすること
  • 適切かつ効果的に技能を修得させることができるものになるようにすること
  • 育成就労を行わせる環境が適切に整備されることになること

このうち、技能を効果的に修得させる観点からの指導は、修得させようとする技能について一定の経験または知識を有する役職員が担当しなければなりません。これが育成就労計画作成指導者です。運用要領は、次のように整理しています。

論点運用要領の記載
誰がなれるか監理支援機関の役職員(常勤・非常勤は問わない)
経験の要件取扱職種(業務区分)について5年以上の実務経験を有する者、または、申請時から遡って直近3年以内に、技能実習制度で取扱職種に係る技能実習計画の作成指導経験を有する者。補助者として手伝った、助言したにとどまる場合は含まれない
経験の範囲5年以上の実務経験は、主たる技能まで一致する必要はなく、業務区分単位で一致していればよい
資格上記以外に、特段の資格などは求められない。ただし、分野ごとに特有の事情に鑑みた条件が設けられている場合がある
人数と配置許可申請書に記載するすべての取扱職種について作成指導者が確保されている必要がある。1人がすべてを担当する必要はなく、2人以上で職種ごとに分担してもよい。事業所ごとの専属である必要はない
自ら行う業務作成指導は監理支援機関が自ら行わなければならない。監理支援機関と雇用契約のない者に作成指導を行わせると規則第67条違反になる。外部専門家として計画案を検討して意見を述べるなど、補助者としての業務は委託できる
関与できない人監理支援を行う育成就労実施者の役職員、過去5年以内にそうであった者、その配偶者・2親等以内の親族、社会生活において密接な関係を有する者で監理支援の公正が害されるおそれがあるもの(規則第68条)。たとえば資本関係のある会社からの出向者などが該当し得る
書類許可申請の際は、育成就労計画作成指導者の履歴書(参考様式第2-6号)を提出する

出典:運用要領第5章(第16節 監理支援機関の業務の実施に関するもの(8)、第3 密接関係役職員の関与の制限)、施行規則第67条第9号・第68条、運用要領別紙2(監理支援機関許可申請提出書類一覧)

作成指導者は、育成就労実施者が従事させようとする業務が事業所で通常行われている内容であることを確認し、分野別運用方針や審査基準を丁寧に説明して、定められた業務が業務区分に属する技能を要する業務や、審査基準の必須業務として実施可能かを必ず確認しなければなりません(運用要領)。計画の申請書では、監理型の場合、監理支援機関が「申請に係る育成就労計画の作成につき、申請者を指導したことを証明します」という欄に記名します(規則第4条第2項、別記様式第1号第1面)。

施行日前申請では、機構のリーフレットが、作成指導者について「監理支援を行う法人の役職員から選任されている」「申請者と密接な関係を有する者以外から選任されている」「監理支援機関許可の施行日前申請で作成指導者として申請している」の3つを、申請書を作る前の確認項目に挙げています。詳しくは施行日前申請の事前受付キットで整理しています。

作成の流れ|8つのステップと認定後の管理

計画づくりは、書類を埋める前に、決めておくことが多い作業です。条文と運用要領から、実務で迷いにくい順に並べると次のようになります。

  1. 使用する様式を確認する。通常の新規申請は別記様式第1号です。技能実習を行っていた外国人は、運用要領上、出国後に申請する場合などに別記様式第3号(2)を使い、過去の技能実習の目標と同じ試験が育成就労の試験として指定されていない場合などは第1号を使います。過去の技能実習歴と目標とする試験を確認してから、様式を決めます(運用要領第4章)。
  2. 分野・業務区分・主たる技能を決める。分野別運用方針に定められた業務区分と主たる技能から選びます。監理型では、育成就労実施者が修得させようとする技能が、監理支援機関の取り扱える育成就労産業分野・業務区分の範囲内であることが前提です。
  3. 外国人の要件を確認する。18歳以上、健康状態が良好、素行が善良であることなどが基準です(規則第13条第2項第3号)。監理型では、国籍または住所のある国・地域の公的機関からの推薦などの要件もあります。推薦状が必要な国は二国間取決めで異なり、機構は、協議中の国のうち推薦状を発行することとしている国として、インドネシア、カンボジア、キルギス、ベトナム、ラオスの5か国を挙げています(2026年9月8日更新の案内)。
  4. 体制を整える。育成就労責任者・指導員・生活相談員を選任し、講習の修了を確認します。分野別協議会への加入(または加入に代わる措置)も必要です。
  5. 目標と内容を設計する。目標とする試験を分野別運用方針から選び、審査基準を見ながら、第4面の月別時間表を年ごとに作ります(記入の考え方は下の記入例を参照)。第三者が実施する訓練を受講させる場合は、1日でも計画に記載します。
  6. 監理支援機関の指導を受ける(監理型)。作成指導者が実地確認を行い、3つの観点から指導します。指導を受けたことを、申請書第1面で監理支援機関が証明します。
  7. 添付書類をそろえる。登記事項証明書、直近2事業年度の財務諸表、役員の住民票の写し、申請者の誓約書、外国人の旅券の写し、責任者・指導員・生活相談員の書類、雇用契約書・雇用条件書、報酬が日本人と同等以上であることを説明する書類、食費・居住費などの内訳、外国人の健康状態を証する書類、納税・社会保険料の納付状況を証する書類などです(規則第8条)。実際に必要な書類は、機構の提出書類一覧・確認表で確認します。
  8. 申請する。申請書は正本1通と副本1通で、添付書類は正本のみに付けます。提出先は申請者の住所地(法人は本店所在地)を担当する機構の地方事務所・支所です。施行日前申請では、審査に要する時間を考慮し、原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに申請します(運用要領)。外国語の資料には日本語の翻訳文を添付します(規則第94条第1項)。

受付の開始、郵送・来所の方法、手数料の納付は育成就労計画の認定申請、申請時期の早見表は施行日前申請はいつまで?を参照してください。

第4面の記入例|目標試験から月別時間まで(架空の例)

次の例は、考え方を示すための架空の例です。実在の分野・事業所のものではなく、この内容で認定されることを保証するものでもありません。実際の必須業務の範囲は、受け入れる分野の審査基準で確認してください。

  1. 目標試験を選ぶ。仮の分野Aの分野別運用方針から、3級相当の技能検定(または育成就労評価試験)を1つ選びます。
  2. 業務を振り分ける。審査基準の一覧に沿って、行わせる業務を「必須業務」「安全衛生業務」「その他の業務」に分けます。
  3. 月別の時間を置く。1年目の所定労働時間を月160時間(年1,920時間)と仮定します。
  4. 指導員を決める。各業務を指導する指導員を、事業所の指導員から割り当てて記載します。
業務の別月間(例)年間(例)全体に占める割合基準
必須業務55時間660時間約34.4%1/3以上(約33.3%)
安全衛生業務17時間204時間約10.6%1/10以上(10%)
その他の業務88時間1,056時間約55.0%業務区分内の業務
合計160時間1,920時間100%―

確認の仕方は2つです。まず、必須業務と安全衛生業務が年間の業務時間全体に対して基準以上であること(規則第13条第2項第2号ハ・ニ)。次に、月ごとの配分が著しく偏っていないことです。1年目に技能試験を受けるのに必須業務の基準時間に届くのが1年目の終了直前になる、といった配分は、基準を満たさない例として運用要領が挙げています。この例は毎月同じ時間数にしていますが、実際の計画では、試験の時期や繁閑に合わせて月ごとに変える場合も、同じ観点で見直します。

認定後の計画管理

場面必要な手続根拠
軽微な変更変更に係る事由が発生した日から1か月以内に、育成就労計画軽微変更届出書(省令様式第7号)を提出法第11条、規則第33条、運用要領
通常の変更事前に変更認定を受ける(省令様式第8号)。業務区分・産業分野の変更は認められない法第11条、規則第34条
目標の変更・期間の延長軽微変更に当たらず、変更認定が必要。延長は、目標を達成できない場合などに限られ、上限は4年以内法第11条第2項、規則第33条・第35条
初めて受け入れたとき遅滞なく実施の届出法第17条
毎年の報告育成就労事業年度(4月1日〜翌3月31日)の実施状況報告を、翌年度の5月31日までに提出法第21条、規則第40条
帳簿書類外国人の管理簿、計画の履行状況に係る管理簿、業務と指導の日誌などを事業所に備え、育成就労の終了日から1年間保存法第20条、規則第39条

つまずきやすい注意点

  • 目標の試験は分野別運用方針で確認する。特定技能1号評価試験は、分野別運用方針の「育成就労を終了するまでに求められる水準」に記載されている場合に限り、目標に設定できます。
  • 月ごとの時間配分。必須業務と安全衛生業務の合計時間が基準を満たしていても、月別の配分が特段の理由なく偏っていると、業務構成の基準を満たさないとされる場合があります。
  • 3年より短い計画。運用要領は、3年を下回る計画は適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性があるとしています。
  • 旅券の表記。外国人の氏名・国籍・生年月日は旅券の身分事項ページのとおりに記載します。異なる表記で認定を受けると、軽微変更届の対象になります(機構の記載例の注記)。
  • 計画と異なる取決めをしない。育成就労実施者や監理支援機関が、外国人との間で育成就労計画と反する内容の取決めをしていないことが、体制の基準に含まれます(規則第15条第1項第9号)。
  • 訓練の記載。OFF-JTとして一時的に他の場所で訓練に参加させることは差し支えありませんが、第三者が実施する訓練は、1日でも計画に記載が必要です。第三者の下で生産活動に従事する訓練は認められません。
  • 言語。日本語の書類に外国人の署名を求めるときは、外国人が十分に理解できる言語も併記します(規則第94条第2項)。
  • 監理型の施行日前申請。申請書を作る前に、監理支援を行う法人が有効な監理団体許可を受けていること、監理支援機関の許可の施行日前申請を行っていること、行わせる業務を取扱職種として申請していること、作成指導者を申請していることなどを確認します(機構のリーフレット)。申請には、監理支援機関許可申請の受理票の写しも添付します(機構の記載例の注記)。

よくある質問

どの様式を使えばよいですか。

通常の新規申請は別記様式第1号です。ただし、技能実習を行っていた外国人は、運用要領上、出国後に申請する場合などに別記様式第3号(2)を使います。過去の技能実習の目標と同じ試験が育成就労の試験として指定されていない場合などは、第1号を使います。過去の技能実習歴と目標とする試験を確認してから決めます。

第4面の月別時間は、何を基準に確認しますか。

必須業務が業務時間全体の1/3以上、安全衛生業務が1/10以上であることが基準です(規則第13条第2項第2号ハ・ニ)。あわせて、月ごとの時間配分が特段の理由なく著しく偏っていないかも見られます。本文の記入例は架空の例で、認定を保証するものではありません。

育成就労計画の「作成指導者」とは誰で、どんな要件が必要ですか。

監理型育成就労で、監理支援機関が育成就労実施者に計画の作成を指導する担当者です。監理支援機関の役職員(常勤・非常勤は問わない)で、取扱職種(業務区分)について5年以上の実務経験を有する者、または申請時から遡って直近3年以内に、技能実習制度で取扱職種に係る技能実習計画の作成指導経験を有する者である必要があります。補助者として手伝った、助言したにとどまる場合は含まれません。これ以外の資格は求められませんが、分野ごとに条件が設けられている場合があります。受入企業側の育成就労責任者・育成就労指導員とは別の役割です。

育成就労計画は誰が書きますか。監理支援機関に任せてよいですか。

作成の主体は申請者(育成就労実施者となる者)です。監理型では、監理支援機関の指導に基づいて作成します。監理支援機関は、情報の提供、助言、指示などの指導を行う立場で、その指導は監理支援機関の役職員が自ら行う必要があります。補助者としての業務(外部専門家として計画案を検討して意見を述べることなど)は委託できます。なお、申請書の作成を報酬を得て代行する業務には行政書士法上の制限があるため、個別案件は行政書士・弁護士等にご確認ください。

記載例はありますか。

2026年10月16日時点で、外国人技能実習機構の施行日前申請のページに、別記様式第1号の記載例(欄ごとの注意点つき)のほか、別記様式第3号(2)、参考様式第1-2号、参考様式第1-11号の記載例が掲載されています。ほかの様式については、同ページに「記載例は準備でき次第掲載します」と表示されています。様式や記載例は更新されるため、申請の際は機構のページの最新版を使います。

3年より短い計画でも認定されますか。

育成就労の期間は原則3年です。法第9条第1項第3号の基準は「3年以内」ですが、運用要領は、3年を下回る計画は適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性があるとしています。短い期間の計画を考える場合は、事前に機構の地方事務所・支所へご相談ください。

公式出典と未確定事項

本記事は、2026年10月16日に、次の原文を読んで整理しています。各表の「出典」欄の条文番号と合わせてご確認ください。

未確定・個別確認が必要なもの

分野ごとの目標とする試験、水準、主たる技能、必須業務・安全衛生業務の具体的な内容は、分野別運用方針・分野別運用要領・育成就労計画審査基準で決まります。本記事は分野に共通する部分を扱っており、各分野の中身は含みません。育成就労責任者・指導員・生活相談員の講習の内容は、告示と運用要領第8章(養成講習)で確認してください。また、様式、記載例、提出書類一覧は更新されることがあります。個別の申請の可否は、申請先の外国人技能実習機構(施行日前)または外国人育成就労機構が判断します。

この記事の確認情報

公開日:2026-10-16/最終事実確認日:2026-10-16/編集・事実確認:FRM Journal編集部

本記事は一般的な制度情報であり、個別案件の法律・行政手続に関する助言ではありません。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。

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