結論|試験名は17分野すべて公表済み。ただし新設の評価試験の実施要領・受験料は多くが公表待ちです

  • 育成就労の産業分野は17分野です。1年目に受けさせる「初級」と、終了時に受けさせる試験の名前は、2026-01-23閣議決定の分野別運用方針で分野ごとに決まっています。
  • 林業は既存の技能検定(基礎級・3級)のままです。工業製品製造業・建設・造船・舶用工業・飲食料品製造業は、業務区分によって技能検定と新設の育成就労評価試験が混在します。上記以外の分野は、初級が新設の育成就労評価試験です。
  • 受けさせる義務はありますが、合格させる義務ではありません。受験手数料・交通費・材料費は本人に負担させず、実施者または監理支援機関が負担します。配分は規定されていません。
  • 新設試験の実施機関・受験料・実技内容は、今回の確認では物流倉庫を含めて公表を確認できていません。物流倉庫は、国土交通省が試験実施要領を調整中と公表しています(2026年9月時点)。

根拠:出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」別紙1〜19の「第三 育成就労制度に関する事項」(最終確認日:2026-10-01)

育成就労制度は2027-04-01に施行されます。受入企業と監理団体(監理支援機関)の担当者が最初に困るのは、「自分の分野では何の試験を、いつ、誰が受けさせるのか」が分野ごとに違うことです。この記事は、17分野それぞれの試験名を1つの表にまとめ、詳しい準備は業種別の記事へ振り分けるための入口です。試験の期限管理は技能試験・日本語試験の進捗管理、優良要件の配点は優良な育成就労実施者の配点で扱っており、ここでは繰り返しません。

試験と日本語の準備チェックリスト(無料PDF)

受験時期の逆算表、実技の準備物の確認欄、費用負担の確認欄、日本語の要件、分野別の試験名をまとめています。

17分野の試験一覧(初級・終了時・新設か既存か)

「1年目(初級)」は育成就労の開始後1年が経過するまでに満たす技能水準、「終了時」は育成就労を終了するまでに満たす技能水準です。試験名は分野別運用方針の別紙(第三 1)と、別表に掲げられた業務区分ごとの欄で確認しました。各分野の個別記事へのリンクを表の右端に置いています。

分野(所管)1年目(初級)の試験終了時の試験新設か既存か実施要領・開始時期詳細
介護(厚労省)介護育成就労評価試験(初級)介護育成就労評価試験(専門級)。あわせて日本語A2.2以上と介護特定技能評価試験(日本語)新設公表待ち介護の技能試験と日本語・上乗せ基準
ビルクリーニング(厚労省)ビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験初級は新設、終了時は特定技能1号評価試験公表待ちビルクリーニングの試験と日本語
リネンサプライ(厚労省)リネンサプライ分野育成就労評価試験(初級)リネンサプライ分野特定技能1号評価試験初級は新設、終了時は特定技能1号評価試験(新分野)公表待ちリネンサプライの技能試験
工業製品製造業(経産省)業務区分・主たる技能により、技能検定基礎級、または各育成就労評価試験(初級)技能検定3級、または各育成就労評価試験(専門級)。RPF製造は製造分野特定技能1号評価試験(RPF製造)混在公表待ち工業製品製造業の技能試験
建設(国交省)多くは技能検定基礎級。溶接、建設機械施工の一部(積込み・締固め・掘削など)は各育成就労評価試験(初級)技能検定3級、または各育成就労評価試験(専門級)混在公表待ち建設分野の評価試験・技能検定
造船・舶用工業(国交省)大半は技能検定基礎級。手溶接・半自動溶接は育成就労評価試験(初級)技能検定3級。溶接は育成就労評価試験(専門級)混在公表待ち造船・舶用工業の技能試験
自動車整備(国交省)自動車整備業務・車体整備業務それぞれの育成就労評価試験(初級)同(専門級)新設公表待ち自動車整備の育成就労試験
宿泊(国交省)宿泊分野育成就労評価試験(初級)宿泊分野特定技能1号評価試験初級は新設、終了時は特定技能1号評価試験公表待ち宿泊の育成就労試験
鉄道(国交省)6業務区分(軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員=駅係員作業・駅・車両清掃)ごとの鉄道分野育成就労評価試験(初級)運輸係員以外は区分ごとの鉄道分野特定技能1号評価試験。運輸係員は鉄道分野育成就労評価試験(駅係員作業)(専門級)初級は新設、終了時は区分により異なる公表待ち鉄道の技能試験
物流倉庫(国交省)物流倉庫分野育成就労評価試験(初級)物流倉庫分野特定技能1号評価試験(専門級の設定なし)新設国交省が実施要領を調整中と公表(2026-09時点)。初級の開始は2027-04以降の予定、特定技能1号試験の開始時期は未定物流倉庫の技能試験
農業(農水省)施設園芸・稲作畑作・果樹・養豚・家きん・養牛の6区分ごとの育成就労評価試験(初級)同区分の育成就労評価試験(専門級)新設公表待ち農業の育成就労試験
漁業(農水省)漁業・養殖業それぞれの育成就労評価試験(初級)1号漁業特定技能評価試験(漁業)、同(養殖業)初級は新設、終了時は特定技能評価試験公表待ち漁業の育成就労試験
飲食料品製造業(農水省)業務区分・主たる技能により、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、水産練り製品製造などは技能検定基礎級、他は各育成就労評価試験(初級)技能検定3級、各育成就労評価試験(専門級)、または飲食料品製造業特定技能1号評価試験混在公表待ち飲食料品製造業の技能試験
外食業(農水省)外食業育成就労評価試験(初級)。医療・福祉施設給食製造は同名の評価試験(初級)外食業特定技能1号評価試験。医療・福祉施設給食製造は育成就労評価試験(専門級)初級は新設、終了時は区分により異なる公表待ち外食業の技能試験
林業(農水省)技能検定(林業職種)基礎級技能検定(林業職種)3級既存(技能検定)技能検定は既存の仕組み林業の技能試験
木材産業(農水省)木材産業育成就労評価試験(初級)木材産業特定技能1号評価試験初級は新設、終了時は特定技能1号評価試験公表待ち木材産業の技能試験
資源循環(環境省)資源循環分野育成就労評価試験(初級)資源循環分野特定技能1号評価試験新設(新分野)公表待ち資源循環の技能試験

表の「公表待ち」は、新設の育成就労評価試験の試験実施要領・実施機関・受験料・開始日について、今回の確認では公表を見つけられていないことを指します。出入国在留管理庁の「試験関係」ページに掲載されている試験実施要領は、現行の特定技能試験のものです。特定技能1号評価試験の実施機関を、そのまま育成就労評価試験の実施機関と見なすことはできません。

表の読み方|「新設」「既存」「混在」の意味

  • 新設: 分野別運用方針が、その分野の初級(必要に応じて専門級)を「育成就労評価試験」と定めています。技能実習の技能検定とは別の試験です。
  • 既存(技能検定): 職業能力開発促進法の技能検定をそのまま使います。1年目は基礎級、終了時は3級です。林業が該当します。
  • 混在: 業務区分や主たる技能ごとに、技能検定と育成就労評価試験が分かれます。受けさせる本人の業務区分を確認しないと、試験名が決まりません。工業製品製造業・建設・造船・舶用工業・飲食料品製造業が該当します。詳細は業種別の記事で、業務区分ごとの表にしています。
  • 終了時が特定技能1号評価試験: 多くの分野で、終了時の試験は特定技能1号評価試験です。運用要領では、分野別運用方針が技能検定等と特定技能1号評価試験の両方を定める場合はどちらかを選べ、片方だけの場合は他方を目標にできません(運用要領4-54頁)。

時期ごとの要求(全分野に共通する骨格)

時期技能日本語
就労開始前要求なしA1相当以上の試験合格、または認定日本語教育機関等でのA1相当の講習受講。介護は開始前からA2.2相当以上
1年経過時まで表の「1年目(初級)」の試験A1相当以上(合格済みなら再受験は不要)。介護はA2.2相当以上と日本語学習プラン
育成就労の終了時表の「終了時」の試験A2.2相当以上(鉄道の運輸係員はB1相当以上)

日本語側の期限・頻度は日本語試験はいつ・何回受けさせるか、講習の時間数は育成就労の日本語要件にあります。

受入企業(育成就労実施者)がやること

  • 本人の業務区分から試験名を特定する。混在分野では、同じ会社でも区分によって技能検定か評価試験かが変わります。受入れ前に、業務区分と主たる技能から該当する試験名を確認します。
  • 受験させる時期を逆算する。運用要領は、機構への受験手続支援の申込時期を、1年経過時までの試験は計画の認定後速やかに(遅くとも育成就労開始から6か月後まで)、終了時までの試験は開始から1年後を目処(遅くとも終了の12か月前まで)としています(運用要領7-4頁)。ただし運用要領は対象を「技能検定等」(技能検定と育成就労評価試験)と書いており、特定技能1号評価試験が対象になるかは明記がないため、終了時が1号評価試験の分野は試験実施機関の案内で申込方法を確認します。
  • 受験日を労働時間として扱う。受験に要する時間は労働時間で、欠勤扱いや有給休暇を取得させての受験は認められません(運用要領4-57頁)。
  • 実技の準備物を確認する。製作等作業試験では、材料の提供・貸与が試験の方針に定められています。必要な材料・設備・練習時間は、試験実施要領の公表後に確認します。
  • 受験の証拠を残す。受験票の写し等は、育成就労計画の履行状況に関する管理簿とともに実施者が保管し、合格証明書面は保管せず本人へ手交します(運用要領4-57頁)。

監理団体(監理支援機関)がやること

  • 受験手続支援の申請。機構は、監理支援機関(単独型は実施者)の申請に基づいて、試験実施機関への取次ぎや合否結果の把握を行います。そのためには、あらかじめ本人の同意が必要です(運用要領4-56頁・7-4頁)。
  • 受入企業ごとの試験名の台帳化。担当企業の分野と業務区分ごとに、1年目と終了時の試験名・受験予定月・結果を一覧にします。混在分野は区分単位で持ちます。
  • 日程調整と合否の把握。試験は、監理支援機関または実施者の要請に応じて、国内の適切な場所で実施することが基本です(試験の方針 第4-4)。
  • 優良な監理支援機関の評価項目への備え。規則第19条第2項第3号ロに「技能及び日本語能力の修得に係る実績」が明記されています。配点・基準は運用要領で未公表です。合格率の記録は、公表される前から残しておくと、基準が決まったときに集計し直さずに済みます。

費用は誰が負担するか

運用要領は、各種試験に要する費用(受験手数料、交通費、材料費等)について、育成就労外国人に負担させることとせず、育成就労実施者または監理支援機関が負担しなければならないとしています(運用要領4-57頁)。実施者と監理支援機関のどちらが最終的に負担するか、監理費の内訳に含められるかは、運用要領に書かれておらず、契約・監理費の設計で決める事項です。技能検定等の受験料や監理支援費等の費用負担を理由に、報酬の額を低くすることは許されません(同4-91頁)。

受験料の水準は、分野によって差があります。現行の特定技能1号評価試験の受験料は、令和6年度の実施状況報告書で、建設2,000円、工業製品製造業・農業・漁業・飲食料品製造業が8,000円、外食業7,000円などです。育成就労評価試験(初級)の受験料はどの分野も公表を確認できていないため、予算は「公表後に確定」として枠だけ確保する扱いが現実的です。

優良要件の減点ライン

優良な育成就労実施者の項目Ⅰでは、基礎級程度の技能試験の合格率が75%未満で−7点、育成就労の目標となる技能試験の合格率が50%未満で−10点です。配点の全体と、技能実習の実績を含める方法は優良な育成就労実施者の配点を参照してください。

業種別の記事への振り分け

17分野すべてに、受入企業・監理団体向けの個別記事があります。技能検定と評価試験が混在する分野(建設、工業製品製造業、飲食料品製造業、造船・舶用工業)は、業務区分ごとの表と準備の段取りをまとめています。

表の試験名と、分野別運用方針の別紙もあわせて確認してください。分野ごとの運用要領の公表状況は分野別運用要領とは、17分野の受入れ規模と要件は育成就労の対象分野一覧にあります。

よくある質問

育成就労の技能試験は、すべて新設の評価試験になりますか?

なりません。分野別運用方針では、林業は技能検定(基礎級・3級)のままです。工業製品製造業・建設・造船・舶用工業・飲食料品製造業は、業務区分や主たる技能によって技能検定と新設の育成就労評価試験が混在します。その他の分野は、1年目の初級が新設の育成就労評価試験です。

技能試験は合格させる義務がありますか?

受験させる義務はありますが、合格させる義務ではありません。受験手数料・交通費・材料費は本人に負担させず、育成就労実施者または監理支援機関が負担する必要があり、受験時間は労働時間です(運用要領4-54〜4-57頁)。両者の配分は運用要領に書かれていません。

17分野の試験の受験料や実施機関は分かりますか?

今回の確認では、新設の育成就労評価試験の受験料・実施機関・実技内容は公表を確認できませんでした。物流倉庫は、国土交通省が試験実施要領を調整中として2026年9月時点で公表しています。確認できた範囲は本記事の表に記載し、公表され次第、更新履歴に追記します。

更新履歴と公表待ちの項目

  • 2026-10-01 公開。17分野の試験名を分野別運用方針の別紙で確認しました。
  • 公表待ち: 新設の育成就労評価試験(初級・専門級)の試験実施要領、実施機関、受験料、実技の内容、開始日(物流倉庫は国土交通省が調整中と公表)。物流倉庫の特定技能1号評価試験の開始時期は未定です。
  • 今後の更新: 試験実施要領の公表に合わせて、本表を毎月見直します。

公式出典

この記事の確認情報

公開日:2026-10-01/最終事実確認日:2026-10-01/編集・事実確認:FRM Journal編集部

本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部(当社)は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断を行いません。個別案件については行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。

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