要点|相談記録書は「相談に対応したときに残す記録」です。公式のWord様式があります

  • 様式は参考様式第5-4号です。出入国在留管理庁が公表するWordはこちら(参考様式第5-4号 Word)、記載例と記載上の留意点はこちら(PDF)です。
  • 平時は帳簿として保存します。保存は特定技能雇用契約の終了の日から1年以上です。定期届出(年1回、第3-6号)の提出資料には含まれません。
  • 支援計画の実施困難に係る届出(第3-7号)や、登録支援機関の特異事案報告(第4-3号)が必要になったときは、相談記録書を添付します。届出の期限は、事由を認知した日から14日以内の提出です。14日は「判断の猶予」ではないため、該当するかどうかは速やかに確認します。

根拠:出入国在留管理庁「参考様式第5-4号」と記載例/特定技能基準省令(e-Gov法令)/「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月)/「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)/出入国在留管理庁の各提出資料一覧表

最短で書く|記載する5項目と短い完成例

公式のWordを開き、次の5項目を1件1行で埋めます。

  1. 相談受理日:相談・苦情の申出があった日(対応した日ではありません)
  2. 相談者:氏名、性別、国籍・地域、生年月日、在留カード番号
  3. 相談内容:何を相談されたかが分かる一文
  4. 対応結果:いつ、誰に、何をしたか。行政機関へ相談・通報した場合は日付と機関名も
  5. 対応者の氏名:対応した支援責任者・支援担当者

相談内容と対応結果の書き方の例です(架空の例で、実在の相談ではありません)。

欄完成例(日常生活の相談)
相談受理日〇年〇月〇日
相談内容寮のゴミの分別と出す曜日が分からないという相談があった。
対応結果〇月〇日、自治体の分別表を本人の理解できる言語で用意して渡し、寮の共用部で出し方を一緒に確認した。
対応者の氏名〇〇 〇〇

相談者の欄を含む全項目は次の「記載項目」で、職場の苦情と健康の相談の例は「記入例」で示します。義務的支援10項目の全体像は「登録支援機関とは|10の義務的支援と費用相場」、帳簿に綴る定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)は「特定技能 定期面談報告書の書き方」に分けています。

参考様式第5-4号の記載項目

公表されているWordのひな形を開いて確認した記載項目は次のとおりです。ひな形は1件1行で、1から9までの番号が付いた9行があり、「用紙が足りない場合は,適宜2枚目のシートを編集して作成すること」と注意書きがあります。

欄記載する内容記載上の留意点(入管庁)
表題の下期間(月日から月日まで)、機関の氏名又は名称記載例は「1月1日から3月31日まで」と機関名を記入
相談受理日相談・苦情の申出があった日★1:届出の対象期間中に、相談・苦情の申出があった日付を記載
相談者氏名、性別(男・女を選択)、国籍・地域、生年月日、在留カード番号-
相談内容どのような相談・苦情の申出があったか-
対応結果実際に行った対応と結果★2:相談内容により労働基準監督署への通報や公共職業安定所への相談等を行った場合は、日付と行政機関の名称も記載
対応者の氏名対応した支援責任者・支援担当者の氏名-

入管庁の記載例PDFは、エアコンの不調、住民票の取得、給与の振込先の変更といった身近な相談を、相談内容と対応結果を一文ずつで書いた例として示しています。長い経緯を書く様式ではなく、何を相談され、何をしたかが後から第三者に伝わる粒度で書く様式です。

記入例(架空)|職場の苦情と健康の相談

次の表は、記載項目の書き方を示すための架空の例です。人名・機関名・日付はすべて「〇〇」で置き換えており、実在の相談ではありません。生活の相談の例は冒頭に示しました。

欄例2 職場の苦情例3 健康
相談受理日〇年〇月〇日〇年〇月〇日
相談者〇〇 〇〇/性別:〇/国籍・地域:〇〇/生年月日:〇年〇月〇日/在留カード番号:(カードの番号)同左(別の人の例として〇〇 〇〇)
相談内容給与明細の残業時間が、自分のメモと合わないのではないかという苦情の申出があった。数日前から体調が悪く、病院で何と伝えればよいか分からないという相談があった。
対応結果〇月〇日、本人のメモと給与明細を預かり確認。〇月〇日、事業所の給与担当者に確認を依頼したが差異が解消しなかったため、〇月〇日、〇〇労働基準監督署に相談した。同日、本人の勤務の合間に医療機関へ同行し、受付と問診票の記入を補助した。
対応者の氏名〇〇 〇〇〇〇 〇〇

書き方のポイントは次の3つです。

  • 冒頭の例や例3のような生活の相談も、対応を行った場合は記録します。小さな相談にも見えますが、記録がなければ「相談に応じた」事実を後から示せません。
  • 例2のように行政機関へ相談した場合は、対応結果欄に日付と行政機関の名称を入れます(★2)。この例は、特定技能所属機関内で解決できず、他機関へ相談した場合にあたるため、実施困難に係る届出(第3-7号)、全部委託の場合は登録支援機関の特異事案報告(第4-3号)に該当するかを速やかに確認し、該当すれば認知の日から14日以内に提出します。差異が未払いだと確認された場合のように、受入企業の基準不適合を把握したときは、「届出が必要になる場面」の表のとおり第3-5号の届出も必要です。
  • 対応結果は「対応済み」だけで終えず、いつ、誰に、何をしたかを書きます。未解決でも提出期限は進むため、届出に添付する時点までの対応・現状・次の対応を日付つきで書き、解決を待って提出を遅らせません(書き足し方は実務上の工夫です)。

相談を受けてから記録するまでの流れ

運用要領と基準省令から、相談を受けたときの順序を整理します。

  1. 遅滞なく応じる:申出を受けたら、その日時を控えます(受理日は★1のとおり申出があった日付です)。
  2. 理解できる言語で聞く:込み入った相談は、通訳を確保したうえで詳細を聞き取ります。
  3. 助言・指導を行う:内容に応じて、地方出入国在留管理局や労働基準監督署など適切な機関を案内し、必要なら同行します。
  4. 相談記録書に記録する:受理日、相談者、相談内容、対応結果、対応者を記入します。行政機関へ相談・通報した場合は日付と機関名も入れます。
  5. 問題があれば届出に該当するかを速やかに確認する:特定技能所属機関内で解決できず、他機関への相談等を実施した場合は、認知の日から14日以内に実施困難に係る届出を提出します。住民票の取得など生活上必要な行政手続のための付き添いだけでは、他機関への相談等に含まれず、この届出事由にはなりません。労働関係法令違反を知ったときの通報は「定期面談報告書の記事(通報と特異事案報告書)」も確認してください。
  6. 管理簿に綴じる:帳簿として保存します(次々節)。

相談記録書とは|根拠と位置づけ

1号特定技能外国人支援計画には、特定技能基準省令第3条第1項第1号により、義務的支援10項目を記載しなければなりません。相談記録書は、そのうちトの項目に対応する記録です。

確認する点原文・要旨出典
支援の内容外国人から職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談又は苦情の申出を受けたときは、遅滞なく、相談又は苦情に適切に応じるとともに、当該外国人への助言、指導その他の必要な措置を講ずること特定技能基準省令 第3条第1項第1号ト
使う言語相談・苦情への対応は、外国人が十分に理解することができる言語で実施されること同省令 第4条第1項第3号
行政機関への案内必要に応じ、相談内容に対応する適切な機関(地方出入国在留管理局、労働基準監督署等)を案内し、外国人に同行して必要な手続の補助を行う1号特定技能外国人支援に関する運用要領(以下「支援の運用要領」)
記録相談及び苦情の対応を行った場合、相談記録書(参考様式第5-4号)に記録しておく。関係行政機関への相談又は通報を行ったものは、実施困難に係る届出書(第3-7号)または特異事案報告書(第4-3号)にも記載する支援の運用要領

運用要領は、このほか次の点を留意事項に挙げています。

  • 通訳:通訳の確保が困難な場合に、応急的に同僚の外国人就労者を通訳に充てる、または翻訳機や翻訳アプリを使うことは差し支えありませんが、プライバシー保護と正確性の観点から、詳細な聞き取りは通訳を確保したうえで行う必要があります。
  • 対応できる時間:相談・苦情の対応は、外国人の勤務形態に合わせて、1週間当たり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応し、夜間など相談しやすい時間帯にも対応できることが求められます。
  • 離職が決まった後:特定技能雇用契約がある間は、離職が決まった後も相談・苦情への対応が求められます。
  • 個人情報と不利益取扱い:個人情報の保護に努め、相談等の内容を理由に職場での待遇等で不当な取扱いがなされないようにします。
  • 同行の費用:通院や入院等の際の同行に必要な支援担当者の交通費や日当などは、特定技能所属機関等が負担します。

相談窓口の設置や、相談・苦情専用の電話番号・メールアドレスの設置は、運用要領では任意的支援(望まれる対応)と整理されています。

様式の位置づけ:第5-4号は「参考様式」です。出入国在留管理庁の届出手続のページも、参考様式は必ずしも使用しなければならないものではないが、届出内容の不備を防ぐため可能な限り使うよう案内しています。自機関の様式を使う場合も、次の記載項目を満たす形にしておきます。

相談記録書は「定期的に提出」するのか|届出が必要になる場面

現行の一次資料では定期的な提出は求められていません。相談記録書が出てくる場面は次のとおりです。

場面相談記録書の扱い出典
年1回の定期届出(受入れ・活動・支援実施状況に係る届出、参考様式第3-6号)。対象は毎年4月1日から翌年3月31日で、翌年4月1日から5月31日に提出提出資料一覧に含まれていない特定技能所属機関・定期届出 提出資料一覧/入管法施行規則第19条の18第3項/運用要領 第7章
支援計画の実施困難に係る届出(第3-7号)。特定技能所属機関が、事由を認知した日から14日以内に提出(解決を待たず、期限までに出す)「相談・苦情対応が発生した場合、当該書式に記載して提出」。全ての相談・苦情案件について「対応結果」欄まで記載されていることが必要随時届出 提出資料一覧/運用要領 第7章第6節
登録支援機関の特異事案報告(第4-3号)。支援の全部の委託を受けている場合に、発生から14日以内に報告(提出資料一覧の表記。第3-7号の「認知の日から」とは書きぶりが異なります)同様に、相談・苦情対応が発生した場合に提出。相談を端緒として報告する場合は第5-4号の写しを添付登録支援機関による届出 提出資料一覧/運用要領 第9章
支援を通じて受入企業の基準不適合(給与・手当を支払わない行為、労働関係法令違反など)を把握した場合相談を端緒とする場合は、第3-5号(基準不適合に係る届出)を受入企業が認知の日から14日以内に提出。全部委託では、登録支援機関が受入企業の責任者へ通知して第3-5号の届出を促し、第4-3号の報告には基準不適合等に係る説明書(第5-19号)を添付。実施困難の届出が不要になっても、この届出は不要になりません運用要領 第7章第5節・第7節、第9章
上記の届出・報告がない場合提出先の定めは確認できず、帳簿として保存する(出入国在留管理庁は2024年に、相談記録書を帳簿として保存することとしたと案内)出入国在留管理庁「定期面談報告書の添付が不要となる場合の取扱いについて」

実施困難に係る届出(第3-7号)は、特定技能所属機関が支援の全部を登録支援機関に委託している場合は不要で、代わりに登録支援機関から特異事案報告書(第4-3号)が提出される必要があります(運用要領 第7章第6節)。ただし上表のとおり、基準不適合に係る第3-5号の届出は別の届出で、全部委託でも受入企業側の届出がなくなるわけではありません。

提出先:第3-7号・第4-3号とも、対象の特定技能外国人が所属する特定技能所属機関(受入企業)の所在地を管轄する地方出入国在留管理局・支局です。法人は登記上の本店所在地で、支店や工場の所在地ではありません。第4-3号を登録支援機関の所在地の局へ出さないよう注意してください(提出資料一覧)。

2024年の帳簿保存の案内と、2025年の届出頻度の変更は別の話です

出入国在留管理庁は2024年(令和6年4月1日開始の取扱い)に、相談記録書と定期面談報告書を帳簿として保存することとしました。これとは別に、特定技能の定期届出は、2025年1月から3月を対象とする分を最後に四半期ごとの届出が終わり、年1回に変わりました(初回は2026年4月1日から5月31日の提出)。どちらの資料も、相談記録書が定期届出に含まれると読める記載はありません。現行の判断は、必ず上の表の提出資料一覧で確認してください。

提出資料一覧の書きぶり(相談・苦情対応が発生した場合に提出)と、運用要領の書きぶり(労働基準監督署への通報やハローワークへの相談を行った場合に写しを添付)には差があります。どの相談案件まで添付するか迷う場合は、受入企業(特定技能所属機関)の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に確認してください。一次資料の範囲では、添付する相談案件の範囲を一つに確定できませんでした。

保存期間と帳簿への綴じ方

立場保存の定め出典
特定技能所属機関1号特定技能外国人支援の状況に係る文書を作成し、支援を行う事業所に特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置く特定技能基準省令 第2条第2項第3号
登録支援機関支援業務の実施状況に係る文書を作成し、支援の対象である外国人が締結した特定技能雇用契約の終了の日から1年以上、支援業務を行う事務所に備えて置く入管法施行規則 第19条の21第5号

運用要領は、この文書(支援実施の管理簿)に最低限記載する事項として、「相談等に関する事項」を挙げています(特定技能所属機関向けの記載)。

  • 外国人の氏名、生年月日、国籍・地域、性別及び在留カード番号
  • 相談日時
  • 相談内容及び対応内容(面談記録、対応記録)
  • 関係行政機関への通報・相談日時及び通報・相談先の名称
  • 実施担当者(通訳人を含む)の氏名及び所属

このうち、運用要領は「相談記録書(参考様式第5-4号)を保存してください」と明記しています。第5-4号の記載項目は、管理簿の項目とほぼ重なりますが、通訳人の氏名・所属を書く欄はありません。通訳人を介した場合は、第5-4号の余白や管理簿側の記録で残すようにします(残し方は実務上の工夫です)。

電磁的記録での保存

運用要領は、書面に代えて電磁的記録で作成し、事業所に備えて置くことも認めています。その場合は次のいずれかの方法によります。

  • 作成した電磁的記録を、電子計算機に備えられたファイルまたは光ディスク等のファイルに保存する方法
  • 書面の記載事項をスキャナ等で読み取った電磁的記録を、電子計算機のファイルまたは光ディスク等のファイルに保存する方法

書面によらず電磁的記録で備える場合は、必要に応じて内容を出力し、直ちに整然とした形式及び明瞭な状態で表示し、書面を作成できるようにしておく必要があります。

また、運用要領は、隠蔽の目的で外国人の意思表示等を妨げる行為や、基準不適合に該当し得る内容等について相談記録書や定期面談報告書を作成しない場合などを、出入国又は労働関係法令に関する不正行為の例として挙げています(特定技能所属機関の欠格事由、登録支援機関の登録拒否事由)。相談の記録は、手続上の形式ではなく、適正な支援を示す記録として扱われます。

定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)との違い

項目相談記録書(第5-4号)定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)
支援の項目相談・苦情への対応(基準省令 第3条第1項第1号ト)定期的な面談の実施、行政機関への通報(同ヌ)
きっかけ外国人からの相談・苦情の申出3か月に1回以上、支援責任者または支援担当者が実施
相手相談した外国人外国人本人と、その監督をする立場にある者のそれぞれ
記録の単位対応した相談1件ごとに1行面談の都度、本人分(第5-5号)と監督者分(第5-6号)
随時届出での添付相談・苦情対応が発生した場合定期面談を端緒として特異事案が発生した場合。行方不明の発生や死亡を知った場合は、問題の有無にかかわらず直近の写し
平時の扱い帳簿として保存作成して保存。地方出入国在留管理局から求められたら提出できるようにしておく

定期面談の記載項目、オンライン面談の条件、3か月ローテーションの組み方は、「特定技能 定期面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)の書き方」にまとめています。定期面談を含む義務的支援10項目を、誰がいつ行うかの時間軸は「登録支援機関の業務フロー完全ガイド」で整理しています。

よくある記載ミスと防ぎ方

  • 対応結果欄が空欄、または「対応中」のまま:随時届出の提出資料一覧は、全ての相談・苦情案件について「対応結果」欄まで記載されていることを求めています。届出の提出期限は解決を待ちません。未解決の場合も、提出時点までの対応・現状・次の対応を記入します。
  • 受理日に、対応した日や記録した日を書く:★1は「相談・苦情の申出があった日付」です。対応した日は、対応結果欄に書きます。
  • 行政機関へ相談・通報した日付と機関名が抜ける:★2のとおり、労働基準監督署への通報や公共職業安定所への相談等を行った場合は、日付と行政機関の名称を対応結果欄に入れます。
  • 相談内容が「トラブル」「相談あり」だけ:何を求められ、何が起きたのかが分かる一文にします。届出(第3-7号)では事由の概要を書くため、元の記録が具体的であるほど写しやすくなります。
  • 相談者欄の項目が抜ける:氏名、性別、国籍・地域、生年月日、在留カード番号は、管理簿の記載事項にも入っています。
  • 通訳人が記録に残っていない:管理簿の記載事項には「実施担当者(通訳人を含む)の氏名及び所属」があります。第5-4号に通訳人の欄はないため、残す場所を決めておきます。
  • 小さな相談は書かない:運用要領は、対応を行った場合に記録しておく必要があるとしています。生活上の相談も記録の対象です。
  • 記録を現場の上司に広く共有してしまう:相談等の内容を理由に不当な取扱いを受けないようにする必要があります。閲覧者を絞り、共有する範囲は本人の意向を確認して決めます(実務上の工夫です)。
  • 表題の下の期間と機関名が空欄:記載例では期間と機関の名称が入っています。現行で期間欄をどう扱うかを個別に説明した公表資料は確認できなかったため、自機関で期間(例:年度ごと)を決めて、綴りを分けておくと整理しやすくなります(実務上の工夫です)。
相談の記録と、14日以内の届出の期限を、同じ画面で管理しませんか

相談の受理日、対応の進み具合、行政機関へ相談した日付、届出の期限を、支援対象者ごとにどう一元管理するかを、御機関の体制に当てはめてご相談いただけます。

よくある質問

相談記録書は定期的に提出する書類ですか?

現行の扱いでは、定期的に提出する書類ではありません。2025年4月1日施行の省令改正で定期届出は四半期ごとから年1回(参考様式第3-6号)になり、その提出資料一覧に相談記録書は含まれていません。相談記録書を提出するのは、相談・苦情への対応を端緒に、支援計画の実施困難に係る届出(参考様式第3-7号)または登録支援機関の特異事案報告書(参考様式第4-3号)を出すときの添付書類としてです。これらの届出は、事由を認知した日(第4-3号は発生)から14日以内に提出する必要があり、解決を待つ期間ではありません。届出を伴わない相談は、作成して帳簿として保存します。

相談を受けたあと、届出はいつまでに出せばよいですか?

届出に該当する場合は、事由を認知した日から14日以内に提出する必要があります(登録支援機関の特異事案報告書は、提出資料一覧で「発生から14日以内」)。14日は該当性を判断するための猶予ではなく提出期限なので、該当するかどうかは速やかに確認します。問題が未解決でも期限は進むため、提出時点までの対応・現状・次の対応を対応結果欄に記載して提出します。提出先は、受入企業(特定技能所属機関)の所在地を管轄する地方出入国在留管理局で、法人は登記上の本店所在地が基準です。受入企業の基準不適合(給与の未払いなど)を把握した場合は、実施困難の届出とは別に、基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号)が受入企業から必要です。住民票の取得など生活上必要な行政手続への付き添いだけでは、実施困難の届出事由にはなりません。

相談記録書は参考様式第5-4号を必ず使う必要がありますか?

出入国在留管理庁の届出手続のページは、届出様式は参考様式であり、必ずしも使用しなければならないものではないが、届出内容の不備を防ぐため可能な限り参考様式を使うよう案内しています。自機関で作る記録を使う場合も、相談受理日、相談者の情報、相談内容、対応結果、対応者を漏れなく残せる形にしておくと、届出時に参考様式へ写せます。

相談記録書の保存期間はどれくらいですか?

特定技能所属機関は、支援の状況に係る文書を作成し、支援を行う事業所に特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置く必要があります(特定技能基準省令第2条第2項第3号)。登録支援機関も、支援の対象である外国人が締結した特定技能雇用契約の終了の日から1年以上、支援業務を行う事務所に備えて置く必要があります(入管法施行規則第19条の21第5号)。運用要領は、相談記録書(参考様式第5-4号)を保存するよう求めています。1年は最低限の期間で、書面に代えて電磁的記録で備えることも認められています。

相談がなかった期間も、相談記録書を作成して出す必要がありますか?

一次資料では、相談・苦情への対応を行った場合に記録する書類とされており、相談がなかった期間に「該当なし」の書面を作成・提出する定めは確認できませんでした。随時届出の提出資料一覧も、相談・苦情対応が発生した場合に記載して提出するとしています。管理簿の運用として「該当なし」を残すかどうかは、自機関のルールで決めます。

定期面談の中で出た相談は、相談記録書と定期面談報告書のどちらに書きますか?

一次資料には、面談中に出た相談の書き分けを定めた記載は確認できませんでした。確実なのは、相談・苦情への対応を行った事実が相談記録書(第5-4号)に残り、定期面談の結果が第5-5号・第5-6号に残るようにしておくことです。届出の添付書類として、相談を端緒とする場合は第5-4号の写し、定期面談を端緒とする場合は第5-5号・第5-6号の写しが求められるため、どちらから辿っても内容が一致している状態にします。

相談の内容を理由に不利益な扱いを受けないよう、記録はどう扱えばよいですか?

運用要領別冊は、相談及び苦情の対応にあたって個人情報の保護に努め、外国人が相談等の内容を理由に職場での待遇等において不当な取扱いを受けないようにすることを求めています。記録は、閲覧できる人を支援責任者・支援担当者などに限り、受入企業の現場の上司へ共有する範囲は必要最小限にし、本人の意向を確認してから決めます(共有範囲の決め方は実務上の工夫です)。

公式出典と未確定事項

2026年10月16日に、次の一次資料を実際に開いて内容を確認しています。様式のPDF・Wordと提出資料一覧、運用要領はファイルを取得して本文を読みました。

未確定・個別確認が必要なもの

  • 現行の制度で、第5-4号の表題下の「期間」欄をどう記入するかを個別に説明した公表資料は確認できませんでした。記載例の期間(1月1日から3月31日)は、四半期ごとの届出が行われていた時期のものです。
  • 随時届出に添付する相談案件の範囲は、提出資料一覧(相談・苦情対応が発生した場合)と運用要領(労働基準監督署への通報やハローワークへの相談を行った場合)で書きぶりに差があります。受入企業(特定技能所属機関)の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に確認してください。
  • 相談がなかった期間の「該当なし」の記録、定期面談中に出た相談の書き分けは、一次資料に定めを確認できませんでした。自機関のルールで決めてください。
  • 外国人本人の在留資格に関する申請書類を報酬を得て作成する業務には行政書士法上の制限があるため、個別案件は行政書士・弁護士等にご確認ください。

この記事の確認情報

公開日:2026-10-16/最終事実確認日:2026-10-16/編集・事実確認:FRM Journal編集部

本記事は一般的な制度情報であり、個別案件の法律・行政手続に関する助言ではありません。記入例の人名・日付・機関名は架空です。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。

FRM
編集部
Author
FRM Journal 編集部
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相談の受付から相談記録書への記録、帳簿への綴じ方、届出が必要になる場面の見分け方を伺い、確認すべき論点と優先順位を整理します。その場で導入を決める必要はありません。

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