結論|見るべきは「合格したか」ではなく「スコアが動いているか」です
- JFT-Basicは2026年8月から、10〜250点のスコアをA1相当(145〜174点)・A2.1相当(175〜199点)・A2.2相当(旧A2、200〜250点)の3段階で判定するようになりました。145点未満は判定なしです。出題形式・難易度そのものは変わっていません(国際交流基金公式お知らせ)。
- JFT-Basicはコンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式で、プロメトリック社が随時・予約制で実施します。結果は受験終了時に画面表示され、受験後5営業日以内に正式な判定結果通知書が発行されます。
- 判定の帯(A1・A2.1・A2.2)が変わらなくても、スコアの数字は毎回出ます。同じ人のスコアを並べて、上がっているか・足踏みしているかを見ることが、受入企業にとっての実務的な使い方です。
- 受験料・国内会場数は、本記事の確認範囲では特定できませんでした。最新の料金・会場は公式予約サイトでご確認ください。
根拠:国際交流基金「JFT-Basic お知らせ」「JFT-Basicとは」、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(4-55〜4-56頁)、法務省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」(-11-頁)(最終確認日:2026-09-18)
育成就労外国人には、日本語能力の試験を1年以内(A1相当)・3年以内(A2相当・目標)に受験させる義務があります。この試験としてよく使われるのがJFT-Basic(国際交流基金 日本語基礎テスト)です。2026年8月の改定で、同じスコアの見方が3段階(A1・A2.1・A2.2)に細分化されました。本記事は受入企業向けに、この判定の仕組みと、日々の運用でどう使うかを整理します。「いつ・何回受けさせる義務があるか」という制度そのものの説明は「育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるか」で扱っており、本記事では重複を避けます。
2026年8月からの3段階判定と「判定なし」
JFT-Basicは10〜250点のスコアで結果が出る試験です。2026年8月から、このスコアの見方が次の3段階に整理されました(国際交流基金公式お知らせ)。
| 判定 | スコア帯 | 備考 |
|---|---|---|
| A1相当 | 145〜174点 | 育成就労の1年目試験で使われる水準 |
| A2.1相当 | 175〜199点 | 2026年8月改定で新設された区分 |
| A2.2相当(旧A2) | 200〜250点 | 育成就労の目標(3年目)で使われる水準 |
| 判定なし | 145点未満 | 結果通知書には「*」等で表示 |
ここで重要なのは、出題形式・難易度そのものは変更されていないという点です。試験の中身が変わったのではなく、同じスコアをより細かい帯で読み取れるようになった、という改定です。そのため、改定前後のスコアを単純に比較しても、判定基準のずれによる混乱は生じません。
CBT随時受験・当日画面表示・5営業日で通知書
JFT-Basicは、コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式です。プロメトリック社が予約制で実施しており、決まった年2回といった実施日ではなく、随時受験できる仕組みになっています。結果は受験終了時にその場で画面に表示され、正式な判定結果通知書は受験後5営業日以内に発行されます(国際交流基金公式ページ)。
この「随時・当日結果・数日で正式通知」という特性は、年2回しか実施されず結果発表までに一定の期間を要する試験(例:JLPTは2026年の場合、7月試験の結果は9月上旬、12月試験の結果は2月上旬に送付予定、出願は試験の3〜4か月前に締め切られます)と比べると、企業側が受験のタイミングを設計しやすいという違いがあります。「随時」という制度上の建付けを、実務でどう活かすかが次の節のテーマです。
スコアを進捗指標にする|合否でなく点の推移で停滞を見る
JFT-Basicの判定は3段階に分かれましたが、実務上とくに有用なのは判定の帯そのものより、スコアの推移です。出題の難易度が変わっていないため、同じ人が複数回受験したスコアを並べれば、力が伸びているか、足踏みしているかを一定の目安として確認できます。
- 判定が変わらなくても、スコアが上がっていれば、学習は進んでいると見立てられます。
- 複数回の受験でスコアがほぼ同じ水準にとどまっている場合は、学習方法や学習時間の確保に課題がある可能性を疑う材料になります。
- 「判定なし」(145点未満)であっても、スコアの数字自体は通知書に記載されるため、次の受験までにどの程度伸びたかを追うことができます。
ここで述べているのは、あくまでスコアの推移を管理指標として使うという一般的な考え方であり、個別の学習方法の効果や、特定のスコアに到達する見込みを保証するものではありません。育成就労の優良要件(合格率による加点・減点)との関係は、「A2目標講習の後に合格率を上げる継続学習」で扱っています。
随時受験の組み方|基本頻度に合わせる
JFT-BasicはCBTで随時実施されるため、いつ受けさせるかを企業側の運用で組み立てる必要があります。育成就労の日本語試験の実施回数は、「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」で、次のように「基本」の頻度が定められています(同方針-11-頁)。
| 時期 | 実施回数の基本 |
|---|---|
| 就労開始前までに受験させる試験 | 事業年度ごとに2回以上実施することが望ましい |
| 1年経過時までに受験させる試験 | 2か月に1回以上実施することを基本とする |
| 3年経過時までに受験させる試験 | 6か月に1回以上実施することを基本とする |
JFT-Basicの随時性は、この「2か月に1回以上」「6か月に1回以上」という基本頻度に沿って、無理のない間隔で受験の機会を組みやすいという点で相性がよい試験です。ただし、1年以内・3年以内に受験させる義務そのものの詳しい内容(対象水準、費用負担、受験に要する時間の扱いなど)は本記事では扱いません。「育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるか」を合わせてご確認ください。
公表資料に基づく一般的な整理(スコア帯の早見表、受験記録の管理台帳、証跡の残し方)を無料資料でご用意しています。個別案件への当てはめ、書類の作成・添削、認定可否の判断は行いません。
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記録の持ち方|受験票の写しと判定結果通知書
受験させたことの証明資料(受験票の写し等)は、育成就労計画の履行状況に関する管理簿(参考様式第4-2号)とともに保管することとされています(運用要領4-55〜4-56頁)。保管ルールと台帳の設計は「外国人社員の日本語学習「進捗が見えない」を測る3項目」で詳しく扱っており、本記事ではスコア運用に関わる点だけ補足します。
- 受験のたびに発行される判定結果通知書の写し(スコア・判定・受験日が記載される一次資料)を残しておくと、スコアの推移をたどりやすくなります
「来日前A1合格ルート」との違い
FRM Journalには、来日前にA1相当試験へ合格させる方針を検討する監理支援機関向けの記事として「育成就労 来日前にA1相当の試験に合格させるルート」があります。あちらは、来日前という特定の時点で、JFT-BasicとJLPTのどちらを選ぶか、合格が入国後講習の時間数(220時間ルート)にどう影響するかを扱う記事です。
これに対して本記事は、来日後・就労開始後を含めた継続的なスコアの運用を対象にしています。「対策」ではなく「運用」に軸を置いている点が、既存記事との違いです。
見込み点への反映
JFT-Basicのスコア・合格率は、育成就労の「優良な育成就労実施者」の評価項目(項目Ⅰ・日本語28点)の一部に反映されます。自社の受験者数・合格者数を入力すると見込み点を試算できるツールを「優良な育成就労実施者の配点」の記事に用意しています。
よくある質問
JFT-Basicの判定基準は2026年8月からどう変わりましたか?
採点方法自体は変わっていません。JFT-Basicは10〜250点のスコアで結果が出る試験で、2026年8月から、このスコアをA1相当(145〜174点)・A2.1相当(175〜199点)・A2.2相当(旧A2、200〜250点)の3段階で判定するようになりました。145点未満は判定なし(アスタリスク表示)です。出題形式・難易度に変更はなく、スコアの算出方法も従来どおりです(国際交流基金公式お知らせ)。
受験当日にわかるのはどこまでですか?正式な通知はいつ届きますか?
JFT-Basicはコンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式で、プロメトリック社が随時実施する予約制の試験です。受験終了時にスコアが画面に表示されます。正式な判定結果通知書は、受験後5営業日以内に発行されます(国際交流基金公式ページ)。
「判定なし」だった場合、記録として何が残りますか?
145点未満でも、スコアそのものは判定結果通知書に記載されます。判定の帯(A1・A2.1・A2.2)が変わらなくても、スコアの推移を記録しておけば、前回との差が縮まっているか離れているかを見ることができます。育成就労では、受験させたことの証明資料(受験票の写し等)を、育成就労計画の履行状況に関する管理簿(参考様式第4-2号)とともに育成就労実施者が保管することとされています(育成就労制度運用要領4-55〜4-56頁)。
何度も受けさせてよいのですか?受験の基本頻度はどう決まっていますか?
育成就労の日本語試験の実施回数は、「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」で、就労開始前は年2回以上、1年経過時までは2か月に1回以上、3年経過時までは6か月に1回以上を基本として実施することとされています(同方針-11-頁)。JFT-Basicは随時実施のCBTなので、この基本頻度に沿って受験の間隔を決める運用がしやすい試験です。1年以内・3年以内に受験させる義務そのものの詳しい内容は「育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるか」で解説しています。
JFT-Basicの受験料はいくらですか?
本記事の確認範囲では、JFT-Basicの受験料・国内会場数を特定できませんでした。実施国・試験期・予約サイトによって案内が異なる可能性があります。最新の料金・会場は公式予約サイトでご確認ください。
「入国前にA1相当に合格させるルート」の記事との違いは何ですか?
「育成就労 来日前にA1相当の試験に合格させるルート」は、来日前にA1相当試験へ合格させる方針を検討する監理支援機関向けに、JFT-BasicとJLPTの選び方や入国後講習時間数への影響を扱う記事です。本記事は、来日後・就労開始後を含めて、JFT-Basicのスコアを継続的にどう運用するかという受入企業向けの記事で、対象とする場面が異なります。
公式出典と未確定事項
- 国際交流基金「JFT-Basic お知らせ」(2026年8月改定の判定基準)
- 国際交流基金「JFT-Basicとは」(CBT方式・受験の流れ)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(4-55〜4-56頁)
- 法務省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」(-11-頁)
- 公益財団法人日本国際教育支援協会「JLPT日本語能力試験」公式サイト(申込期間・結果発表時期の参考)
未確定・個別確認が必要なもの
- JFT-Basicの受験料・国内会場数(本記事の確認範囲では特定できず。最新の料金・会場は公式予約サイトで確認)
- 受入年数区分によって、優良要件のどの項目が評価対象になるかの詳しい対応(本記事では扱わず、公表資料の確認を優先)
- 本記事は制度の一般的な説明であり、個別の受験計画の作成・審査・認定可否の判断は行いません
この記事の確認情報
公開日:2026-09-18/最終事実確認日:2026-09-18/編集・事実確認:FRM Journal編集部
本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部(当社)は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断、労務・税務に関する個別の判断を行いません。個別案件については行政書士・社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。
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公表資料に基づく制度要件と準備論点の一般的な整理(スコア記録の残し方、受験スケジュールの組み方の一般的な考え方)を30分で行います。個別案件への当てはめ、書類の作成・添削は行いません。その場で導入を決める必要はありません。
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