結論|項目Ⅰ(最大50点)は技能22点・日本語28点。合格率50%未満で減点、技能実習の実績は技能側だけ持ち越せます

  • 優良な育成就労実施者に認定されると、受入人数枠が基本枠の2倍に拡大します(規則第19条第2項第2号)。その判定材料の1つが、技能及び日本語能力の修得に係る実績を評価する項目Ⅰ(最大50点)です。内訳は技能22点(①②③⑧)・日本語28点(④⑤⑥⑦⑨)です(運用要領4-118〜4-121頁)。
  • 合格率が一定水準を下回ると減点になります。①基礎級程度技能試験は75%未満で-7点、③目標技能試験は50%未満で-10点、④A1相当日本語試験は50%未満で-7点、⑤A2相当日本語試験は50%未満で-10点です(同4-118〜4-121頁)。
  • 総得点は受入実績年数で56点(7割40点)・72点(同51点)・85点(同60点)・100点(同70点)と段階化し、法令違反を除く各項目でそれぞれ6割以上を獲得している必要があります(同4-117〜4-118頁)。
  • 技能実習生に係る技能検定等の実績は、技能側の①③に限り含めることができます(任意。①は技能検定基礎級又は技能実習評価試験(初級)の学科・実技、③は技能検定3級又は技能実習評価試験(専門級)の実技が対象)。日本語側の④⑤には同種の規定がありません(同4-118〜4-119頁・4-123〜4-124頁)。技能実習には日本語試験の合格率要件そのものが存在しないためです。

根拠:出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(4-116〜4-128頁「第12 優良な育成就労実施者に関するもの」)(最終確認日:2026-09-18)

「優良な育成就労実施者」に認定されると、受入人数枠が基本枠の2倍に拡大します(人数枠の全体像は育成就労の受入人数枠とはで解説)。優良の認定は複数項目の総合評価で決まりますが、そのうち最大50点を占めるのが「項目Ⅰ 技能及び日本語能力の修得に係る実績」です。育成就労制度運用要領(令和8年8月版)には、この項目Ⅰの配点表①〜⑨が具体的な点数・減点基準つきで記載されています。本記事では、この配点表の内容を原文に沿って整理し、監理団体・受入企業が「あと何人合格すれば6割ラインに届くか」を見込める形で示します。日本語要件全体の時系列は育成就労の日本語要件を、日本語試験を受けさせる実務は育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるかをあわせてご確認ください。

受入人数枠が2倍になる「優良な育成就労実施者」と項目Ⅰの位置

優良な育成就労実施者として認められるには、次のいずれかの分類に応じた点数を獲得する必要があります(運用要領4-117頁)。総得点は受入実績年数によって段階化されており、参照する評価項目の範囲も年数とともに広がります。

受入実績総得点(満点)合格ライン(7割)
受入れ実績がない、または初回受入れから1年未満56点40点以上
初回受入れから1年以上2年未満72点51点以上
初回受入れから2年以上3年未満85点60点以上
初回受入れから3年以上100点70点以上

加えて、総得点の7割以上に達していても、それだけでは優良と認められません。「Ⅳ(法令違反)」を除く各項目について、それぞれ6割以上を獲得していることが求められます(運用要領4-117〜4-118頁)。この6割の要件は、項目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲという大項目ごとに判定されるものであり、項目Ⅰの中の技能22点・日本語28点をそれぞれ別に6割判定するものではありません。項目Ⅰだけ高得点でも、項目Ⅱ・Ⅲのいずれかが6割未満なら適合しません。この総得点56〜100点は、項目Ⅰ(技能及び日本語能力の修得に係る実績)だけでなく、項目Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ(Ⅳは減点のみで6割要件の対象外)を合算したものです。項目Ⅰはこのうち最大50点を占める、配点上もっとも重い区分です。

日本語28点の内訳(④〜⑨)

項目Ⅰの日本語側は、次の5項目で構成され、合計28点です(運用要領4-118〜4-121頁)。

No.項目配点加点基準減点・0点
過去3育成就労事業年度のA1相当日本語試験(1年目試験)合格率7点75%以上=7点/60%以上75%未満=4点/50%以上60%未満=0点50%未満=-7点/受験実績なし=0点
過去3育成就労事業年度のA2相当日本語試験(目標)合格率10点80%以上=10点/70%以上80%未満=6点/60%以上70%未満=2点/50%以上60%未満=0点50%未満=-10点/受験実績なし=0点
過去3育成就労事業年度のB1相当日本語試験合格率5点50%以上=5点/30%以上50%未満=3点減点規定なし
2年目終了までにA2相当に合格している者の割合4点50%以上=4点/30%以上50%未満=2点減点規定なし
A1相当講習・A2目標講習以外の日本語学習支援(費用負担あり)2点有=2点

⑨は「有=2点」ですが、条件が限定されています。講師と育成就労外国人が同時に双方向に意思疎通できる形態であることが必要で、単に教材のみを提供し独習を支援する形態や、日本語学校を紹介するだけの対応は加点対象になりません(運用要領4-127頁)。費用が発生する場合は育成就労実施者が負担している必要があります。この要件はA2目標講習の義務と費用で扱うA2目標講習そのものとは別枠の取り組みである点に注意してください(A2目標講習の一環として行う支援は⑨の対象外です)。

技能22点の内訳(①③⑧・②再受験率)

項目Ⅰの技能側は、次の4項目で構成され、合計22点です(運用要領4-118〜4-121頁)。

No.項目配点加点基準減点・0点
過去3育成就労事業年度の基礎級程度技能試験(1年目試験)合格率7点95%以上=7点/80%以上95%未満=4点/75%以上80%未満=0点75%未満=-7点/受験実績なし=0点
①の再受験率(初回不合格者のうち再受験の機会を得た者の割合)3点100%または再受験の該当者がいない場合=3点減点規定なし
過去3育成就労事業年度の目標技能試験(専門級/3年目試験)合格率10点80%以上=10点/70%以上80%未満=6点/60%以上70%未満=2点/50%以上60%未満=0点50%未満=-10点/受験実績なし=0点
技能検定等の実施への協力(技能検定委員輩出、機材・設備の貸与等)2点有=2点

②は「合格率」ではなく「初回不合格者に再受験の機会を提供したかどうか」を測る項目です。育成就労は受験させる義務であって合格させる義務ではないため、①③そのものより「不合格の後どう対応したか」を別立てで加点する設計になっています。⑧は自団体・自社が試験実施側に協力しているかを問うもので、育成就労外国人本人にのみ機材等を貸与している場合は対象になりません(運用要領4-118頁)。

減点はどこで起きるか

項目Ⅰの中で明確な減点規定があるのは①③④⑤の4項目です。まとめると次のとおりです(運用要領4-118〜4-121頁)。

  • ①基礎級程度技能試験(1年目試験) 合格率75%未満で-7点
  • ③目標技能試験(3年目試験) 合格率50%未満で-10点
  • ④A1相当日本語試験(1年目試験) 合格率50%未満で-7点
  • ⑤A2相当日本語試験(目標) 合格率50%未満で-10点

①③④⑤はいずれも「受験実績がない場合は0点」とも定められています。受験実績がない場合の0点は、対象者がいない場合や既に合格して分母から除かれる場合も含みうるため、受験義務を果たしていないことと直ちに同義ではありません。一方、受験させて合格率が閾値を下回った場合は、加点機会を失うだけでなく、他の項目の得点を打ち消すマイナス点が計上されます。

合格率の計算でもう1点、実務上見落としやすいのが受験辞退の扱いです。①④の合格率は「分母:過去3育成就労事業年度における育成就労の期間が1年を経過した育成就労外国人数 − やむを得ない事由により受験できなかった者の数」で算出しますが、運用要領は次のように明記しています(4-122〜4-123頁)。

「『やむを得ない事由により受験できなかった』とは、本来なら受験の対象となるものの、受験申請を行ったにもかかわらず、育成就労実施者の責めによらない理由により受験できなかった場合などをいいます。育成就労外国人自身が受験を辞退した場合や、受験の申込みの時期を逸し、受験できなかった場合は含みません。」(育成就労制度運用要領4-122〜4-123頁)

つまり、本人が受験を辞退した場合や申込時期を逃した場合は分母から除外されず、不合格に近い扱いのまま合格率計算に残ります。「受けさせれば良い」ではなく「辞退させない・申込時期を逃させない」運用が、①④⑤(⑤も同様の計算方法)の実務上の核心になります。②の再受験率についても、同じ「やむを得ない事由」の定義が適用されます(同4-123〜4-124頁)。

受入年数で変わる満点と合格ライン

運用要領の配点表①〜⑨には、それぞれ★の数による注記が付いています(4-118〜4-121頁の原文表記)。①③⑧は★、④⑨は★★、②⑦は★★★、⑤⑥は★★★★です。総得点の説明(4-117頁)は「①の場合は★印の基準を参照」「②の場合は★〜★★印の基準を参照」というように、受入年数が進むほど参照する★の数が増える対応関係を示しています。

つまり、項目Ⅰだけで見ると、評価対象になる項目とその満点は受入年数によって次のように広がります(運用要領4-117〜4-119頁)。

受入実績年数区分評価対象になる項目(★の範囲)項目Ⅰの満点
実績なし〜1年未満★のみ:①③⑧19点(①7点+③10点+⑧2点)
1年以上2年未満★〜★★:①③⑧に④⑨を追加28点(19点+④7点+⑨2点)
2年以上3年未満★〜★★★:さらに②⑦を追加35点(28点+②3点+⑦4点)
3年以上★〜★★★★:さらに⑤⑥を追加し全項目50点(35点+⑤10点+⑥5点)

前節までに挙げた総得点56/72/85/100点(7割ライン40/51/60/70点)は、この項目Ⅰの満点(19/28/35/50点)だけでなく、項目Ⅱ・Ⅲ・Ⅳまでを合算した数字です。項目Ⅰ単体の満点と、項目Ⅰ〜Ⅳを合算した総得点の満点は別の数値であり、混同しないよう注意してください(運用要領4-117〜4-119頁)。

見込み点シミュレータ

ここまでの配点表に、対象者数(配点計算上の分母)・合格者数を当てはめて見込み点を試算できるツールです。入力内容はこの画面の中だけで計算され、どこにも送信されません。「あと何人合格すれば6割ラインに届くか」を確認する用途にお使いください。

無料ツール(登録不要)

優良要件 見込み点シミュレータ(項目Ⅰ)

対象者数・合格者数を入力すると、項目Ⅰ(日本語28点・技能22点)の見込み点をその場で試算できます。

計算だけでは何も送信されません。メール受取・早見シートのダウンロードを申し込む場合にかぎり、試算結果の要約とご入力いただいた連絡先を送信します。

本ツールは簡易試算です。申告用の計算(分母の除外・算入の詳細)は運用要領4-122〜4-124頁の計算方法に従ってください。出典: 育成就労制度運用要領(令和8年8月版)第12、4-117〜4-119頁。

受入実績年数区分によって、項目Ⅰの中でも評価対象になる項目が変わります(運用要領4-117〜4-119の★印)。評価対象外の項目は入力欄をグレー表示にし、小計・満点に含めません。

技能22点
①基礎級程度技能試験 合格率(★・7点)
対象者数は、育成就労の期間が1年を経過した人数から、やむを得ない事由で受験できなかった人と、開始前・転籍前に合格していた人を除いた数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
②再受験率(★★★・3点)
再受験率計算上の分母人数は、①で初回不合格だった方のうち、次を除いた人数です。
  • やむを得ない事由で再受験できなかった人
  • 開始前・転籍前にすでに合格していた人
  • 初回受験から6か月未満で、事業者の責めによらず再受験に至っていない人
評価対象は再受験の機会が得られたかどうかであり、再受験後に合格したかどうかは問いません。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
③目標技能試験 合格率(★・専門級相当・10点)
対象者数は、3年間の育成就労を終了した人数から、やむを得ない事由で受験できなかった人と、開始前・転籍前に合格していた人を除いた数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
日本語28点
④A1相当試験 合格率(★★・1年目試験・7点)
対象者数は、育成就労の期間が1年を経過した人数から、やむを得ない事由で受験できなかった人と、開始前・転籍前に合格していた人を除いた数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
⑤A2相当試験 合格率(★★★★・目標・10点)
対象者数は、3年間の育成就労を終了した人数から、やむを得ない事由で受験できなかった人と、開始前・転籍前に合格していた人を除いた数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
⑥B1相当試験 合格率(★★★★・5点)
対象者数は、3年間の育成就労を終了した人数から、やむを得ない事由で受験できなかった人と、開始前・転籍前に合格していた人を除いた数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。
⑦2年目終了までのA2合格者割合(★★★・4点)
対象者数は、過去3育成就労事業年度に受け入れた人数です。合格者数は期限までに合格した人数です(期限後の再受験合格は含めません)。詳しい計算方法は運用要領4-122〜4-124頁をご確認ください。

この操作に進むと、試算結果の要約と、次の画面でご入力いただく連絡先(メールアドレス・組織名など)を送信します。

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上のシミュレータと同じ配点で計算できるExcel早見シートと、3年分の受験計画欄をお送りします。結果を保存しておきたい場合は、上で計算した内容の要約もあわせてお送りできます。

送信すると、上で試算した結果の要約(点数・区分。受験者・合格者個人の氏名等は含みません)と、このフォームでご入力いただく連絡先(メールアドレス・組織名・組織の種別)をお送りします。

営業電話は一切いたしません。

受験・合格状況を早めに把握する仕組みについてご意見をお聞かせください

公表資料に基づく一般的な整理として、優良要件の配点への当てはめ方や記録の残し方を30分で確認できます。あわせて、受験・合格状況を早めに把握する仕組みについて、貴社・貴組合のご意見を伺う構想ヒアリングも受け付けています。個別案件への当てはめ、書類の作成・添削は行いません。

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落としやすい順に見る管理項目3つ

ここまでの配点構造を踏まえると、監理団体・受入企業が日常的に押さえておくべき管理項目は次の3つに整理できます。

  • ①受験の期限:1年目試験(基礎級相当・A1相当)、目標試験(3年目・専門級相当・A2相当)をいつ受けさせる必要があるか。詳しくは育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるかで解説しています。
  • ②到達の推移:JFT-Basic等のスコア帯が、合否だけでなく「あとどれだけで合格ラインか」を示す指標として使えるか。
  • ③再受験と学習継続:初回不合格者への再受験機会の提供(②の対象)と、A1相当講習・A2目標講習以外の学習支援(⑨の対象)が止まっていないか。

この3項目は、①③④⑤の合格率そのものよりも先行して動く指標です。合格率は3育成就労事業年度分の累積で確定するため、短期間では改善しにくく、早期の把握が重要です。受験期限・スコアの推移・学習継続の3つを日常的に見ておくことが、結果としての合格率と受入枠の維持につながります。3項目を個人ごとにどう管理するかは育成就労の技能試験・日本語試験 進捗管理で詳しく扱っています。

技能実習の優良な実習実施者との違い

技能実習(現行制度)にも「優良な実習実施者」の認定制度があり、こちらは6割以上の得点で優良と判断されます。技能実習制度運用要領(令和8年4月版)の「①技能等の修得等に係る実績」(最大70点)と、育成就労の項目Ⅰとを比較すると、次のような違いが見えます(技能実習制度運用要領・令和8年4月版116〜122頁)。

観点技能実習(現行・優良な実習実施者)育成就労(優良な育成就労実施者・項目Ⅰ)
技能側の最大点70点(基礎級程度20点+2・3級程度40点+学科合格実績5点+実施協力5点)22点(①基礎級程度7点+②再受験率3点+③目標技能10点+⑧実施協力2点)
日本語側の位置づけ配点項目として存在しない(合格率とは無関係)28点(④A1合格率7点+⑤A2合格率10点+⑥B1合格率5点+⑦2年目終了A2割合4点+⑨学習支援2点)
基礎級程度の減点ライン75%未満で-20点75%未満で-7点
目標技能試験の減点ライン50%未満で-40点(2・3級合算の加重計算)50%未満で-10点(③のみのシンプルな合格率)
技能実習の実績を算入できるか(現行制度のため該当なし)①③に限り算入可能(任意。①=基礎級又は初級の学科・実技、③=3級又は専門級の実技)。日本語④⑤は算入不可

技能実習の時代は「技能」だけで最大得点の半分弱を占め、日本語は配点にすら入っていませんでした。育成就労では技能の配点比重が下がり(22点)、代わりに日本語が新設されて技能を上回る比重(28点)になっています。この変化を踏まえると、育成就労実施者の実務は「技能はこれまでの延長で管理できるが、日本語は育成就労の実績からゼロで積み上げる管理が必要」という整理になります。技能実習生に係る技能検定等の実績は、育成就労の①③に限り持ち越せます(①は技能検定基礎級又は技能実習評価試験(初級)の学科・実技、③は技能検定3級又は技能実習評価試験(専門級)の実技が対象。運用要領4-118〜4-119頁・4-123〜4-124頁)が、日本語④⑤にはこの規定がなく、技能実習制度に日本語試験の合格率要件そのものが存在しないためです。技能実習(現行)の優良な実習実施者の認定基準は監理団体の優良認定で解説しています。

よくある質問

優良な育成就労実施者に認定されると何が変わりますか?

受入人数枠が基本枠の2倍に拡大します(規則第19条第2項第2号)。さらに実施者と監理支援機関の双方が優良で、実施者の住所が指定区域(地方)にある場合は3倍まで拡大します。人数枠の全体構造は「育成就労の受入人数枠とは」で解説しています。優良の認定基準は複数の項目の総合評価で、本記事はそのうち最大50点を占める項目Ⅰ(技能及び日本語能力の修得に係る実績)の配点を扱います。

項目Ⅰの配点はどのように決まりますか?

項目Ⅰ(技能及び日本語能力の修得に係る実績)は最大50点で、技能22点(①基礎級程度技能試験合格率7点+②再受験率3点+③目標技能試験合格率10点+⑧技能検定等実施協力2点)と、日本語28点(④A1相当試験合格率7点+⑤A2相当試験合格率10点+⑥B1相当試験合格率5点+⑦2年目終了までのA2合格者割合4点+⑨講習以外の日本語学習支援2点)で構成されます(運用要領4-118〜4-121頁)。かつ、法令違反の項目を除く各項目でそれぞれ6割以上を獲得している必要があります(同4-117〜4-118頁)。

試験の受験実績がない場合はどうなりますか?

①③④⑤はいずれも「受験実績がない場合は0点」と定められています(運用要領4-118〜4-121頁)。マイナスにはなりませんが、加点も得られません。ただし、受験実績がないことが直ちに受験義務違反を意味するわけではありません。対象者がいない場合や、既に合格していて分母から除かれる場合もあるため、義務違反の有無は対象者・既合格者等を含めて別途確認が必要です。

合格率が50%未満だとどうなりますか?

④A1相当試験は50%未満で-7点、⑤A2相当試験は50%未満で-10点の減点になります。技能側にも同様の減点があり、①基礎級程度技能試験は75%未満で-7点、③目標技能試験は50%未満で-10点です(運用要領4-118〜4-121頁)。減点は加点項目の獲得点を打ち消すため、他の項目で高得点でも総得点・項目別6割ラインの両方に響きます。

技能実習で積んだ実績は育成就労の優良要件に使えますか?

技能側の①③に限り、技能実習生に係る技能検定等の実績を含めることができます(任意)。対象となる試験は、①が技能検定基礎級又は技能実習評価試験(初級)の学科試験及び実技試験、③が技能検定3級又は技能実習評価試験(専門級)の実技試験です(運用要領4-118〜4-119頁・4-123〜4-124頁に計算式あり)。一方、日本語側の④A1・⑤A2にはこの注記が一切ありません。技能実習制度に日本語試験の合格率要件そのものが存在しないため、橋渡しという概念自体が成立しないためです。技能は実績を持ち越せますが、日本語は育成就労の実績からゼロで積み上げる必要があります。

見込み点シミュレータの計算結果は優良要件の認定を保証しますか?

保証しません。本記事のシミュレータは、公表されている運用要領の配点表に対象者数(配点計算上の分母)・合格者数を当てはめた見込みを示すものです。優良な育成就労実施者としての認定の判断は、外国人育成就労機構が行います。なお、項目Ⅰのうち実際に評価対象となる項目は受入年数区分によって広がり、実績なし〜1年未満は①③⑧(満点19点)、3年以上で①〜⑨のすべて(満点50点)になります(運用要領4-117〜4-119頁)。

公式出典と未確定事項

未確定・個別確認が必要なもの

  • 技能検定(基礎級・随時3級)の受検手数料の具体額は一次資料で確認できておらず未確定(記事中では扱っていません)
  • 技能実習生の技能検定合格率の統計数値は出典が相互に矛盾するため、本記事では使用していません
  • 優良要件適合申告書の参考様式は、令和8年4月版時点では「追ってお示しします」とされていましたが、8月版で配点表が公表されています。様式そのものの最新の公表状況は個別に確認してください

この記事の確認情報

公開日:2026-09-18/最終事実確認日:2026-09-18/編集・事実確認:FRM Journal編集部

本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部(当社)は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断、優良要件の認定可否の判断を行いません。優良な育成就労実施者としての認定の判断は外国人育成就労機構が行います。個別案件については行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください

FRM
編集部
Author
FRM Journal 編集部
外国人材マネジメント専門メディア
監理団体・登録支援機関・受入企業の実務担当者に向けて、育成就労・特定技能・技能実習の制度解説と経営実務情報を発信しています。
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