結論|造船・舶用工業の1年目試験は、66件中62件が「技能検定基礎級」、溶接(4件)だけが新設の「育成就労評価試験(初級)」です。教育の中心は、溶接と安全衛生になります
- 造船・舶用工業分野には、造船・舶用機械・舶用電気電子機器の3つの業務区分があります。分野別運用方針の別表3では、主たる技能66行のうち62行が技能検定基礎級(終了時は3級)、4行が溶接(手溶接・半自動溶接)の育成就労評価試験(初級・終了時は専門級)です。溶接があるのは造船と舶用機械で、舶用電気電子機器にはありません。
- 転籍制限期間は2年です。理由として、一人で溶接等の作業をするには技能に加えて安全衛生の十分な理解が必要で、同一の受入れ機関で2年育成する必要があると、方針に書かれています。転籍制限が1年を超えるため、実施者は1年目から2年目にかけて所定内賃金を昇給させる必要があります。
- 日本語は、就労開始前と1年目がA1相当、本人意向の転籍がA2.1相当、終了時がA2.2相当です。分野固有の上乗せはありません。
- 溶接の育成就労評価試験は、実施要領・実施機関・受験料・実技の内容と開始日が公表待ちです(本文の囲み「公表状況」)。基礎級の職種は既存の仕組みなので、教育と実技の準備は先に始められます。
根拠:出入国在留管理庁ほか「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙6)」第三1〜4・別表3、「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」第4章第5(最終確認日:2026-10-01)
造船・舶用工業は、令和9年度からの2年間の受入れ見込数が1万3,500人と置かれた分野です(別紙6 第一2(4)ウ)。造船所・舶用機械メーカー・舶用電気電子機器メーカーなど、事業所の規模も作業も幅広く、同じ分野でも「何の仕事で受け入れるか」で、1年目に受ける試験が変わります。受入企業の人事・現場責任者と監理支援機関の担当者は、受入予定の技能が別表3のどの行にあたるかを、最初に確認する必要があります。
本記事は、受験者本人の対策ではなく、受験させる側(受入企業・監理支援機関)の準備に絞って整理します。技能の教育と日本語の教育は、本文の中ほどに章を設けています。
造船・舶用工業で受けさせる試験(1年目・終了時・転籍時)
別紙6の第三1・3が定める、時点ごとの水準は次のとおりです。就労開始前に技能の試験は求められず、日本語だけが対象です。
| 時点 | 技能 | 日本語 |
|---|---|---|
| 就労開始前 | 要求なし | A1相当以上の試験に合格、または認定日本語教育機関等でA1相当の講習を受講 |
| 開始後1年経過時まで | 別表3のc欄(技能検定基礎級、または溶接の育成就労評価試験(初級)) | A1相当以上(合格済みなら再受験は不要) |
| 本人意向の転籍時 | 別表3のc欄に合格していること | A2.1相当以上 |
| 育成就労の終了まで | 別表3のd欄(技能検定3級、または溶接の育成就労評価試験(専門級)) | A2.2相当以上 |
転籍制限期間は2年です(別紙6 第三3(2))。1年目試験に合格しても、直ちに転籍できるわけではありません。転籍の仕組み全体は育成就労の転籍ルールで整理しています。
業務区分ごとの試験区分(別表3の集計)
別表3は、業務区分ごとに「主たる技能」を並べ、1年経過時までの水準(c欄)と終了までの水準(d欄)を定めています。同じ技能が複数の業務区分に載るため、行数は重複を含めた数です。
| 業務区分 | 主たる技能の行数 | 1年目: 技能検定基礎級 | 1年目: 育成就労評価試験(初級) |
|---|---|---|---|
| 造船 | 22 | 20 | 2(溶接) |
| 舶用機械 | 26 | 24 | 2(溶接) |
| 舶用電気電子機器 | 18 | 18 | 0 |
| 合計 | 66 | 62 | 4 |
集計:別紙6 別表3(令和8年1月23日閣議決定のPDFを原文で確認し、編集部が行数を数えたもの。確認日:2026-10-01)
育成就労評価試験(初級)が指定されている技能
次の2つの作業(溶接)は、1年目が育成就労評価試験(初級)、終了時が同名の育成就労評価試験(専門級)です。既存の技能検定ではなく、新設の試験です。
| 主たる技能 | 該当する業務区分 |
|---|---|
| 手溶接 | 造船・舶用機械 |
| 半自動溶接 | 造船・舶用機械 |
技能検定基礎級が指定されている技能
次の技能は、1年目が技能検定基礎級、終了時が技能検定3級です(別表3のc欄・d欄。技能検定の作業名で記載)。
| 業務区分 | 技能検定の作業(基礎級→3級) |
|---|---|
| 造船(20) | 建築塗装/金属塗装/鋼橋塗装/噴霧塗装/構造物鉄工/とび/建築配管/プラント配管/ダクト板金/内外装板金/木製建具手加工/左官/保温保冷工事/プラスチック系床仕上げ工事/カーペット系床仕上げ工事/鋼製下地工事/ボード仕上げ工事/カーテン工事/機械板金/家具手加工 |
| 舶用機械(24) | 機械系保全/建築塗装/金属塗装/鋼橋塗装/噴霧塗装/構造物鉄工/治工具仕上げ/金型仕上げ/機械組立仕上げ/普通旋盤/フライス盤/数値制御旋盤/マシニングセンタ/建築配管/プラント配管/鋳鉄鋳物鋳造/非鉄金属鋳物鋳造/金属プレス/手積み積層成形/ダクト板金/内外装板金/保温保冷工事/機械板金/機械検査 |
| 舶用電気電子機器(18) | 機械系保全/普通旋盤/フライス盤/数値制御旋盤/マシニングセンタ/回転電機組立て/変圧器組立て/配電盤・制御盤組立て/開閉制御器具組立て/回転電機巻線製作/金属プレス/電子機器組立て/プリント配線板設計/プリント配線板製造/建築配管/プラント配管/機械板金/機械検査 |
特定技能の造船・舶用工業分野にも、1号評価試験(造船・舶用機械・舶用電気電子機器)があります。育成就労の別表3のd欄(終了時)に特定技能1号評価試験は並んでおらず、造船・舶用工業では、終了時の目標は技能検定3級、または溶接の育成就労評価試験(専門級)です。別表3のd欄の試験に合格し、日本語A2.2相当に合格していれば、特定技能1号の技能水準にも該当します(別紙6 第二1(1)ア②。別表1には、特定技能1号の技能水準として溶接の育成就労評価試験(専門級)も並んでいます)。
試験の中身(公表されている範囲だけ)
技能検定基礎級
既存の仕組みです。厚生労働省は、技能実習生等向けの技能検定を、検定職種ごとに実技試験と学科試験で実施し、基礎級を「基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度」と整理しています。実施は都道府県職業能力開発協会(機械系保全は指定試験機関)で、日程は協会等と受入企業等の間で調整します。令和7年度の基礎級(技能実習生対象)は全職種で受検申請者82,498人、合格者73,185人、合格率88.7%でした。造船・舶用工業の職種別の合格率は、今回確認できていません。受検手数料は都道府県ごとの設定で、全国額も確認できていません。
育成就労評価試験(初級・専門級)
- 全分野共通の作り(試験の方針):初級は学科試験と実技試験、専門級は実技試験(学科は任意)で実施します。実技は製作等作業試験が原則です。初級を日本語で実施する場合は、原則としてひらがな分かち書きにヘボン式ローマ字を併記します(法務省・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」第2-2・第4)。
- 溶接の実施機関・実施要領・受験料・実技の課題・開始日:公表待ちです(囲み「公表状況」)。
- 参考:現行の特定技能1号試験(造船・舶用工業):実施主体は日本海事協会で、溶接では協会が定める試験母材を使い、手溶接・半自動溶接・ティグ溶接のいずれかで突合せ溶接を行います。試験は、申請者が準備した会場・設備を使う出張試験方式です。令和6年度の合格率は約94%で、報告書は、受験の設備・備品・会場準備を申請者が負担しているため、受験者が万全の準備をして受けていることが背景にあると推察しています。これは特定技能1号の実績と実施方式であり、育成就労評価試験(初級)の合格率や実技・方式を示すものではありません。
育成就労制度は2027-04-01に施行されますが、溶接の育成就労評価試験の具体的な開始時期は確認できていません。
公表状況(2026-10-01時点)|溶接の育成就労評価試験は公表待ち
- 公表待ちの項目:造船・舶用工業分野の溶接(手溶接・半自動溶接)の育成就労評価試験(初級・専門級)の、試験実施要領・実施機関・受験料・実技の課題・会場・開始日。出入国在留管理庁の「試験関係」ページ(2026-10-01確認)に掲載されている造船・舶用工業分野の実施要領は、特定技能1号・2号の試験実施要領のみです。
- 未確認の項目:造船・舶用工業分野の育成就労の分野別運用要領は、外国人技能実習機構「分野別の情報」ページ(2026-10-01確認)に、分野別運用方針と告示(令和8年国土交通省告示第440号)の掲載はありますが、運用要領は確認できませんでした。また、育成就労の分野別協議会の加入手続も、国土交通省海事局の協議会のページ(特定技能協議会の開催状況)では確認できませんでした。
- 公表されたら、この囲みを差し替えます。確認先は、育成就労の技能試験 17分野一覧、出入国在留管理庁「試験関係」、国土交通省海事局、外国人技能実習機構「分野別の情報」です。
技能の教育の進め方(1年目の試験まで)
試験を受けさせる義務はありますが、合格させる義務はありません。それでも、優良な育成就労実施者の評価では、1年目試験の合格率が75%を下回ると減点です(優良な育成就労実施者の配点(項目Ⅰ))。そのため、実務上は「合格率を上げる教育」を計画に入れておく必要があります。ここからは、方針・告示で確認できる事実と、編集部の整理(一般的な育成の手法)を分けて書きます。
方針・告示が求めていること
- 必要な訓練・研修の実施:告示(国土交通省告示第440号)第2条は、育成就労外国人に対し、必要な訓練または研修を行うこととしていることを、基準としています。方針も、必要に応じて訓練・各種研修を実施することを、実施者に課す条件としています。
- 安全衛生の確認:国土交通大臣が認める巡回確認機関により、職場での育成就労外国人の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成について確認を受けることが、実施者の条件です。
- 溶接の習熟に時間がかかる前提:方針は、溶接職種の技量取得状況を調べたところ、1年目の6割以上が初級レベルで限定された作業しかできず、一人で溶接作業をするには概ね中級レベル以上が必要で、そこまでは指導員の補佐・補助を伴うOJTが行われている、と述べています。2年の転籍制限は、この育成期間の確保が理由です。
教え方の整理(編集部)
- 区分表から、教える技能を絞る:造船・舶用機械・舶用電気電子機器のどれで、どの主たる技能を受け入れるのかを決め、基礎級の技能か溶接かで、教育の組み立てを分けます。
- 基礎級の技能は、過去の試験問題で題材を知る:技能検定の過去の試験問題は、中央職業能力開発協会の「技能検定試験問題公開サイト」で公開されています。厚生労働省の案内には、3級合格を目指す場合の指導者向けマニュアル(3級技能検定の実技試験課題を用いた人材育成マニュアル)も紹介されています。1年目の基礎級に直接使えるものではありませんが、2年目以降の目標である3級の実技課題を、教える側が確認する手がかりになります。
- OJTで教える作業を段階に分ける:指導員の補佐を伴う作業と、一人で行わせる作業を分けて、手順書にします。溶接では、一人で作業させる前の段階(材料の準備、開先や姿勢の確認、後片付けまで)を、安全衛生の手順とセットで決めます。
- 安全衛生を、技能の教育と同じ重さで計画に入れる:転籍制限の理由に安全衛生が挙げられているとおり、分野別運用方針は、一人で溶接等を行うには技能の修得に加えて安全衛生業務への十分な理解が必要と説明しています。保護具、火気、高所、クレーン周りの動線など、自社の現場の危険を、写真と実物で教えます。
- 練習の時間を確保する:受験に要する時間は労働時間ですが、練習の時間の扱いは運用要領に規定がありません。基礎級の実技の前に、練習の時間を勤務時間の中に決めておきます。溶接は、評価試験の課題が未公表のため、現場の訓練の記録(いつ、何を、どれだけ練習したか)を残しておくと、実施要領が出た時点で計画を調整しやすくなります。
- 実技の準備物の手配:技能検定の実技は、材料・工具・作業場所の手配が要ります。具体的な準備は技能検定基礎級の実技試験の準備と費用で整理しています。
日本語の教育(A1からA2.2まで)
造船・舶用工業分野の別紙6には、日本語について分野固有の上乗せ基準の記載がなく、共通の3時点(開始前A1相当、転籍時A2.1相当、終了時A2.2相当)が適用されます。
- 就労開始前〜1年目:A1相当の講習(100時間以上)か、A1相当の試験の合格が必要です。A1講習の要件はA1講習100時間の要件、日本語要件の全体像は育成就労の日本語要件で整理しています。
- 転籍の可能性が出る時期:本人意向の転籍はA2.1相当が条件です。造船・舶用工業は転籍制限が2年のため、本人意向の転籍が可能になるのは2年が経過してからです。A2.1の受験の時期や回数は育成就労の日本語試験はいつ・何回受けさせるかで確認してください。
- A2.2に向けた講習:終了時のA2.2相当を目標とする講習の義務と費用はA2目標講習の義務と費用で扱っています。
- 現場で必要な日本語(編集部の整理):安全に関わる言葉を最優先にします。「危ない」「止まれ」「火を使う」「持ち上げる」「離れてください」など、合図・警告・指示の言葉と、安全標識、保護具や工具・材料の名前です。教室の日本語と現場の指示の言葉は一致しないことが多いため、現場の指示を写真と実物で教え、日本語の学習はそこに結びつけます。
- 実習生が日本語でつまずいたときの現場の対応は、日本語ができない実習生への対応にまとめています。
受入企業が準備すること
- 受入予定の技能を別表3の行に当てはめる:どの業務区分のどの主たる技能で受け入れるか決め、1年目が基礎級か溶接の評価試験か、終了時が3級か専門級かを一覧にします。同じ技能が複数の業務区分に載るため、育成就労計画の業務区分と合わせて確認します。
- 事業者の要件を確認する:造船法第5条第1項各号の事業(告示は同法第5条第1項、方針は同法第6条第1項の事業と記載)、小型船造船業、その他の造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であることが求められます。法条の引用が方針と告示で異なるため、自社の事業が該当するかは、国土交通省に確認してください。
- 分野別協議会への協力:協議会で協議が調った措置を講じ、協議会や国土交通省の調査・指導に協力することが条件です。加入の手続は、2026-10-01時点で国土交通省海事局の協議会のページ(特定技能協議会の開催状況)では確認できていません。
- 昇給の設計:転籍制限が2年のため、1年目から2年目にかけて、協議会が毎年設定・公表する昇給率で所定内賃金を昇給させる必要があります。
- 基礎級の技能は、実技の準備物を早めに洗い出す:材料・工具・作業場所の手配が要ります。
- 溶接は「公表待ち」を前提に動く:評価試験の実技の課題や使用機材が未公表のため、現場での訓練の記録を取りながら、実施要領が出た時点で準備物を確定できる段取りにとどめます。実施要領の公表前に、設備や機材を購入・増設する判断はしないでください。
- 受験に要する時間を労働時間として扱う:欠勤扱いにしたり、有給休暇を取得させて受験させたりすることは認められません。
- 受験の証明を保管する:受験票の写し等を「育成就労計画の履行状況に関する管理簿」(参考様式第4-2号)とともに保管し、合格証明書面は保管せず速やかに本人に渡します。
- 不合格のときの方針を決めておく:1年目試験に不合格でも2回目を受験させる義務はありませんが、再受験の機会提供は優良要件の加点項目です。誰の費用で、いつ再受験させるかを先に決めます。
監理支援機関がやること
- 受験手続支援の申請:外国人育成就労機構(2027-04-01に外国人技能実習機構から改称)が、監理支援機関(単独型は実施者)の申請に基づき、試験実施機関への取次ぎや合否結果の把握を行います。あらかじめ育成就労外国人本人の同意が必要です。
- 申込時期を守る:1年経過時までの試験は、認定を受けたら速やかに、遅くとも育成就労開始から6か月後までに申し込みます。終了時までの試験は、開始から1年後を目処に、遅くとも終了の12か月前までです。終了時が特定技能1号評価試験の場合、機構の受験手続支援の対象になるかは運用要領に明記がないため、試験実施機関の案内で申込方法を確認します。
- 日程と会場の調整:技能評価試験は国内で、監理支援機関または実施者の要請に応じた適切な場所で実施するとされています。随時の受験を基本とする方針です。
- 受入企業ごとの区分表を持つ:受入企業ごとに、誰がどの技能で、基礎級か溶接の評価試験かを一覧にし、合否と再受験の予定を記録します。進捗の持ち方は技能試験・日本語試験の進捗管理で整理しています。
- 優良な監理支援機関の評価:技能・日本語の修得実績は、規則の評価項目に挙げられていますが、配点・基準は運用要領で未公表です。
費用は誰が負担するか
運用要領は、各種試験に要する費用(受験手数料・交通費・材料費等)を、育成就労外国人に負担させず、育成就労実施者または監理支援機関が負担しなければならないとしています。実施者と監理支援機関のどちらが最終的に負担するかの配分は、運用要領に書かれていません。契約や監理費の設計で決める事項です。監理費の内訳に算入できるかどうかも、今回は確認できていません。
また、受験料や監理支援費などの負担を理由に、育成就労外国人の報酬を低くすることは許されません(運用要領4-91頁)。技能検定基礎級の手数料は都道府県の職業能力開発協会ごと、溶接の育成就労評価試験の受験料は未公表のため、予算は「基礎級は協会ごとの手数料、評価試験は公表待ち」と分けて置くのが現実的です。参考として、現行の特定技能1号試験(造船・舶用工業)の令和6年度の受験料は、実施状況報告書に15,250円から99,000円の幅で記載されていますが、育成就労評価試験の受験料とは限りません。
優良要件の減点ラインとの関係
1年目試験(基礎級程度)の合格率が75%未満、終了時の目標技能試験の合格率が50%未満だと、優良な育成就労実施者の項目Ⅰで減点になります。配点の内訳、合格率の分母の数え方、技能実習の実績の持ち越しは、優良な育成就労実施者の配点(項目Ⅰ)で扱っています。
3年間の逆算スケジュール
育成就労の開始月を0か月として、運用要領の記載から組み立てた目安です。試験の開催日そのものは未公表のため、「いつまでに申し込むか」を中心に置いています。
| 時期(開始月から) | 技能 | 日本語 |
|---|---|---|
| 開始前 | (要求なし)。技能の区分表を作る | A1相当の試験合格、または講習の受講 |
| 認定後〜6か月以内 | 1年目試験の受験支援を申し込む(遅くとも6か月後まで) | — |
| 12か月まで | 基礎級または溶接の育成就労評価試験(初級)を受験 | A1相当(合格済みなら不要) |
| 約12か月 | 終了時試験の申込準備を始める目処。1年目から2年目にかけて所定内賃金を昇給 | — |
| 24か月まで(終了の12か月前) | 終了時試験の申込期限の目処(機構の支援の対象かは運用要領に明記なし。試験実施機関の案内で確認)。転籍制限期間(2年)が終わる | A2.2に向けた学習。本人意向の転籍にはA2.1が必要 |
| 36か月(終了)まで | 技能検定3級、または溶接の育成就労評価試験(専門級)を受験 | A2.2相当を受験 |
受験時期の逆算表、実技の準備物の確認欄、費用負担の確認欄(実施者・監理支援機関・未定)、日本語の要件をまとめたチェックリストです。
よくある質問
造船・舶用工業の育成就労では、1年目に技能検定基礎級と育成就労評価試験のどちらを受けますか?
主たる技能で決まります。分野別運用方針の別表3では、66の主たる技能のうち62件が技能検定基礎級、4件が育成就労評価試験(初級)です。評価試験は溶接(手溶接・半自動溶接)で、造船と舶用機械の業務区分にあります。舶用電気電子機器の業務区分には溶接がなく、すべて基礎級です。
造船・舶用工業の転籍制限期間はなぜ2年なのですか?
方針は、一人で溶接等の作業を行うには、技能の修得に加えて安全衛生業務の十分な理解が必要で、溶接職種の1年目の6割以上が初級レベルで限定された作業にとどまっているため、同一の受入れ機関で2年の育成を継続する必要があるとしています。あわせて、1年を超える転籍制限期間を設定する実施者には、1年目から2年目にかけて、協議会が設定する昇給率で所定内賃金を昇給させることが求められます。
溶接の育成就労評価試験の実施機関や受験料は決まっていますか?
2026-10-01時点で、出入国在留管理庁の試験関係ページには、造船・舶用工業分野の育成就労評価試験の試験実施要領は掲載されておらず、実施機関・受験料・実技の内容は公表待ちです。現行の特定技能1号試験の実施主体は日本海事協会ですが、育成就労評価試験も同じ機関が担うかは確認できていません。
試験の受験日は欠勤扱いや有給休暇でよいですか?
認められません。運用要領は、受験に要する時間は労働時間であり、受験日を欠勤扱いにすることや、有給休暇を取得させたうえで受験させることは認められないとしています。受験手数料・交通費・材料費などを外国人本人に負担させることもできません。
更新履歴
更新履歴:2026-10-01 初版公開(別紙6 別表3・告示・運用要領・試験の方針を原文で確認)。公表待ち・未確認の項目は、本文の囲み「公表状況(2026-10-01時点)」にまとめています。
このほかに今回確認できなかった項目は、技能検定基礎級の職種別の合格率と都道府県別の受検手数料、実施者と監理支援機関の費用の最終配分と監理費への算入可否(運用要領に規定なし)です。
出典一覧
- 出入国在留管理庁ほか「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙6)」(第一2(4)ウ、第二1(1)、第三1〜4、別表1・3。確認日:2026-10-01)
- 国土交通省告示第440号(令和8年3月31日)「造船・舶用工業分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(外国人技能実習機構「分野別の情報」に掲載。確認日:2026-10-01)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領(令和8年8月版)」(第4章第5 4-53〜4-57頁、4-91頁、第7章第3節 7-4頁。頁は前後1頁の誤差があり得ます。確認日:2026-10-01)
- 法務省・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度に係る試験の方針」(令和7年3月11日。第2-2、第4。確認日:2026-10-01)
- 出入国在留管理庁「試験関係」(試験実施要領・実施状況報告書。「造船・舶用工業分野特定技能1号試験実施要領」「令和6年度 造船・舶用工業分野特定技能評価試験実施状況報告書」を含む。確認日:2026-10-01)
- 厚生労働省「技能実習生等向け技能検定の概要」「令和7年度「技能検定」の実施状況」(確認日:2026-10-01)
- 中央職業能力開発協会「技能検定試験問題公開サイト」(厚生労働省の上記ページからのリンク先。確認日:2026-10-01)
- 一般財団法人日本海事協会「造船・舶用工業分野特定技能試験」(現行の特定技能試験の実施機関。確認日:2026-10-01)
この記事の確認情報
公開日:2026-10-01/最終事実確認日:2026-10-01/編集・事実確認:FRM Journal編集部
本記事は制度の一般的な説明であり、報酬を得て業として官公署に提出する書類を作成すること等には行政書士法その他の法令による制限があります。当編集部は個別の申請書の作成・添削・記載内容の判断を行いません。個別案件については行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。内容の誤りや更新漏れは編集部へ訂正をご連絡ください。
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