結論|鉄道は6業務区分すべてが「新設の育成就労評価試験(初級)」。運輸係員だけ日本語が重く、教育計画を先に作る分野です
- 鉄道分野の育成就労は、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員・駅・車両清掃の6業務区分があり、1年目の試験はいずれも鉄道分野育成就労評価試験(初級)です。既存の技能検定基礎級を使う区分はありません(分野別運用方針 別紙11 別表2)。
- 終了時は、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・駅・車両清掃が鉄道分野特定技能1号評価試験、運輸係員だけが育成就労評価試験(専門級)です。
- 日本語は、運輸係員だけ就労開始前がA2.2相当以上、終了時がB1相当以上(別表はJLPT N3・104点以上)で、実施者には追加の日本語授業(合計150時間以上)も課されます。ほかの5区分は共通の「開始前A1・転籍時A2.1・終了時A2.2」です。
- 試験の実施機関・受験料・実技の内容・開始日は公表待ちです(2026-10-01時点、詳細は本文の「公表状況」の囲み)。教育は、公表されている育成・キャリア形成プログラムと現場のOJTを軸に、いまから組み立てられます。
根拠:出入国在留管理庁ほか「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙11)」第三・別表2、国土交通省「特定の分野に係る育成就労制度運用要領(別冊)鉄道分野」(令和8年6月30日)(最終確認日:2026-10-01)
鉄道分野の育成就労は、令和9年度から2年間の受入れ見込数が1,100人(別紙11 第一2(4)ウ)と、17分野の中では小さな分野です。受入れ事業者は、鉄道事業者・軌道経営者のほか、鉄道の施設や車両の整備、車両の製造、駅や車両の清掃を営む事業者に限られます。受入企業の人事・現場責任者と監理支援機関の担当者にとって、まず確認すべきは「受入予定の業務区分は、どの試験を、どの日本語水準で受けるのか」です。区分によって、試験の名前も日本語の重さも違います。
本記事は、受験者本人の対策ではなく、受験させる側(受入企業・監理支援機関)の準備に絞ります。特に、冒頭で触れた2点、「技能の教育の進め方」と「日本語の教育」を厚く書きました。受験させることは実施者の義務ですが、合格させる義務はありません。それでも、1年目試験の合格率が優良要件の減点ラインに関わるため、教育の設計が実務の中心になります。
鉄道で受けさせる試験(業務区分ごとの一覧)
別紙11の別表2は、業務区分ごとに主たる技能を1つ定め、1年経過時までの水準(c欄)と育成就労終了までの水準(d欄)を示しています。6区分とも、1年目と本人意向の転籍時の技能水準は鉄道分野育成就労評価試験(初級)です。
| 業務区分(主たる技能) | 1年目・転籍時 | 育成就労の終了時 | 従事する業務の例(別表1) |
|---|---|---|---|
| 軌道整備(軌道整備) | 育成就労評価試験(軌道整備)(初級) | 特定技能1号評価試験(軌道整備) | 軌道検測、レール交換、まくらぎ交換、バラスト作業、保安設備の取扱い等 |
| 電気設備整備(電気設備整備) | 育成就労評価試験(電気設備整備)(初級) | 特定技能1号評価試験(電気設備整備) | 電路設備、変電所等設備、信号保安設備、踏切保安設備等の新設・改良・修繕 |
| 車両整備(車両整備) | 育成就労評価試験(車両整備)(初級) | 特定技能1号評価試験(車両整備) | 列車検査、定期・臨時検査、構内入換、改造工事、在庫・予備品管理等 |
| 車両製造(車両製造) | 育成就労評価試験(車両製造)(初級) | 特定技能1号評価試験(車両製造) | 素材加工、部品組立て、構体組立て、塗装、溶接、台車組立て等 |
| 運輸係員(駅係員作業) | 育成就労評価試験(駅係員作業)(初級) | 育成就労評価試験(駅係員作業)(専門級) | ポイント操作、入換え合図、駅設備管理、旅客案内・貨物取扱、車掌・運転士業務等 |
| 駅・車両清掃(駅・車両清掃) | 育成就労評価試験(駅・車両清掃)(初級) | 特定技能1号評価試験(駅・車両清掃) | 車両内外の清掃、コンコース・駅舎・ホーム清掃、休憩室清掃等 |
集計:別紙11 別表1・別表2(令和8年1月23日閣議決定のPDFを原文で確認。確認日:2026-10-01)
終了時は、運輸係員を除く5区分が「特定技能1号評価試験」を目標にする形です。国土交通省の運用要領(別冊)は、この5区分の外国人は、終了時の特定技能1号評価試験の受験要件として、育成就労の期間に育成就労評価試験(初級)の実技試験に合格しておくことが必要だと定めています。1年目の初級試験は、受験するだけでなく、実技の合格が次の段階の前提になります。
車両製造については、特定技能1号の側には技能検定3級(機械加工・仕上げ・電子機器組立て・電気機器組立て・塗装)も技能水準として並んでいます(別表1)。ただし、育成就労の終了時(別表2のd欄)に並ぶのは特定技能1号評価試験(車両製造)だけです。国土交通省の育成・キャリア形成プログラムには「車両製造区分は技能検定3級も対象」との注記がありますが、育成就労の終了時の目標としてどちらを選べるかは、育成就労計画の作成時に運用要領で確認してください。
時点ごとの水準(技能と日本語)
| 時点 | 技能 | 日本語(運輸係員以外の5区分) | 日本語(運輸係員) |
|---|---|---|---|
| 入国時 | 要求なし | (就労開始前の水準に含む) | A1相当以上の試験合格(JFT-BasicまたはJLPT N5以上) |
| 就労開始前 | 要求なし | A1相当以上の試験合格、または認定日本語教育機関等のA1相当講習(100時間以上) | A2.2相当以上(JFT-Basic A2.2以上またはJLPT N4以上、または相当する講習) |
| 1年経過時まで | 初級の受験 | A1相当(合格済みなら再受験不要) | A2.2相当(JFT-Basic A2.2以上またはJLPT N4以上) |
| 本人意向の転籍時 | 初級に合格していること | A2.1相当以上(JLPT N4以上) | A2.2相当以上 |
| 育成就労の終了まで | 特定技能1号評価試験(運輸係員は専門級) | A2.2相当以上(JLPT N4以上) | B1相当以上(別表の試験例はJLPT N3、104点以上に限る) |
鉄道の転籍制限期間は1年です(別紙11 第三3(2))。1年目の初級試験と日本語の合格が、本人意向の転籍の条件にもなるため、合格状況は定着の見通しにも直結します。転籍の仕組み全体は育成就労の転籍ルールで整理しています。
公表状況(2026-10-01時点)
- 鉄道分野育成就労評価試験(初級・専門級)の試験実施要領・実施機関・受験料・実技の内容・会場・開始日:いずれも公表待ちです。国土交通省の鉄道分野ページに掲載されている試験実施要領は、特定技能1号評価試験の軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造(令和7年2月)と運輸係員(令和7年3月)の5区分のみで、育成就労評価試験のものはありません。
- 参考(特定技能1号の実施主体):同ページは、特定技能1号評価試験の申込み先として、軌道整備=日本鉄道施設協会、電気設備整備=鉄道電業安全協会、車両整備=日本鉄道車両機械技術協会、車両製造=日本鉄道車輌工業会、運輸係員=日本鉄道運転協会を挙げています。育成就労評価試験を同じ機関が担うかは確認できていません。駅・車両清掃(令和8年1月に業務区分として追加)は、特定技能1号評価試験の実施要領・申込先も、2026-10-01時点で同ページに掲載を確認できませんでした。
- 開始時期:育成就労制度の施行日(2027-04-01)以降であることまでが前提で、各試験の開始日は公表待ちです。
- 他分野の状況と17分野の比較は育成就労の技能試験 17分野一覧、一次情報は国土交通省「鉄道分野における外国人材の受入れ(特定技能・育成就労)」と出入国在留管理庁「試験関係」で確認できます。公表されたら、この囲みを差し替えます。
試験の中身(公表されている範囲だけ)
全分野共通の作り(試験の方針)
法務省・厚生労働省の「試験の方針」では、初級は学科試験と実技試験、専門級は実技試験(学科は任意)で実施します。実技は製作等作業試験が原則で、困難な場合は判断等試験などを用います。初級を日本語で実施する場合は、原則としてひらがなの分かち書きにし、ヘボン式ローマ字を併記します。鉄道分野の育成就労評価試験がこの方針どおりかどうかは、実施要領の公表待ちです。
参考:特定技能1号評価試験(運輸係員)の例
育成就労評価試験の内容そのものではありませんが、同じ分野の既存の試験として、運輸係員の特定技能1号評価試験は、学科試験30問と、状況設定で判別・判断を問う判断等試験による実技試験20問で、合計80分、真偽式または四肢択一です。合格基準は学科・実技とも合計点の65%、水準は「実務経験2年程度の者が受験して合格率7割程度」と実施要領に書かれています(令和7年3月、国土交通省鉄道局技術企画課)。育成就労の専門級(駅係員作業)がこれと同じ形になるとは確認できていません。教育計画では「鉄道の運輸の学科と、状況判断の実技が問われる可能性がある」という前提で、準備の方向性を考える材料にとどめてください。
鉄道分野の特定技能1号評価試験の受験料は、令和6年度の実施状況報告書で24,750円から30,000円(区分・会員有無により差)でした。これも特定技能1号の実績で、育成就労評価試験の受験料を示すものではありません。
受入企業が準備すること
- 受入予定の業務区分と、1年目・終了時の試験の一覧を作る:上の表を自社の区分に当てはめます。運輸係員を受け入れる場合だけ、終了時が専門級・日本語がB1になる点を、計画の最初に確認します。
- 育成就労協議会の様式を確認する:国土交通省は鉄道分野育成就労協議会の加入届出書(第1号様式は育成就労実施者用、第2号様式は監理支援機関用)を公開しています。受入れの見込みが具体になってから届け出ること、会費は不要であることが同ページに書かれています。運用要領は、実施者が協議会で協議が調った措置を講じ、必要な協力を行うことを条件にしています。
- 実技の準備は「公表待ち」を前提に動く:実技の課題・使用機材・会場が未公表のため、設備や機材を新たに購入・増設する判断は実施要領の公表後にします。いまできるのは、現場での練習時間の確保と、教える担当者の決定です。
- 受験に要する時間を労働時間として扱う:欠勤扱いにしたり、有給休暇を取得させて受験させたりすることは認められません。受験日のシフトを運行・作業の工程に組み込みます。
- 受験の証明を保管する:受験票の写し等を「育成就労計画の履行状況に関する管理簿」(参考様式第4-2号)とともに保管します。合格証明書面は保管せず、速やかに本人に渡します。
- 不合格のときの方針を決めておく:1年目試験に不合格でも2回目を受験させる義務はありませんが、再受験の機会提供は優良要件の加点項目です。誰の費用で、いつ再受験させるかを先に決めます。
監理支援機関がやること
- 受験手続支援の申請:外国人育成就労機構(2027-04-01に外国人技能実習機構から改称)が、監理支援機関の申請に基づき、試験実施機関への取次ぎや合否結果の把握を行います。あらかじめ育成就労外国人本人の同意が必要です。
- 申込時期を守る:1年経過時までの試験は、認定を受けたら速やかに、遅くとも育成就労開始から6か月後までに申し込みます。終了時までの試験は、開始から1年後を目処に、遅くとも終了の12か月前までです。終了時が特定技能1号評価試験の場合、機構の受験手続支援の対象になるかは運用要領に明記がないため、試験実施機関の案内で申込方法を確認します。
- 業務区分ごとの区分表を持つ:受入企業ごと・外国人ごとに、区分、1年目試験の予定、日本語試験の予定、合否と再受験の予定を記録します。進捗の持ち方は技能試験・日本語試験の進捗管理で整理しています。
- 運輸係員の受入れでは日本語授業の手配を確認する:実施者が追加の日本語授業を受講させる義務があるため、授業の提供元(認定日本語教育機関)と時期の調整が必要になります。詳細は「日本語の教育」の章に書いています。
- 優良な監理支援機関の評価:技能・日本語の修得実績は規則の評価項目に挙げられていますが、配点・基準は運用要領で未公表です。
費用は誰が負担するか
運用要領は、各種試験に要する費用(受験手数料・交通費・材料費等)を、育成就労外国人に負担させず、育成就労実施者または監理支援機関が負担しなければならないとしています。鉄道分野の運用要領(別冊)も、試験費用は実施者または監理支援機関が負担する必要があると書いています。どちらが最終的に負担するかの配分は規定されていません。契約や監理費の設計で決める事項で、監理費の内訳に算入できるかどうかも、今回は確認できていません。
また、受験料や監理支援費などの負担を理由に、育成就労外国人の報酬を低くすることは許されません(運用要領4-91頁)。鉄道の育成就労評価試験の受験料は未公表なので、予算は「公表待ち」として置き、参考値として特定技能1号評価試験の24,750円から30,000円を目安にしつつ、確定後に差し替えるのが現実的です。運輸係員の追加の日本語授業(50時間以上)の費用は、運用要領に負担者の定めが確認できず、受入企業側での整理が必要です。
優良要件の減点ラインとの関係
1年目試験(基礎級程度)の合格率が75%未満、終了時の目標技能試験の合格率が50%未満だと、優良な育成就労実施者の項目Ⅰで減点になります。配点の内訳、合格率の分母の数え方、技能実習の実績の持ち越しは、優良な育成就労実施者の配点(項目Ⅰ)で扱っています。鉄道の評価試験は新設で合格率の実績がないため、教育の組み立ては配点の基準より先に、現場の習熟度を見ながら調整します。
技能の教育の進め方
1年目試験までの教育は、「OJTで教える作業」「試験に向けた学科の学び」「練習の時間」の3つに分けて計画します。以下は、公表されている資料に基づく事実と、編集部が実務向けに整理した考え方を分けて書きます。
公表されている資料から言えること
- 育成の道筋は国土交通省が示している:国土交通省の「育成・キャリア形成プログラム」(令和8年6月23日)は、育成就労の1年目に「必須業務等に従事することによる技能の向上」を行い、育成就労評価試験(初級)を受け、2年目以降に特定技能1号評価試験等へ進む流れを図示しています。育成就労の段階の目標は「基礎的な技能を修得し、上長からの指示があれば現場で単独でも働けるようになる」です。
- 区分ごとの資格・講習の例が挙がっている:同プログラムは「資格・研修・講習等の例」として、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造では玉掛け技能講習・移動式クレーン運転技能講習(車両製造にはフォークリフト運転技能講習)、軌道整備・電気設備整備では列車見張員資格、電気設備整備では低圧・高圧・特別高圧取扱業務の特別教育、駅・車両清掃では乙種第4類危険物取扱者や技能検定(ビルクリーニング)3級、運輸係員では過去の事故事例の学習会・安全啓発センター等の見学・営業講習・輸送講習を挙げています。うち「※」の付く資格・講習は、特定の作業を行うために法令等で定められたものです。受入予定の作業に必要かどうかは、事業者側で確認が必要です。
- 学科の学び方の方針:初級を日本語で実施する場合は原則としてひらがなの分かち書きとヘボン式ローマ字の併記とされています。学科の準備では、漢字の読みよりも、鉄道の用語の意味を理解することに時間を使えるよう、現場で使う用語集をひらがなで作る方法が考えられます(編集部の整理)。
編集部の整理:1年目試験までの組み立て
- OJTで教える作業を先に決める:育成就労計画に書いた主たる技能に沿って、1年目に必ず経験させる作業を列挙します。試験の実技の内容は未公表のため、「現場の基本作業を安全に正しい手順でできる」ことを土台にします。
- 安全の用語と手順を、日本語と一緒に教える:鉄道は安全が最優先の分野です。作業の手順書にある用語を、写真付きでひらがな・ローマ字併記の短い手順カードにして、作業前に声に出して確認する運用が、学科と実技の双方の準備になります。
- 練習の時間を勤務計画に組み込む:練習の時間を休憩や休日に一律に割り当てず、労働時間に当たるかを確認したうえで勤務計画に組み込む方法が考えられます(編集部の整理)。
- 担当者を決め、定期的に習熟を確認する:プログラムは「技能修得状況や学習の理解度等に係る定期的なフォローアップ」「定期面談等の機会にキャリアアップに係る相談対応」を挙げています。1か月ごとに習熟を一覧にして、試験の申込時期(開始から6か月以内)までに初級の準備が間に合うかを判断します。
- 合格率を上げるための手立て:合格させる義務はありませんが、基礎級程度の合格率75%が減点ラインです。実施要領の公表前は、模擬問題を自作するよりも、現場の作業手順の理解度確認を重ねるほうが、公表後に切り替えやすくなります。
日本語の教育
鉄道の日本語要件(再掲と上乗せ)
日本語は上の表のとおりで、運輸係員以外の5区分は共通の3時点(開始前A1・転籍時A2.1・終了時A2.2)です。運輸係員だけは、次の上乗せがあります(別紙11 第三、告示、運用要領(別冊))。
- 就労開始前にA2.2相当以上(JFT-Basic A2.2以上またはJLPT N4以上、または相当する講習)、転籍時もA2.2相当以上、終了時はB1相当以上。
- 外国人本人は、入国時にA1相当以上の試験に合格していること。
- 実施者は、日本語の育成就労の目標を達成するため、認定日本語教育機関の就労のための課程の授業を、入国後講習等で定められた時間に追加で50時間以上(合計150時間以上)受講させること。試験その他の評価方法でB1相当以上が証明されている者は除かれます。
現場で必要な日本語の教え方
- 運輸係員は「聞く・話す」を業務に直結させる:案内放送・旅客対応・指令とのやりとり・合図は、聞き間違いが事故に結びつきます。国土交通省のプログラムでも、運輸係員の就労中の取組は「日本語教育の参照枠B1相当以上」、教材例として「TRY! 日本語能力試験 N3 文法から伸ばす日本語」が挙げられています。
- 運輸係員以外は、安全・作業の語彙を先に固める:プログラムは、軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・駅・車両清掃の就労中の取組として、A2.2相当以上を目標にし、教材例に「みんなの日本語 初級」「TRY! 日本語能力試験 N4 文法から伸ばす日本語」を挙げています(育成就労段階)。作業の指示語(止まれ、確認、危険、持つ、置く等)と、数・時間・方向の言い方を、実物を見せながら反復します。
- 学習時間の確保と記録を一体で行う:日本語の講習や自習の記録は、後の受験・評価の説明に使えます。入国後講習の記録の形式は日本語講習の記録と証跡で整理しています。
既存記事への橋渡し
A1相当の講習(100時間)の要件はA1講習100時間の要件、日本語要件の全体像は育成就労の日本語要件、試験を受けさせる義務と頻度は育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるか、A2までの講習の義務と費用はA2目標講習の義務と費用、日本語が通じにくい現場での対応は日本語ができない実習生への対応(受入企業向け)で扱っています。
3年間の逆算スケジュール
育成就労の開始月を0か月として、運用要領の記載から組み立てた目安です。試験の開催日そのものは未公表のため、「いつまでに申し込むか」を中心に置いています。
| 時期(開始月から) | 技能 | 日本語 |
|---|---|---|
| 開始前 | 業務区分と試験の一覧を作る。教育担当を決める | A1相当(運輸係員はA2.2相当)の試験合格、または講習の受講 |
| 認定後〜6か月以内 | 1年目試験の受験支援を申し込む(遅くとも6か月後まで) | 運輸係員は追加の日本語授業(50時間以上)を計画 |
| 12か月まで | 育成就労評価試験(初級)を受験。5区分は実技の合格が特定技能1号評価試験の受験要件 | A1相当(運輸係員はA2.2相当。合格済みなら不要) |
| 約12か月 | 終了時試験の申込準備を始める目処 | — |
| 24か月まで(終了の12か月前) | 終了時試験の申込期限の目処(機構の支援の対象かは運用要領に明記なし。試験実施機関の案内で確認) | A2.2(運輸係員はB1)に向けた学習 |
| 36か月(終了)まで | 特定技能1号評価試験(運輸係員は専門級)を受験 | A2.2相当(運輸係員はB1相当、JLPT N3・104点以上)を受験 |
鉄道の転籍制限期間は1年なので、1年目の初級試験の合格と日本語(運輸係員以外A2.1相当、運輸係員A2.2相当)の合格が、転籍の可否を分ける材料になります。
受験時期の逆算表、実技の準備物の確認欄、費用負担の確認欄(実施者・監理支援機関・未定)、日本語の要件をまとめたチェックリストです。
よくある質問
鉄道の育成就労では、1年目に技能検定基礎級を受けますか?
いいえ。分野別運用方針の別表2では、6業務区分(軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員・駅・車両清掃)のすべてで、1年目は新設の鉄道分野育成就労評価試験(初級)です。技能検定基礎級を使う区分はありません。ただし実施要領・実施機関・受験料・実技の内容は2026-10-01時点で公表待ちです。
終了時の試験は、運輸係員とそれ以外で違いますか?
違います。軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・駅・車両清掃は、終了時に鉄道分野特定技能1号評価試験が目標です。運輸係員だけが、鉄道分野育成就労評価試験(駅係員作業)(専門級)です。日本語も運輸係員は終了時にB1相当以上(別表の試験例はJLPT N3、104点以上)と、ほかの区分のA2.2より高くなります。
運輸係員を受け入れる場合、実施者に追加で課される義務はありますか?
あります。分野別運用方針と告示により、実施者は、認定日本語教育機関の就労のための課程の授業を、入国後講習等で定められた時間に追加で50時間以上(合計150時間以上)受講させる必要があります。試験等でB1相当以上が証明されている外国人は除かれます。外国人本人にも、入国時にA1相当以上の試験合格が求められます。
試験の受験日は欠勤扱いや有給休暇でよいですか?
認められません。運用要領は、受験に要する時間は労働時間であり、受験日を欠勤扱いにすることや、有給休暇を取得させたうえで受験させることは認められないとしています。受験手数料・交通費・材料費などを外国人本人に負担させることもできません。費用は実施者または監理支援機関が負担し、配分は規定されていません。
更新履歴と公表待ちの項目
更新履歴:2026-10-01 初版公開(別紙11 別表1・別表2、運用要領(別冊)、試験の方針、国土交通省の鉄道分野ページ・育成・キャリア形成プログラムを原文で確認)
公表待ち・今回確認できなかった項目
- 鉄道分野育成就労評価試験(初級・専門級)の試験実施要領、実施機関、受験料、実技の内容、会場、開始日:公表待ち(上の「公表状況」の囲みを参照)
- 駅・車両清掃の特定技能1号評価試験の実施要領・申込先:2026-10-01時点で国土交通省の鉄道分野ページに掲載を確認できず
- 車両製造の育成就労の終了時に、技能検定3級を目標として選べるか:別表2のd欄には特定技能1号評価試験(車両製造)のみ。育成・キャリア形成プログラムの注記と、運用要領での扱いは今回確認できず
- 運輸係員の追加日本語授業(50時間以上)の費用負担者、実施者と監理支援機関の費用の最終配分、監理費への算入可否:運用要領に規定を確認できず
- 外国人技能実習機構の「分野別の情報」ページでの鉄道分野の掲載状況:今回は確認せず、国土交通省のページを一次情報とした
出典一覧
- 出入国在留管理庁ほか「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙11)」(第一2(4)ウ、第三1〜4、別表1・別表2。確認日:2026-10-01)
- 国土交通省「特定の分野に係る育成就労制度運用要領(別冊)」鉄道分野(令和8年6月30日。第1〜第3、第5、別表。確認日:2026-10-01)
- 国土交通省鉄道局「鉄道分野における外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」「育成就労」)」(試験実施要領・協議会・様式の掲載状況。確認日:2026-10-01)
- 国土交通省「【鉄道分野】育成・キャリア形成プログラム」(令和8年6月23日。確認日:2026-10-01)
- 国土交通省鉄道局技術企画課「「鉄道分野特定技能1号評価試験」(鉄道分野:運輸係員)試験実施要領」(令和7年3月。参考。確認日:2026-10-01)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(第4章第5 4-53〜4-57頁、4-91頁、第7章第3節 7-4頁。頁は前後1頁の誤差があり得ます。確認日:2026-10-01)
- 法務省・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」(令和7年3月11日。確認日:2026-10-01)
- 出入国在留管理庁「試験関係」(試験実施要領・実施状況報告書。確認日:2026-10-01)
この記事の確認情報
公開日:2026-10-01/最終事実確認日:2026-10-01/編集・事実確認:FRM Journal編集部
本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断を行いません。個別案件については行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。
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