登録支援機関への支援委託費には、出入国在留管理庁が定める一律の公定価格はありません。同庁の過去の集計では月額平均28,386円でしたが、2022年時点の暫定値であり、現在の見積もりの適正価格を示すものではありません。月額だけを並べると、初期対応、通訳、交通、同行、緊急時対応などの範囲が異なり比較できません。本記事では、受入企業が同じ条件で見積もりを比較する方法を解説します。
登録支援機関の費用は「月額」だけで比較しない
出入国在留管理庁の2022年9月末時点の集計(暫定値)では、特定技能外国人1人当たりの支援委託料は月額平均28,386円で、月額30,000円以下が約9割でした。これは過去の実績であり、現在の公定価格・推奨料金・個別契約の見積基準ではありません。同庁は登録支援機関が対応分野や標準的な手数料を料金表等で周知することが望ましいとしています。見積もりの金額と支援範囲をセットで確認してください。
同条件で依頼する見積もり項目
| 区分 | 見積もりでそろえる条件 |
|---|---|
| 月額費用 | 対象人数、開始月、含まれる義務的支援、最低契約期間 |
| 初期対応 | 事前ガイダンス、送迎、住居・生活契約支援、生活オリエンテーションの担当と金額 |
| 個別・実費対応 | 通訳、交通、同行、時間外・緊急時、転居・離職時の条件と上限 |
| 紹介と支援の区分 | 人材紹介費用の有無、支援委託費との区分、職業紹介を行う主体 |
| 終了時 | 解約予告、違約金、支援記録・次回予定の返却と引継ぎの費用 |
少なくとも複数候補に、人数・国籍や本人が理解できる言語・勤務地・入社予定日・自社で実施する支援を同じ書式で伝え、初年度総額と次年度以降の年間総額を比較します。比較軸と契約前の質問は登録支援機関の選び方・比較7項目もご覧ください。
費用を本人に負担させない
支援に要する費用を特定技能外国人本人に直接または間接に負担させることはできません。見積もりや契約書では、受入企業・登録支援機関・本人のどの負担になるかを明確にし、給与控除や別名目の徴収にならないよう確認してください。
費用に含まれるサービスの内訳
義務的支援10項目のカバー範囲
出入国在留管理庁が定める義務的支援の10項目は、すべての登録支援機関が提供しなければならない「必須サービス」です。支援委託費には、これら10項目の提供コストが含まれている必要があります。
義務的支援10項目で確認すること
| 支援項目 | 頻度 | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 1. 事前ガイダンス | 入国前1回 | 実施方法・言語・費用に含まれる範囲 |
| 2. 出入国時の送迎 | 入出国時 | 送迎区間・到着時刻・交通費の扱い |
| 3. 住居確保支援 | 入国時 | 住居探し・契約同行・保証会社等の費用区分 |
| 4. 生活ガイダンス | 入国時1回 | 実施言語・時間・オンライン対応の可否 |
| 5. 日本語学習支援 | 継続的 | 紹介・受講費・継続支援の範囲 |
| 6. 相談対応 | 随時 | 相談窓口・対応言語・時間外対応の条件 |
| 7. 日本人との交流促進 | 定期的 | 実施内容・費用に含む回数 |
| 8. 行政手続き補助 | 随時 | 同行の範囲・交通費・予約支援の扱い |
| 9. 定期面談 | 3か月に1回 | 実施頻度・面談場所・通訳・記録共有の方法 |
| 10. 非自発的離職時の支援 | 離職時 | 支援開始条件・費用・関係機関との連携範囲 |
各項目の実施方法や移動距離、対象人数によって必要な工数は変わります。金額の高低だけで判断せず、上表の対応範囲を見積書・契約書に明記してもらいましょう。
任意的支援のオプション料金
義務的支援10項目以外に、任意的支援をオプションとして提供する機関が増えています。
| 任意的支援の種類 | 見積もりで確認すること |
|---|---|
| 日本語教育(週1回のオンライン授業) | 実施頻度、講師・教材、受講費の負担者 |
| キャリアパス相談(特定技能2号への支援) | 対象者、実施内容、月額か個別料金か |
| 多言語チャットボット利用 | 利用範囲、対応言語、初期費用・月額の区分 |
| 月次レポート作成(受入企業向け) | 報告頻度、作成範囲、閲覧方法 |
任意的支援はオプション化することで、基本料金を抑えながら付加価値を提供できます。また、受入企業のニーズに合わせた柔軟なプランニングが可能になります。
「含まれていない」ことが多いサービス
受入企業とのトラブルを避けるために、以下のサービスが「含まれていない」ことを契約時に明示する必要があります。
- 在留資格申請書類の有償作成(行政書士法等の規制を確認。承認を受けた職員による申請等取次とは区別)
- 緊急時の24時間対応(別途追加料金または外付けサービス)
- 通訳・翻訳(常駐または随時対応)
- 医療機関への同行支援
- 帰国時の手続き支援
料金表・見積もりを確認する際は、出入国在留管理庁の1号特定技能外国人支援・登録支援機関についてと、特定技能外国人受入れに関する運用要領(2026年8月版)も参照してください。
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