結論|ビルクリーニングの1年目は新設の「育成就労評価試験(初級)」、終了時は「特定技能1号評価試験」です。初級の実技に合格しないと、終了時の試験を受けられません

  • 1年目はビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)、終了時はビルクリーニング分野特定技能1号評価試験です。他の分野で終了時に使う「専門級」ではありません。主たる技能を「ビルクリーニング」とする外国人は、1号評価試験の受験要件として、初級の実技試験に合格していることが必要です(分野別運用要領 第2)。
  • 日本語は、就労開始までにA1相当(JFT-Basic A1相当以上またはJLPT N5以上、または認定日本語教育機関等のA1相当の講習100時間以上)、転籍時にA2.1相当(JFT-Basic A2.1相当以上またはJLPT N4以上)、終了時にA2.2相当(JFT-Basic A2.2相当以上またはJLPT N4以上)です。転籍制限期間は1年です。
  • 受入れの条件として、建築物衛生法の登録を受けた営業所で受け入れること、育成就労計画の認定申請の前に分野別協議会へ加入していることが必要です。直接雇用に限られ、派遣はできません。
  • 初級の実施要領・実施機関・受験料・実技の形式・開始日は公表待ちです(「試験の公表状況(2026-10-01時点)」の囲みにまとめています)。技能の教え方は、公表済みの「育成就労計画審査基準」の1年目の必須業務が、教育計画の骨組みになります。

根拠:出入国在留管理庁ほか「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙2)」第三1・3・4、法務省・厚生労働省「特定の分野に係る育成就労制度運用要領-ビルクリーニング分野の基準について-」(令和8年9月30日一部改正)(最終確認日:2026-10-01)

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ビルクリーニング分野の育成就労は、分野別運用方針で令和9年度からの2年間に7,300人の受入れ見込数が置かれています(別紙2 第一2(4)ウ)。17分野のうち、分野別運用要領(本文・別表・審査基準)が厚生労働省と外国人技能実習機構のページに既に掲載されている分野です(令和8年7月14日公表、9月30日一部改正)。ただし、1年目に受けさせる初級試験の実施要領は、2026-10-01時点で出ていません。

本記事は、受験者本人の対策ではなく、受験させる側(受入企業・監理支援機関)の準備に絞って整理します。建築物衛生法の登録営業所、分野別協議会、特定技能1号評価試験といった、この分野に固有の条件が多いため、「何の試験を、どの順番で、どう教えて受けさせるか」を中心にします。

ビルクリーニングで受けさせる試験(就労開始前・1年目・転籍時・終了時)

別紙2の第三1・3と、分野別運用要領の別表が定める水準は次のとおりです。

時点技能日本語
就労開始前要求なしA1相当以上の水準と認められる試験(JFT-Basic A1相当以上、JLPT N5以上)に合格、または認定日本語教育機関等でA1相当の日本語講習(100時間以上)を受講
開始後1年経過時までビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)就労開始前の水準の試験に合格していること(開始前に講習で受け入れた場合は、1年経過時までに試験に合格)
本人意向の転籍時ビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)に合格していることA2.1相当以上(JFT-Basic A2.1相当以上、JLPT N4以上)
育成就労の終了までビルクリーニング分野特定技能1号評価試験A2.2相当以上(JFT-Basic A2.2相当以上、JLPT N4以上)

ビルクリーニングの転籍制限期間は1年です(別紙2 第三3(2))。転籍の仕組み全体は育成就労の転籍ルールで整理しています。

終了時の試験が「特定技能1号評価試験」であることの意味

  • 初級の実技の合格が前提です:主たる技能を「ビルクリーニング」とする育成就労外国人は、終了時に受験する特定技能1号評価試験の受験要件として、育成就労の期間に、初級の実技試験に合格していることが必要です(分野別運用要領 第2)。1年目の初級は、通過点ではなく、終了時の試験の入口です(運用要領 4-56頁にも同じ趣旨の記載があります)。
  • 終了時の1号評価試験が機構の受験手続支援の対象になるかは確認中です:外国人育成就労機構の受験手続支援は、技能検定または育成就労評価試験(特定技能1号評価試験を除く)と書かれています(運用要領 7-4頁)。終了時の目標試験としての扱いは明記されていないため、受験の申込みは受入企業・監理支援機関が自分でも段取りを組める前提で進めます。
  • 1年目試験の2回目を受けさせる義務はありません:運用要領は、1年目の技能試験に不合格でも2回目を受験させる義務はないとしています。ただし、初級の実技に合格しないと終了時の試験を受けられない構造のため、再受験の費用と時期を、受入れ前に決めておく必要があります。

技能実習からの対応

技能実習の目標となる試験が「技能検定3級(ビルクリーニング)」だった人は、育成就労の終了時の目標試験が「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」に対応します(分野別運用要領 第5)。技能実習を3年以上行っている場合は育成就労計画の認定を受けられず、2年を超えて行っている場合は、対応する業務区分以外の育成就労を行わせられない点には、注意が必要です。

試験の公表状況(2026-10-01時点)

ビルクリーニング分野で公表待ちの項目(公表されたら、この囲みを差し替えます)

項目2026-10-01時点の状況
ビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)の試験実施要領未掲載。出入国在留管理庁「試験関係」ページのビルクリーニング分野の欄にある実施要領は、特定技能1号・2号評価試験のものです
初級の実施機関公表待ち。現行の特定技能1号・2号評価試験は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施していますが、初級も同じ機関が担うかは確認できていません
初級の受験料公表待ち
初級の実技の内容・形式、学科の出題範囲、試験の言語公表待ち。試験の方針は、実技を製作等作業試験とするのが原則で、困難な場合は判断等試験等も可能としています。初級を日本語で実施する場合は、原則としてひらがなで分かち書きし、ヘボン式ローマ字を併記します
開始日・試験日程公表待ち。育成就労制度の施行日(2027-04-01)以降であることまでが確認できています

確認先:育成就労の技能試験 17分野一覧/出入国在留管理庁「試験関係」/厚生労働省「ビルクリーニング分野における新たな外国人材の受入れ」/全国ビルメンテナンス協会「特定技能・育成就労」(確認日:2026-10-01)

試験の中身(公表されている範囲だけ)

全分野共通の作り(試験の方針)

  • 育成就労評価試験は、初級が学科試験と実技試験で実施します(法務省・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」第4の2)。
  • 水準は、初級が技能検定基礎級と同等、特定技能1号評価試験が技能検定3級と同等です(運用要領 第4章 4-17〜4-18頁)。

参考:現行の特定技能1号評価試験(全国ビルメンテナンス協会)

初級の内容は未公表ですが、終了時に受けさせる1号評価試験は公表されています。次の表は、全国ビルメンテナンス協会のページと厚生労働省の実施要領から確認できた内容です(確認日:2026-10-01)。初級は1号より易しい水準で、内容も同じとは限りません。

項目内容
実施機関・方式公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施。CBT方式(ピアソンのテストセンター)。日程はテストセンターの営業日であれば随時
試験の構成学科試験20問(真偽・選択、40点、20分)と実技試験30問(真偽・選択・並べ替え、60点、30分)。毎回、学科と実技をあわせて受験。CBTでは作業(実際に体を動かす)試験はなし
合格基準学科・実技ともに満点の60%以上
言語日本語(漢字にひらがなのルビ付き)
受験手数料日本で受験する場合4,400円(税込)、外国で受験する場合30USドル
令和6年度の合格率CBT方式の1号試験は約63%(令和7年3月10日〜31日の約3週間の実績)。改正前の1号試験は約88%、技能実習2号修了時の技能検定随時3級は約70%で、報告書はCBT方式の1号試験を3級とほぼ同じ水準としています

出典:全国ビルメンテナンス協会「ビルクリーニング特定技能1号評価試験」、厚生労働省「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験実施要領」、出入国在留管理庁「令和6年度ビルクリーニング分野特定技能評価試験実施状況報告書」(確認日:2026-10-01)。受験手数料は1号評価試験のものです。初級の受験料は公表待ちです

技能の教育の進め方(1年目試験まで)

合格させることは義務ではありませんが、優良な育成就労実施者の項目Ⅰでは、1年目試験(基礎級程度)の合格率75%未満、終了時の目標技能試験の合格率50%未満が減点です(配点は後述の記事を参照)。ビルクリーニングは、初級の実技合格が終了時の試験の入口であるため、1年目の教育が、その後の3年間を左右します。

教育計画の骨組み:育成就労計画審査基準

分野別運用要領の別紙「育成就労計画審査基準」は、ビルクリーニング(主たる技能)の定義と、1年目・2〜3年目の必須業務を定めています。教える内容を決める、最も具体的な公的資料です。

項目1年目2年目・3年目
作業の段取り器具及び資材の準備と片付け、什器・備品等の移動と原状復帰資機材(器具・資材・機械)の迅速な準備と片付け、什器・備品等の迅速な移動と原状復帰
クリーニング作業各種清掃作業の補助(器具・資材の使い方を修得するため)日常清掃作業、定期清掃作業
安全衛生作業雇入れ時等の安全衛生教育、作業開始前の安全確認、整理・整頓・清掃・清潔・習慣の遵守、作業者間の安全確認、保護具・安全標識・装置の確認服装の安全点検(身だしなみを含む)、ビルクリーニングにおける事故・疫病予防、労働衛生上の有害性の防止、異常時の応急措置、報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)
1年目に使うことが求められるもの部位別作業の1〜4(床面・壁面・立体面・什器及び備品)はすべて作業できること。主な器具の1〜25、主な資材の1〜3(洗剤・水石けん・衛生消耗品)はすべて使うこと。主な機械・設備は真空掃除機と吸水バキュームを使うこと—

出典:特定の分野に係る育成就労制度運用要領-ビルクリーニング分野の基準について-【別紙】育成就労計画審査基準(確認日:2026-10-01)。器具には、ほうき、モップ、ダストクロス、ハンドパッド、ウインドスクイジー、フロアパッド、保護手袋・保護マスク、作業カートなどが含まれます

この表は、1年目に「何を使えるようにするか」を、受入企業が最初に決める材料になります。器具・資材・機械を実物で教え、名前と使い方をセットで覚えさせる順番にすると、学科の用語とも結びつきます。

学科の学び方と公開されている教材

初級の出題範囲は未公表ですが、同じ分野の公開教材は、学習の形を作るために使えます。初級を日本語で実施する場合、原則としてひらがなで分かち書きになるため、教材もひらがな・ルビ付きのものを選ぶと、試験の形式に近くなります。

  • 学習テキスト:全国ビルメンテナンス協会が、特定技能1号評価試験の対策テキスト「目指せ!ビルクリーニング特定技能評価試験~学習テキスト~」を、日本語を含む11言語(英語・インドネシア語・ベトナム語など)の電子ブックで公開しています(協会の1号評価試験のページ)。
  • 試験問題のサンプルと訓練用動画:同ページで、試験の流れと問題サンプル(PDF)、CBTの体験、基本動作が学べる訓練用動画が公開されています。
  • 技能検定の参考問題:協会は、ビルクリーニング技能検定(2024年度のCBTから1パターンを抽出)の1〜3級の学科試験、1・2級の実技ペーパー試験の問題と正解を公開しています(協会のお知らせ)。育成就労評価試験(初級)の問題ではなく、出題範囲も同じとは限りません。
  • 育成・キャリア形成プログラム:厚生労働省の「ビルクリーニング分野育成・キャリア形成プログラム」は、育成就労の1年目に育成就労評価試験(初級)、3年目に特定技能1号評価試験を受ける流れと、「技能修得状況や学習の理解度等に係る教材を活用した定期的なフォローアップ」を示しています。

合格率を上げるための工夫(編集部の整理)

次の内容は、公的資料が定める方法ではなく、編集部の一般的な整理です。初級の実施要領が出た時点で見直します。

  • 実物と手順をセットで教える:1号評価試験の実技が「真偽・選択・並べ替え」の形式であることから、手順の順序を言葉で説明できることが、現場での作業と同じくらい重要になると考えられます。作業の後に、手順を口頭で言ってもらう時間を取ります。
  • 洗剤・場所・部位の使い分けを一覧にする:審査基準が示す、洗剤(酸性・アルカリ性・中性)、場所別(玄関ホール、トイレ、階段など)、部位別(床・壁・立体面など)の区分は、そのまま教材の見出しにできます。
  • 指導員が「できた・まだ」を記録する:厚生労働省のプログラムが示す、定期的なフォローアップを、習熟度チェックシートの形で持ちます。
  • 不合格のときは、実技の領域別に学び直す:初級の実技合格が終了時の試験の受験要件であるため、再受験前に弱い領域に絞って学び直します。

日本語の教育(開始前から終了時まで)

ビルクリーニングの日本語は、時点ごとに「A1→A2.1→A2.2」と進みます。就労開始前、転籍時、終了時の3段階で整理します。

就労開始前:A1相当の確認

別紙2の第三1(1)が就労開始までに求めるのは、A1相当以上の水準と認められる試験への合格、または認定日本語教育機関等におけるA1相当の日本語講習の受講です。分野別運用要領の別表は、試験としてJFT-Basic A1相当以上とJLPT N5以上を挙げ、講習は認定日本語教育機関の「就労のための課程」等で100時間以上と説明しています。開始前に試験に合格していない場合は、育成就労の開始から1年経過時までに試験に合格することが求められます。

日本語の要件全体は育成就労の日本語要件、A1相当講習の100時間要件はA1講習100時間の要件、入国前の試験はJFT-Basic A1の入国前合格で整理しています。

開始後:A2.1とA2.2に向けて

  • 転籍時のA2.1相当:本人意向の転籍には、初級の合格に加えて、JFT-Basic A2.1相当以上またはJLPT N4以上が必要です。転籍制限期間が1年のため、初級の受験とA2.1相当の学習は、最初の1年に集中します。
  • 終了時のA2.2相当:JFT-Basic A2.2相当以上またはJLPT N4以上です。日本語の試験を受けさせる時期と回数は育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるかで整理しています。
  • A2目標講習:運用要領は、3年間のうちに、A2相当を目標とする認定日本語教育機関の「就労のための課程」の講習を100時間以上受講できる機会の提供と、希望に応じた費用負担を実施者に求めています。A2相当の日本語の試験に合格している場合は、機会提供の義務はありません(運用要領 4-49〜4-50頁。頁は前後1頁の誤差があり得ます)。詳細はA2目標講習の義務と費用、合格後の学習はA2目標講習の後に合格率を上げる継続学習で扱っています。

現場で必要な日本語の教え方(編集部の整理)

審査基準が示す用語は、そのまま教材の素材になります。清掃の現場の日本語は、次の4つに分けると整理しやすくなります。

  • 場所と部位の名前:玄関ホール、通路、トイレ、昇降装置、階段、事務室、湯沸室といった場所、床面・壁面・天井面・立体面といった部位を、写真付きの一覧にして、巡回しながら声に出して確認します。
  • 器具・資材の名前と使い方:ほうき、モップ、ダストクロス、フロアパッドなどの器具や、洗剤(酸性・アルカリ性・中性)を、実物と名前をセットで覚えます。洗剤の表示は、取り違えが事故につながるため、優先して教えます。
  • 安全の言葉:安全標識、保護具、「滑りやすい」「立入禁止」などの表示と、作業前の安全確認の言葉です。審査基準の安全衛生業務(2年目以降の事故・疫病予防、異常時の応急措置を含む)に対応します。
  • 報告・連絡・相談:審査基準の安全衛生業務(2年目以降)に挙げられている「ホウ・レン・ソウ」を、場面ごとの短い文(「終わりました」「分かりません」「汚れが落ちません」)で練習します。

技能と日本語は、現場で同じ言葉を繰り返し使うことで進みます。日本語の進み具合が見えにくいときの管理は外国人社員の日本語学習「進捗が見えない」を測る3項目、現場での対応の全般は技能実習生に日本語が通じにくいときの対応で扱っています。

受入企業が準備すること

  • 受入れ営業所の登録を確認する:建築物衛生法第12条の2第1項の、建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所で受け入れる必要があります。登録は、法人単位ではなく、育成就労を行わせる営業所単位です。有効期間は6年で、更新しない場合は基準に適合しなくなります(分野別運用要領 第3)。
  • 分野別協議会に加入する:育成就労計画の認定申請の前に、ビルクリーニング分野の分野別協議会に加入している必要があります。協議会構成員資格証明書には、登録の有効期間が記載されます。
  • 直接雇用で受け入れる:ビルクリーニング分野は、労働者派遣等の形態の分野として定められていないため、派遣では受け入れられません。
  • 実務経験の証明書面を交付できるようにする:育成就労外国人から求められたときに、実務経験を証明する書面(電磁的記録を含む)を交付または提供します。
  • 教育計画を作る:審査基準の1年目の必須業務(器具25種・資材3種・機械2種の使用など)から、1年目の教育計画を作ります。
  • 受験に要する時間を労働時間として扱う:受験日を欠勤扱いにしたり、有給休暇を取得させたうえで受験させたりすることは認められません(運用要領 4-56〜4-57頁)。
  • 受験の証明を保管する:受験票の写し等を、「育成就労計画の履行状況に関する管理簿」(参考様式第4-2号)とともに保管します。合格証明書面は保管せず、速やかに本人に渡します。
  • 初級の実技に不合格だったときの方針を決める:2回目を受けさせる義務はありませんが、終了時の試験の受験要件であるため、再受験の費用と時期を先に決めます。

監理支援機関がやること

  • 初級の受験手続支援を申請する:外国人育成就労機構(2027-04-01に外国人技能実習機構から改称)が、監理支援機関(単独型は実施者)の申請に基づき、試験実施機関への取次ぎや合否結果の把握を行います。あらかじめ育成就労外国人本人の同意が必要です。
  • 申込時期を守る:1年経過時までの試験は、認定を受けたら速やかに、遅くとも開始から6か月後までに申し込みます(運用要領 7-4頁)。
  • 終了時の1号評価試験は別に段取りする:運用要領は機構の受験手続支援の対象を「技能検定等」(技能検定と育成就労評価試験)と書いており、特定技能1号評価試験が対象になるかは明記がありません。申込みは、試験実施機関の受験案内に沿って進めます。現行は、ピアソンのウェブサイトで申込みを受け付けています(協会の受験案内に沿って進めます)。
  • 営業所の登録と協議会加入を確認する:受入れ予定の営業所が、建築物衛生法の登録営業所か、登録の有効期間が経過していないか、協議会構成員資格証明書があるかを、計画の認定申請前に確認します。
  • 受入企業ごとの区分表を持つ:誰がいつ入国し、初級・1号評価試験をいつ受けるかを一覧にし、合否と再受験の予定を記録します。進捗の持ち方は技能試験・日本語試験の進捗管理で整理しています。

費用は誰が負担するか

運用要領は、各種試験に要する費用(受験手数料・交通費・材料費等)を、育成就労外国人に負担させず、育成就労実施者または監理支援機関が負担しなければならないとしています。実施者と監理支援機関のどちらが最終的に負担するかの配分は、運用要領に書かれていません。契約や監理費の設計で決める事項です。監理費の内訳に算入できるかどうかは、今回確認できていません。

初級の受験料は公表待ちです。終了時の1号評価試験は、現行の受験手数料が日本で受験する場合4,400円(税込)で、これも外国人本人に負担させることはできません。A2目標講習の費用は、希望に応じて受講させる場合に実施者が負担することが求められています。予算は「初級は公表待ち、1号評価試験は現行手数料を目安に、日本語講習は実施者負担を前提に確保」と分けて置くのが現実的です。

優良要件の減点ラインとの関係

1年目試験(基礎級程度)の合格率が75%未満、終了時の目標技能試験の合格率が50%未満だと、優良な育成就労実施者の項目Ⅰで減点になります。配点の内訳、合格率の分母の数え方、技能実習の実績の持ち越しは、優良な育成就労実施者の配点(項目Ⅰ)で扱っています。

3年間の逆算スケジュール

育成就労の開始月を0か月として、別紙2、分野別運用要領、運用要領の記載から組み立てた目安です。初級の開催日そのものは未公表のため、「いつまでに何を済ませるか」を中心に置いています。

時期(開始月から)技能日本語
受入れ前(要求なし)。登録営業所の確認、分野別協議会への加入、教育計画の作成A1相当の試験合格、または講習の受講
認定後〜6か月以内初級の受験支援を申し込む(遅くとも6か月後まで)開始前に試験に合格していない場合は、1年経過時までの合格に向けて学習
12か月までビルクリーニング分野育成就労評価試験(初級)を受験。実技の合格が1号評価試験の受験要件A1相当(合格済みなら不要)。転籍を考える場合はA2.1に向けた学習
12〜24か月1号評価試験の受験方法の確認(機構の受験手続支援の対象かは確認中)A2.2に向けた学習、A2目標講習の機会提供
36か月(終了)までビルクリーニング分野特定技能1号評価試験を受験A2.2相当(JFT-Basic A2.2相当以上またはJLPT N4以上)を受験

転籍制限期間は1年です。本人意向の転籍には、初級の合格とA2.1相当の日本語が必要になるため、1年目の試験結果は、定着の見通しを立てる材料にもなります。

逆算表と準備物の確認欄を、紙1枚で持っておく

受験時期の逆算表、実技の準備物の確認欄、費用負担の確認欄(実施者・監理支援機関・未定)、日本語の要件、分野別の試験名をまとめたチェックリストです。

よくある質問

ビルクリーニングの育成就労では、終了時に専門級の試験を受けさせますか?

受けさせません。ビルクリーニング分野の別紙2は、育成就労の終了までに求める技能水準を「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」と定めています。1年目は新設の育成就労評価試験(初級)です。主たる技能を「ビルクリーニング」とする外国人は、1号評価試験の受験要件として、初級の実技試験に合格していることが必要です。

1年目の初級試験に不合格だった場合、再受験させる義務はありますか?

運用要領は、1年目の技能試験に不合格でも2回目を受験させる義務はないとしています。ただし、初級の実技に合格しないと終了時の特定技能1号評価試験を受けられないため、再受験の費用と時期は先に決めておく必要があります。優良な育成就労実施者の配点(項目Ⅰ)でも、再受験の機会提供が加点項目です。

建築物衛生法の登録を受けていない営業所でも、育成就労外国人を受け入れられますか?

受け入れられません。分野別運用方針は、都道府県知事から建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所で受け入れることを条件としています。登録は法人単位ではなく営業所単位で、有効期間は6年です。更新しない場合は基準に適合しなくなります。

日本語の試験は、JFT-BasicとJLPTのどちらを受けさせればよいですか?

分野別運用要領の別表は、どちらも認めています。就労開始前はJFT-Basic A1相当以上またはJLPT N5以上、転籍時はJFT-Basic A2.1相当以上またはJLPT N4以上、終了時はJFT-Basic A2.2相当以上またはJLPT N4以上です。就労開始前は、試験に代えて、認定日本語教育機関等のA1相当の講習(100時間以上)を受講する方法もあります。

試験の受験日は、欠勤扱いや有給休暇でよいですか?

認められません。運用要領は、受験に要する時間は労働時間であり、受験日を欠勤扱いにすることや、有給休暇を取得させたうえで受験させることは認められないとしています。受験手数料・交通費・材料費などを外国人本人に負担させることもできません。

更新履歴

更新履歴:2026-10-01 初版公開(別紙2・ビルクリーニング分野の分野別運用要領(本文・別表・審査基準)・運用要領・試験の方針・全国ビルメンテナンス協会のページを原文で確認)。公表待ちの項目は「試験の公表状況」の囲みで管理し、公表され次第、囲みを更新します。

出典一覧

この記事の確認情報

公開日:2026-10-01/最終事実確認日:2026-10-01/編集・事実確認:FRM Journal編集部

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