結論|育成就労の入国は2027年4月1日以降で、二国間取決めの作成日が確認できるのは4か国、認定リストは3か国です
- 育成就労外国人を受け入れることができるのは2027年4月1日からです(出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q7)。育成就労計画の施行日前認定申請は2026年9月1日から始まりますが(Q8)、審査結果である認定通知は施行日以降に順次発送される設計であり、4月1日に一斉に入国が始まる仕組みにはなっていません。
- 送出し国側の二国間取決め(MOC)は、2026年9月8日時点で作成日が確認できるのは4か国です。このうち送出機関リストが「認定リスト」(締結済み)に切り替わっているのはウズベキスタン・タイ・ラオスの3か国で、スリランカは作成日が入りながら「暫定リスト」のままです。ベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパールはいずれも作成日が未確認で「暫定リスト」(交渉中)にとどまり、Q&A(Q70)は原則として二国間取決めを作成した国からのみ受入れ可能としています。
- 技能実習計画の新規認定申請は2027年3月31日が最終受付です。施行日前に在留資格認定証明書の交付を受けた人は2027年6月30日までに入国する必要があり、2027年前半は技能実習の入国が続きます。
- 施行日前申請は、原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに行います(育成就労制度運用要領)。各段階の標準処理期間は公表されておらず、認定から入国までの所要期間を月数で断定することはできません。
根拠:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q7・Q8・Q70、外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」4-3頁(最終確認日:2026-09-08)
この記事の時点情報
二国間取決め(MOC)の締結状況:外国人技能実習機構 2026年9月8日時点/本記事の最終事実確認:2026年9月8日/次回確認予定:2026年10月1日。二国間取決めの状況は月単位で更新されるため、実際の申請にあたっては最新の一覧表をあわせてご確認ください。
本記事は制度の一般的な説明を目的としたものであり、個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断は行いません。育成就労の日本語講習の要件は「育成就労の日本語要件」で解説していますが、本記事ではその前提となる「そもそも入国はいつから可能なのか」を、二国間取決めの締結状況と、認定から入国までの流れという2つの側面から整理します。
制度上いつから受け入れられるか
育成就労外国人を受け入れることができるのは、2027年4月1日からです。出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」のQ7は、「育成就労外国人を受け入れることができるのはいつからですか」という質問に対し「令和9年4月1日からです」と明記しています。
一方、育成就労計画の認定申請そのものは、施行日を待たずに始まります。同Q&AのQ8は「育成就労計画の認定の施行日前認定申請は、いつからすることができますか」という質問に対し、「令和8年9月1日からです」と回答しています(施行日前申請)。
ここで注意が必要なのは、施行日前申請を出しても、審査結果である認定通知が施行日より早く届くわけではないという点です。育成就労制度運用要領は施行日前申請について、「育成就労法の施行後早期に育成就労を開始することを希望する実施者のために、施行日(令和9年4月1日)の前から育成就労計画の認定申請(以下「施行日前申請」という。)を受け付けます」としており、認定の結果自体は施行日以降に発送される設計です。つまり、2027年4月1日に一斉に入国が始まる仕組みにはなっていません。認定通知の発送から、在留資格認定証明書の交付申請、査証申請という手続きが順に続くため、実際の入国はこの手続きの分だけ後ろにずれます。
二国間取決めの締結状況
育成就労制度では、送出し国側にも条件があります。同Q&AのQ70は「育成就労制度では、悪質な送出機関の排除に向けた取組を強化するために、原則として、二国間取決め(協力覚書(MOC))を作成した国からのみ受入れることができます」としています。二国間取決めが未締結の国からは、原則として受け入れることができません。
外国人技能実習機構(OTIT)は「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」で、送出し国ごとのリストの種別(認定・暫定)と、二国間取決めの作成日を公表しています。2026年9月8日時点の内容は次の表のとおりです。
| 送出し国 | 送出機関リストの種別 | 二国間取決め作成日 | 一覧表の掲載更新日 |
|---|---|---|---|
| ウズベキスタン | 認定 | 2026-06-29 | 2026-08-18 |
| タイ | 認定 | 2026-06-02 | 2026-09-02 |
| ラオス | 認定 | 2026-08-31 | 2026-09-02 |
| スリランカ | 暫定 | 2026-07-23 | 2026-09-08 |
| ベトナム | 暫定 | 未確認 | 2026-08-06 |
| インドネシア | 暫定 | 未確認 | 2026-08-12 |
| フィリピン | 暫定 | 未確認 | 2026-07-13 |
| ネパール | 暫定 | 未確認 | 2026-06-05 |
送出機関リストの種別が「認定」(締結済み)になっているのは、2026年9月8日時点でウズベキスタン・タイ・ラオスの3か国だけです。技能実習で主要な送出し国であるベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパールは、いずれも「暫定リスト」(交渉中)にとどまっています。なお、この一覧表にミャンマーの記載はありません。技能実習の主要な送出し国であるミャンマーがなぜ育成就労の一覧に登場していないのかは、一覧表だけからは分かりません。
スリランカは少し特殊な状態です。2026年7月23日付で二国間取決めの「作成日」が一覧表に入りましたが、送出機関リストの種別は依然として「暫定」のままです。二国間取決め自体は作成されたものの、送出機関リストが正式な「認定」リストへ切り替わっていない、という中間の状態が生じています。
送出し国の中で技能実習生数がもっとも多いのはベトナムです。ベトナムの二国間取決めがいつ締結されるかが、育成就労全体の入国量の立ち上がりを左右する要因の一つになる、という見方があります。ただしこれはあくまで一つの見方であり、締結時期そのものは公表されていません。断定はできません。
認定から入国までの流れ
育成就労外国人が入国するまでには、次の段階を経る必要があります。
- 育成就労計画の認定(監理支援機関・育成就労実施者による申請)
- 在留資格認定証明書(COE)の交付申請・交付
- 査証(ビザ)の申請・発給
- 入国
それぞれの段階について、公表された標準処理期間はありません。したがって「認定から入国まで何か月かかる」という言い方で断定することはできません。本記事の最終事実確認時点で、出入国在留管理庁・外国人技能実習機構から標準処理期間の数値は公表されていません。確実に言えるのは、施行日(2027年4月1日)より前に認定通知が届くことはない、という点だけです。認定・COE交付・査証・入国という4段階を経る分だけ、実際の入国は施行日からさらに後ろにずれます。
技能実習との並走
育成就労が始まっても、技能実習の入国がすぐに終わるわけではありません。技能実習計画の新規認定申請は2027年3月31日が最後の受付です。さらに、施行日前に技能実習計画の認定と在留資格認定証明書の交付を受けた人は、2027年6月30日までに入国する必要がある、という経過措置が設けられています。
つまり2027年4月から6月にかけては、技能実習の駆け込み入国と、育成就労側の認定・COE手続きの開始が並走する期間になります。育成就労の入国がまだ本格化していない段階でも、技能実習の入国自体は続きます。この期間の講習需要を見るときは、どちらの制度による入国者かを区別して考える必要があります。
申請はいつ出すか
施行日前申請には、申請時期の目安があります。育成就労制度運用要領は、「施行日前申請においては、審査に要する時間等を考慮し、原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに申請を行ってください」としています。
この「開始予定日」から逆算すると、申請時期の目安は月単位でおおよそ次のようになります。
| 育成就労 開始予定月 | 施行日前申請の時期の目安(7か月前〜5か月前) |
|---|---|
| 2027年4月 | 2026年9月〜2026年11月 |
| 2027年5月 | 2026年10月〜2026年12月 |
| 2027年6月 | 2026年11月〜2027年1月 |
| 2027年7月 | 2026年12月〜2027年2月 |
| 2027年8月 | 2027年1月〜2027年3月 |
| 2027年9月 | 2027年2月〜2027年4月 |
| 2027年10月 | 2027年3月〜2027年5月 |
| 2027年12月 | 2027年5月〜2027年7月 |
この表はあくまで月単位の目安であり、日付単位の厳密な計算ではありません。実際の申請にあたっては、開始予定日そのものから7か月前・5か月前の日付を計算してください。開始予定日別のより詳しい早見表と、郵送先・手数料の納付手順は「育成就労の施行日前申請はいつまで?」で解説しています。
講習の開始月をどう置くか
入国後講習(A1相当講習)の開始日は、実際の入国日が決まらないと確定しません。育成就労開始予定日から逆算した申請時期の目安が立っても、入国後講習の開始月そのものは、二国間取決めの締結状況や個別の審査の進み方によって変動します。開始月を固定的な計画にしてしまうと、入国が後ろにずれた際に講習実施計画や講師の手配全体を組み直すことになります。
一方で、入国前講習を入国後講習の時間数に算入する設計にすれば、入国後に必要な講習期間そのものを短くすることができます。入国前講習を算入する条件は「育成就労 入国前講習を入国後講習に算入する条件」で解説しています。
受講予定者の母語や入国時期がそろわない場合、講習をどう組むかという論点も出てきます。複数の受講者を合同クラスにまとめる場合の企画立案・実施責任の考え方は「育成就労 3名・5名の入国でも日本語講習になるか」で解説しています。
数字の更新について
二国間取決めの状況は、月単位で変わっています。本記事で示したスリランカの「作成日は入ったが送出機関リストは暫定のまま」という状態も、直近までの社内リサーチには無かった動きです。本記事は毎月、外国人技能実習機構の一覧表と出入国在留管理庁のQ&Aを確認し、数字を更新します。更新の通知は、育成就労アップデート便でお届けします。
二国間取決めの締結状況、認定・審査の進み方に関する続報は、公表され次第すぐに反映されるとは限りません。育成就労アップデート便では、一次資料の日付付きで月1回の更新をお届けします。入国時期に合わせた講習計画の立て方について、公表資料に基づく個別相談も承っています。
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よくある質問
育成就労の入国はいつから始まりますか?
制度上、育成就労外国人を受け入れることができるのは2027年4月1日からです(出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q7)。施行日前認定申請は2026年9月1日から始まりますが(Q8)、認定通知は施行日以降に順次発送される設計であり、4月1日に一斉に入国が始まる仕組みにはなっていません。
二国間取決め(MOC)は、どの国と締結していますか?
2026年9月8日時点で、外国人技能実習機構の一覧表で二国間取決め(MOC)の作成日が確認できるのは4か国です。このうち送出機関リストが「認定」(締結済み)となっているのは、ウズベキスタン(締結2026年6月29日)・タイ(締結2026年6月2日)・ラオス(締結2026年8月31日)の3か国です。スリランカは2026年7月23日付でMOCの作成日が入りましたが、送出機関リストの種別は「暫定」のままです。ベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパールはいずれもMOCの作成日が未確認で、「暫定リスト」(交渉中)の扱いにとどまっています。
ベトナムとの二国間取決めはいつ締結されますか?
2026年9月8日時点で、ベトナムの二国間取決めは未締結で、「暫定リスト」の扱いにとどまっています。締結時期は公表されておらず、本記事の時点で確定した見通しをお伝えすることはできません。締結状況は毎月確認し、更新します。
育成就労計画の認定通知はいつ届きますか?
施行日前申請の審査結果である認定通知は、施行日である2027年4月1日以降に順次発送される設計です。2026年9月1日から施行日前申請の受付が始まりますが、申請してすぐに認定通知が届くわけではなく、通知そのものが施行日を待つ形になります。発送の順番や具体的な発送日は公表されていません。
送出し国が二国間取決めを締結していない場合、受入れはできませんか?
出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」のQ70は「原則として、二国間取決め(協力覚書(MOC))を作成した国からのみ受入れることができる」としています。2026年9月8日時点で、ベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパールなど複数の送出し国は「暫定リスト」(交渉中)の扱いで、二国間取決めは未締結です。最新の状況は外国人技能実習機構の一覧表で確認してください。
公式出典と未確定事項
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(Q7・Q8・Q70)
- 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」4-3頁(施行日前申請の時期)
未確定・個別確認が必要なもの
- 育成就労計画の認定、在留資格認定証明書の交付、査証の発給、それぞれの標準処理期間
- ベトナム・インドネシア・フィリピン・ネパールなど、主要な送出し国の二国間取決めの締結時期
- 施行日前申請に対する認定通知の具体的な発送順・発送日
この記事の確認情報
公開日:2026-09-08/最終事実確認日:2026-09-08/編集・事実確認:FRM Journal編集部
本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部(当社)は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断を行いません。個別案件については行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。
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